シートン俗物記

非才無能の俗物オッサンが適当なことを書きます

Black Lives matter!

アメリカの人種差別問題による抗議活動が活発になっていますね。トランプがさらに煽る始末で、クソ野郎に付ける薬は無い、という気分になっております。

先ほどNetflixで「13th」というドキュメンタリーを見ました。Netflixで無料公開されているので、ぜひ、ご覧ください*1

この問題は古くから形を変えながら続く、差別問題と関連しています。

正直なところ、日本においても在日外国人差別女性差別などと繋がるものを感じさせます。我々も他人事と思わず、内なる差別心と戦い、取り組んでいくべき問題でしょう。

しかし、他にも差別問題はある、という話は、問題の焦点をずらすことにも利用されます。次のツイートはたまたま知ったものですが、典型的なゴマカシの例といえるでしょう。

 

大坂なおみさんがこのデモをリツイートしていらっしゃったので、英語でコメントしてきました。
「本当に人権を真剣に守りたいなら、黒人だけでなく、中国で弾圧されているウイグルチベット、香港、台湾、キリスト教徒含めた全ての人権を守るために立ち上りなさい」

 https://twitter.com/Tomo20309138/status/1268686032246980609

 

これに関しては、このツイートより前にビリー・アイリッシュによって指摘されています。

 

 ビリー・アイリッシュ、Black Lives Matterを理解できない白人ファンと大統領のツイートにぶち切れる

例えば、あなたの友達が腕を切ってしまったら、あなたはまずその他の友達全員に絆創膏を渡すことができるのを待つわけ? 全員の腕が大事だからという理由で? そんなわけないでしょ。腕を切ってしまった友達を助けるよね? だってその友達は痛がっているし、助けが必要で、血が出ているわけだから! もし誰かの家が火事になってその家の中に人がいたら、あなたは、消防署に行って、その他の家を全部最初に見にいくわけ? 他の家も全部大事だからという理由で??? 違うでしょ! だって他の家はそんな必要ないわけだから。

 https://rockinon.com/blog/nakamura/194202

 

世界各国、各地域における人権侵害・差別問題に関心を寄せるのはよいことです。でも、それが、全部にコミットできなければダメだ、などというのは、単に問題を矮小化することにしかなっていません。このツイートの方は、わざわざ大坂なおみさんのツイートに英語でコメントを寄せていますが、その割にはビリー・アイリッシュらの意見は見てもいなかったようです。こんなものに同意が寄せられてしまう日本は、やはり差別大国というべきでしょうね。

アメリカの」問題と思わず、自らの社会の問題として捉えるため、この件に関心を持っていきます。

では。

*1:リンクを貼ろうとしたのですが出来ませんでした

悪夢のような民主党政権でよかった

新型コロナウィルス感染(以下、COVID-19と記す)騒ぎで生活が塗りつぶされるような日々が続いていますね。報道はほぼCOVID-19一色。ドラマもバラエティも総集編と称する再放送ばかり。先の見えない状況に苛立ちも募ります。その中で異彩をはなっているのが、安倍政権の振舞いです。
まさかのアベノマスク。そして、それがカビノマスクとなり、なぜ事業を受注できたのかもわからないような企業が登場する始末。マスク不足もなかなか解消されず、何度となく増やすと言明したPCR検査もいつになったら増やすのか。まあ、厚労大臣は検査を増やすことは可能だが、増やすとは言っていない、というごはん論法。各自治体や医師会は政府対応に見限りを付けて独自にPCR検査拡大を検討しています。医療現場にも充分な医療資材が渡っていません。
どさくさ紛れの検察庁法改正に踏み切ろうとするし、自分達がまるで機能しないのを憲法のせいにして憲法改正を訴えるわ、終いには、「絆、敬意、○」などという戯言をしゃべくる始末。
 
『敬意、感謝、絆』…観念的ワードを引っ張り出す安倍首相に立川談四楼が苦言「この総理のどこに危機管理能力を見たら…」

私なら、感染拡大を食い止めるのに必要なのは「カネ、情報、資材」である、と述べますけど。
もし、感染拡大を(本気で)止めたいのなら、検査・医療体制の充実を図り、それに必要な資材・人材を把握して手配し、人々の接触確率を下げるために外出制限を図り、代償としての生活保障を用意する。その計画と目標を明確に打ち出し、市民へ透明性の高い呼びかけを行なう、という形になるはずです*1
しかし、安倍政権が行ったのは、その逆、
検査・医療体制の不足を隠すための検査抑制、資材・人材確保は手を付けず、外出制限は「自粛を要請する」ばかりで補償を打ち出さず、会見ではあいまいな精神論に終始し、概要が頭に入っていないことを露呈し、会見をさっさと打ち切って不安解消に努めようとしない。
こうした政権の様子を見て、何をやってんだ、と疑問に駆られる人々もいるようですが、これが平常運転の安倍政権なのです。今までもずっとそうだったのですが、現在不安に思うような人々は皆、今まで政権の動きを注視してこなかっただけなのですね。
アベノミクスとやらのごまかしや、モリ・カケ・サクラの犯罪行為、外交関係、経済政策、通商交渉、全部、こんな感じです。
その点では疑問は無いのですが、これほどのCOVID-19の危機にありながらも、“平常運転”というのは、恐怖を感じます。
これはつまり、安倍政権の面々は日本における人々の生命や生活にまったく興味を抱いていない、ことを示しているからです。“自粛”によって生活基盤を奪われる人々に対する対応の鈍さ、やたら出し渋る予算、ピント外れの施策、どれも人々の生活に向き合うならば、到底不可能な所業でしょう。それは、この機とばかりに検察庁法改正や改憲を訴える姿にも現れています。
安倍首相は国会答弁等で何度となく、「悪夢のような民主党政権」というのを繰り返してきました。今になると、民主党政権は「悪夢のよう」でよかったな、と思います。
彼らは、稚拙ではあったが、真摯に事態に向き合う態度だけは感じられました。安倍政権には、そのような態度すら無い。悪夢のような、どころか地獄そのものです。
それでも、政権支持率は保たれている、という状況*2第二次世界大戦について調べるたびに、なぜ勝ち目のない、明らかに失策であった戦争を継続したのか、という疑問がありましたが、その答えは解らないものの、そういう状況は実際に起こり得るのだ、という感想を持っております。
 
地獄の釜の蓋はまだ開いたばかりです。今後、どのような状況になっていくのか。
一ついえることは、安倍政権支持者は、政権の命運が尽きると掌を返し、自分達が支持した事実すらとぼけるであろう、ことです。では。

 

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  • 作者:中沢 啓治
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*1:まあ、これは素人の私が考えることなので、抜けはたくさんあると思いますが

*2:アメリカでもトランプ政権の支持率は同程度なのを見て、ヒトの集団には一定割合こういう連中が湧くのだな、という感想を持っている

木の葉を隠すなら森に隠す、森が無ければ?森をつくればよい

#検察庁法改正案に抗議します
というツイートが大きなトレンドになっていることがメディアでも取り上げられました。

常日頃“政治的な発言はしない”芸能人*1らも連なる事で共感、中傷が入り乱れているわけですが、この問題を矮小化したい連中がいつものように湧いて出ております。
いわく、「国家公務員定年延長に伴う措置であって、取り立てて騒ぐようなことではない」
まあ、問題の発端が、特例措置によって黒川“アベポチ” 氏の定年延長を図ったこと、という部分をスッポリと抜かした論なので、相手にするには値しないものです。
この、自分達に都合のいい番犬を温存するための取り計らいを取り繕う(そう、安倍政権の行動に一貫しているのは常に取り繕う態度ですが)ために、国家公務員定年延長に検察官定年延長をくっつけてきた経緯は、朝日新聞の記事に時系列的に整理されているので、そこから詳しく見るのが判りやすいでしょう。

黒川氏定年延長、不透明な経緯 検察庁法改正案の問題点
https://www.asahi.com/articles/ASN5C7GG8N5CUTFK01R.html

一例を挙げれば、森法務相の「福島では東日本大震災で検事がまっさきに逃げ出した」発言は、なぜ急に、それも決定経緯も無い口頭決裁で、従来否定されてきた検察官の定年延長という重大事を決めたのか、という質問に対する中で出てきたものです。
この問題は、すべからくデタラメばかりなのです。

「震災で検察官が逃げた」森法相が発言撤回 国会紛糾
https://www.asahi.com/articles/ASN3C5DK5N3CUTFK01B.html

さて、この取り繕いで想像したのが、古典ミステリーの傑作、ブラウン神父シリーズで出てきたエピソードです。今回のエントリーのタイトルでもあります。
単独だと目立って指摘されてしまう事柄を隠すにはどうしたらいいか。それがあっても目立たないところに紛れ込ませれば良い。でも、その紛れ込ませられるところがなければどうするか?その状況を作り出してしまえば良いのだ。
ミステリーの中身を説明するほどヤボではありませんから、「STAY HOME」中にでも読んでみてください。

 

実際に行われた事件もあります。「竹槍事件」です。
詳細は幾らも資料があるので、そちらを読んで貰えばいいのですが、簡単に説明するなら、
第二次世界大戦中、東条英機が自分を批判した(とみなした)新聞記者に激怒して徴兵、死地へ送り込もうとした。しかも、記者と同年齢(37歳!)の人々を適当に選出して徴兵し、それが懲罰的と見なされるのを避けようとした、というヒドイ話です。
徴兵された記者は海軍の庇護により命を長らえましたが、とばっちりを喰らった老兵たちは硫黄島で全滅しています。
蒲生邸事件 (文春文庫)

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これも、クソウヨ達の言葉を借りれば、「戦局変化によって徴兵年齢が上がっただけ、たまたま記者も含まれていたのだ」みたいになるでしょうか。
安倍政権は飼い犬の取り繕いに留まらず、検察人事に積極的に関与して政権の腐敗をアンタッチャブルなものにしたいようです。行動するなら今です。では。

*1:それはそれで問題だとは思うのですが。本来、民主主義国家においては、誰もが政治的問題に関わるのがあるべき姿なので

ロックダウンしなくても不要不急の外出を抑える方法

久しぶりの更新でございます。

酷いことが起こりすぎたうえ、年度末まで忙しかったので更新が出来ませんでした。もともと、小さなお店でワイワイ呑むのが好きなので、現在の新型コロナウィルス問題はストレスが溜まります。しかも、布マスク二枚が配られる、とのこと。日本を逃げ出したくなりますが、逃げ出すことも受け入れてもらうことも出来ないわけですね。

 

で、コロナウィルスのパンデミックを抑えるには、”不要不急の外出”を止めさせなくてはなりません。そこで、こんな方法はいかがでしょう。ざっと、100憶ぐらいで外出を抑えることが出来るアイディアです。それは、

 

二週間ほどの期間を設けて、全国から無作為に抽選して100人選出する。そして、その人の住所を担当者が訪問して、在宅していれば1億を受け取ることが出来る。いなければ権利を失う。これは、始める前に広報して、全国に周知を徹底する、というもの。

 

諸経費もさほど掛かりませんし、100億程度ですから、布マスクよりはだいぶマシだと思います。

もちろん、私は全国への給付は必須で本筋だと考えますが、併せて行うことで、外出する人を減らすことが出来るのではないでしょうか。この考えいかがでしょう?

では。

 

追伸

個人的にはカミュの「ペスト」よりも、小松左京の「復活の日」の方がしっくりします。途中、皆が漠然と、このパンデミックにも終わりがくる、と楽観的な予想をしている描写があります。たしかに、どんなものにも終わりはあるのですが、どのように終わるのか、は判らないのですけどね。他にも、示唆に富むエピソードがあるので、読んでみることをお勧めします。

くじ (ハヤカワ・ミステリ文庫)

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復活の日 (角川文庫)

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ザ・スタンド(1) (文春文庫)
 

 

12モンキーズ(Blu-ray Disc)

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  • 発売日: 2012/12/21
  • メディア: Blu-ray
 

 

いいかげんにしろよ!

朝、ラジオを聴いていたら、突然、立花孝志がしゃべりはじめた。

え、何でレイシストの声を朝から聞かなくてはならないんだ!!で、見てみると

f:id:Dr-Seton:20191213220735p:plain

ワンモーニング

https://twitter.com/ONEMORNING_1/status/1205348030481715200

TOKYOFM/JFN『ONE MORNING』
" リポビタンD トレンドネット"
ガジェット通信・編集主幹の宮原俊介さんが登場
『ガジェット通信で今年バズった記事』
「ポン酢を買ってきたら怒られた」記事も紹介
そして「ガジェット通信 ネット流行語大賞2019」を受賞した立花孝志さんからコメントも届きました
#ワンモ

 いい加減、レイシストに発言させる場を与えるべきではない、というのが理解されていないのがツラい。さすがに、極右斜陽の国だけのことはあります。

まあ、テレビでも三浦瑠麗やら古市憲寿を見かけるわけで、メディア側がまともな判断力を持っていない、ってことなんでしょうね。

 

理解を求める必要などない

ご無沙汰しております。しばらく忙しくしておりましたが、その間、いろいろとありましたねぇ。
正直なところ、サクラやらクツやら献血やらオリンピックマラソンやら、消費税不況やら、次から次へとネタ三昧。草稿書いている間に、新たなネタが回ってくる回転すし状態だったので、なかなか手を付けかねておりました。
さて、こんな記事が掲載されておりました。

炎上繰り返すポスター、CM…「性的な女性表象」の何が問題なのか
フェミニズムから学べること
https://gendai.ismedia.jp/articles/-/68864

非常に判りやすい解説です。しかも、イラスト付きで問題を的確に指摘しております。ブックマークを見ると、まだこれほど丁寧に解説してくれている話に噛みつくクソが大量に湧いておりまして、頭痛がしてきます。
まったく理解に苦しむのですが、このクソどもはこれほど丁寧な解説に噛みついて、どうしようというのでしょうか?
ここに載せられている解説のバックボーンにあるのは、女性たちが社会に溢れる性的表現に感じている差別の指摘です。クソどもが攻撃すればするほど、これらの表現がまさに女性差別であることと、それに対するクソの鈍感さ、ギャップが浮き彫りになるだけなのです。
平たく言えば、皆ドン引き、ってことですね。
これほど丁寧に書いている解説ですが、一つだけ異論があります。

「行動する女たちの会」は、フェミニズムに反発する人たちが持っているイメージとは反対に、「法規制より論争を」と主張していました。フェミニズムの観点から表象を批判する側は「わいせつ」批判と自分たちの主張との差異化に気を配り、表象を擁護する側は自分たちが気づけていない差別的な文脈がないか謙虚に学ぶことで、私たちは「エロはゾーニングしろ」「これのどこがエロいんだ」という不毛なやりとりの先へと進まなければなりません。そうやって議論を通じて多くの人が合意できる落としどころを探っていくプロセスは、「表現の自由」が守ろうとしているものでもあるはずです。

 

私は、こうしたクソどもとの議論は不要だと考えます。時間と労力のムダです。なぜなら、彼らは判っていないわけではないのです。理解していないのではない。理解したくないのです。つまり、女性をモノ扱いしたい。
誰も個人的環境で、自分の願望を表現することを否定しているわけではない。問題は、不特定多数の人々の目に入る場所でどう表現されうるべきか、という点です。そうした場で女性をモノ扱いする表現を公開する、モノ扱いされる女性たちの目にも入るようにする、ことは、お前らをこう扱う(扱いたい)と宣告することにほかならない。
すでに理解しているが、その理解を拒絶する連中と話し合うことになんか意味があるでしょうか?(いいや、無い)

女性表象をめぐっていくつもの「炎上」、とは何か?
これは、女性が「理解」を求めるものなどではない。女性から、クソどもへの「宣言」です。
わたしたちのカラダはわたしたちのもの。オマエたちのものではない。という。
これが「表現の自由」の問題であるならば、それは表現が抑制される、のではなく、女性の言葉が抑制されていた、ということです。
ですから、クソどもが理解できるまで論争すべき、などということはありません。宣言はすでになされた。あとは、我々がどう受け入れるか、という問題でしかありません。
こう書いていますが、私だって理解が及んでいるかは怪しいものです。指摘されて気づくことも多い。ですが、指摘してくれた側を攻撃し、“論破”して得るものなど何もありません。こう書いて伝わりますでしょうか?まあ、伝わらなくてもいいですけどね。

では。
 

追記:この一連の話で、町山智浩さんが、ああした振る舞いに出るのは残念ですね。ミンストレルショーの問題点が理解できるなら、女性表現の問題も判りそうなものですが。

グレタ・トゥーンベリ氏は世界を変えたか

グレタ・トゥーンベリ氏の国連総会でのスピーチが話題となりました。

グレタ・トゥーンベリさん、国連で怒りのスピーチ。「あなたたちの裏切りに気づき始めています」(スピーチ全文)
https://www.huffingtonpost.jp/entry/greta-thunberg-un-speech_jp_5d8959e6e4b0938b5932fcb6

私は今、この壇上にいるべきではありません。私は海の向こうで学校に行っているべきです。それなのに、あなたたちは私に希望を求めてここにきたのですか?よくそんなことができますね!

自分としては、彼女が云うように“自分たちはやるべきことをやっていると”は個人レベルではともかく、社会的取組みに熱心であったとは言えないので、恥入るばかりであります。社会に責任を持つべき大人としては、彼女(やそれに賛同する世界各国の多くの青年ら)に為すべきことをさせてしまったことを反省しています。
 

でも、その責任を直視したくない方々が、彼女を中傷しているようです。みっともないですね。
 

地球温暖化*1を否定するような輩はさすがに減ってきています。不思議なことにニセ科学批判の方々が温暖化否定を熱心に批判するところは見たことがありませんが、その方面からの攻撃はあまり目立ちません。なので、彼女の話し方や態度、バックボーンなどスピーチの内容以外を攻撃することにしたようです。
 

彼女があまりに“感情的”であるからドン引き、というような意見、これに関しては“トーンポリシング”がまんま当て嵌まります。
彼女の主張は世界の科学者の主流意見に沿っていますから、その価値を薄めるには、“冷静ではない、感情的だ”的な目の逸らし方が必要なのでしょう。
 

「冷静に」なんてなりません!
https://note.mu/erinadinfinitum/n/nbe3646e6835b
 

声高に叫ぶな!(拙ブログより)
https://dr-seton.hatenablog.com/entry/20140628/1403936798
 

自称現実主義者のしょうもなさ(拙ブログより)
https://dr-seton.hatenablog.com/entry/20141109/1415520809
 

また、彼女のスピーチがあまりに素晴らしかったために、(環境)活動家や左翼の操り人形ではないか、という意見も出ています。さすがにアメリカでそれを口走った輩は(あのFOXであっても)追放になりましたが、世界に冠たる極右国家日本では問題にならないようです。凄いですね。
 

国連演説のグレタさんに「病んでる」 米TV局が謝罪
https://www.asahi.com/articles/ASM9T1S4PM9TUHBI005.html
 

彼女の能力や判断力を証拠も無しに懐疑的に見ている、ということでして、随分と失礼な態度と言えるでしょう。
ちょっと前に取り上げましたが、女子高校生がパヨクを論破!みたいな話にはデマでも飛びつくのに対し、随分と態度が違うようです。
 

結局、女性(特に未成年女性)を見下しているのがアリアリと判ります。こうした連中にはグレタ氏をちゃん付けで呼んでいるような輩も見受けられるので、ひたすらキモいです。
 

手の込んだ中傷としては、途上国をダシにして、経済成長しないとやっていけないんだよ、それが現実だ、みたいな主張も見えますね。
ですが、これも以前指摘した“デカップリング”について、まるで理解していないことを示しています。
 
 

グリーン成長戦略「デカップリングとは何か?」

http://www.cas.go.jp/jp/seisaku/npu/policy09/greenenergy/green_growth_strategy/decoupling/index.html

これまでの社会では、経済成長に比例してエネルギー消費も増えるとされてきました。企業活動が活発になり、生活が豊かで便利になれば、電力やガスをたくさん使うのはもっともなように思われます。
カップリングとは、これに対して一定の経済成長や便利さを維持しつつも、エネルギー消費を減らしていく、即ち両者を「切り離す」という考え方です。 例えば、資源の再利用・循環利用を行う、エネルギー多消費の産業構造を改める、これまでにない手法で省エネすることにより、デカップリングは可能です。
ドイツでは、過去20年の間、日本以上に高い経済成長を続けつつ、一次エネルギー消費や温室効果ガスを減らしています(下図)。 再生可能エネルギーの導入やコジェネによる地域熱供給体制の構築、住宅の断熱化などにより、関連雇用を大幅に増やしつつ、エネルギー効率を高めてきました。
日本は世界で最も省エネが進んでいると言われてきましたが、エネルギー消費が増え続けてきたことも事実です。しかし、日本でもここ数年デカップリングの傾向が出始めているという指摘もあります。
カップリングの実現は、社会の仕組みを変え、経済成長のあり方を改めることに繋がり、グリーンエネルギー革命の一断面といえるでしょう。

 

このエントリーはもう5年前のものでして、当時よりはるかに現実は進んでいます。
再生可能エネルギーの内、太陽光と風力は発電手段で最安となり、それは未だに続いています。
 

「太陽光と風力が最安」原子力の専門家が報告書
https://www.nikkei.com/article/DGXMZO35826940X20C18A9000000/
 

二酸化炭素排出源として大きな割合を占める運輸部門でも、電動化、さらにMaaS化が進めば排出量は減るでしょう。経済成長すれば二酸化炭素排出増加が当然、という見方は既に古いのです。
途上国などでも再生可能エネルギーの恩恵を受け始めています。
 
 
安価な太陽発電でガザに光もたらす パレスチナ女性起業家
https://www.afpbb.com/articles/-/3231523
 
 
風をつかまえた少年
https://longride.jp/kaze/

もっというなら、RE100のような経済界の意欲的取組みをどう考えているのでしょう*2
 
 
 

【エネルギー】RE100と現在の加盟企業 〜再生可能エネルギー100%を目指す企業経営〜
https://sustainablejapan.jp/2019/02/16/re100-2/25334
 

どうせ操り人形扱いするなら、RE100の陰謀だ、差し金だ、くらい言ってみたらよかったんじゃないですか?まあ、現実の強者には従順な皆さんですから、そんなことはしないでしょうけど。
 

グレタ氏は世界を変えたのか?それは未だ判りません。ですが、彼女の言葉は多くの人に突き刺さった。有象無象の反応は、それゆえでしょう。でも、私は、彼女の言葉に逆ギレをするのではなく、応える大人でありたいと思います。
では。

*1:温暖化という言い方はすでに適当とは云い難くなっています。気候変動よりも気候危機と呼ぶにふさわしい、という意見も出ています

*2:ワタミも入っているのが気がかりですね