シートン俗物記

非才無能の俗物オッサンが適当なことを書きます

ブラジルが売られる

ブラジル新政権民営化を加速 ボルソナロ大統領
サンパウロ=外山尚之】1月に発足したブラジルのボルソナロ政権が公営部門の民営化を推進する。第1弾として18日、国内12空港の民営化手続きを進めると発表した。事業規模は35億レアル(約1千億円)以上の見通し。ブラジルでは財政難から公営インフラの投資が滞り、劣化が進む。財政支出を抑え、設備、サービスの質を上げられるとして港湾など幅広い分野にも導入する。
ボルソナロ大統領は北東部、中部、南部の地方空港の民営化案を発表した。ブラジルではビーチが近いレシフェ空港、ボリビア国境近くのクイアバ空港など乗降客が多い空港がある一方、乗降客が少なく採算性が悪い空港が比較的近い地域に立地する。国土が広く、飛行機が市民の“足”として定着しているためで、空港運営が難しい理由となっている。
民営化案では、採算性の良い空港と悪い空港を地域別にまとめて運営させ、効率を上げる。受託した企業は乗降客が少ない空港にも設備投資をしやすくなり、インフラの劣化を防ぎやすくなる。
入札日は3月中旬としており、7月以降に契約を結ぶという。ボルソナロ氏は就任間際に素早く民営化手続きを進めることで、改革派をアピールする。1月には自身のツイッターで4つの港湾を民営化することも打ち出している。老朽化が進みつつある高速道路も候補になりそうだ。
ブラジルはこれまでも空港を民営化してきたが、12もの空港を一気に民営化するのは初めて。同国では独フラポートやシンガポールチャンギ空港の運営会社などが空港運営に乗り出しており、これらの企業が入札に参加するかが注目される。港湾、配送電網などで買収攻勢をかけている中国企業の可能性もある。
民営化の旗と振るのは経済学者出身のゲジス経財相だ。ノーベル経済学賞を受賞した米経済学者のミルトン・フリードマン氏の下で学んだ同氏は、国営企業の民営化、年金支給額の抑制による財政再建などを強く主張する。
20日には年金支給開始年齢の引き上げを柱とする年金改革法案が議会に提出された。ボルソナロ大統領、ゲジス経財相の改革は着実に進んでおり、民営化も急速に広まるとみられる。
今後、政権が民営化に本気で取り組むのかどうかをはかる目安となるのが、前テメル政権下で頓挫した案件だ。前政権は2017年8月、中南米最大の国営電力エレトロブラス、ブラジルで2番目に利用客が多いサンパウロコンゴニャス空港などを候補とする民営化案を発表したが、実現しなかった。
公営部門が肥大化したブラジルでは収益性が高い案件は労働組合などをはじめとする既得権益者が多く、民営化に様々な勢力が抵抗する。こうした難しい案件を実行できるかどうかで、企業や投資家の評価は変わりそうだ。

 

財政難 投資は限界 インフラ崩壊に危機感
サンパウロ=外山尚之】 ブラジルでは財政難からインフラ投資が滞り、トラブルが相次いでいる。高速道路の橋ではヒビが見つかり、国立博物館では火災が起きた。きちんとメンテナンスしていれば防げたとみられ、「インフラの崩壊」と嘆く国民も多い。財政難の原因は2016年のリオデジャネイロ五輪の支出、前の左派政権のばらまきなどが指摘され、立て直しが急務だ。
経済協力開発機構OECD)の調査では00年から17年までの平均で、ブラジルの国内総生産GDP)における公共投資額の比率は1.92%と、OECD加盟国平均の3.51%を大きく下回る。数少ない公共事業費はサッカーW杯やリオ五輪の整備に回され、基礎インフラが後回しにされてきた。50歳代からもらえる年金制度など手厚い社会福祉も財政悪化の一因。民間シンクタンク、ジェトリオ・バルガス財団のブラジル経済研究所のマノエル・ピレス氏は「ブラジルの財政は社会福祉により圧迫されており、連邦政府・州政府とも公共投資に十分な予算を振り向けていない」と分析する。
民営化に対するボルソナロ政権の期待は大きい。しかし、民間の資金とノウハウを頼りにして、財政再建を進めないままでは公共財産を切り売りしているだけだとの批判は免れない。年金改革案をはじめ、抜本的な構造改革ができるかどうかがカギと言えるだろう
日経産業新聞 19年2月27日)

 

スゴイですね。日経新聞社、未だに新自由主義ミルトン・フリードマンの亡霊のような主張をダラダラ連ねる特派員を派遣するなんて。しかも、そのひどい主張を記事にするという大惨事。
ボルソナロ大統領といえば「ブラジルのトランプ」と異名を取り 実際にトランプ氏と仲が良いそうで、旧軍事政権下の人権侵害すら無視するどころか称揚するクソのようなヤツですが*1、そうした問題は見事にスルーし、公共財産の売却を進める態度を褒めそやす始末。
どっかでみたような話でしょう?ミルトン・フリードマンは教鞭を取ったシカゴ大学において、極端なほどの古典的自由主義新自由主義)を、特に中南米富裕層の留学生に振りまきました。通称シカゴボーイズ。その名はチリのピノチェト政権における新自由主義の実験で知れ渡りました。
 
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戒厳令下チリ潜入記 [VHS]

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民営化(=公共財産の私物化)と緊縮財政は、チリだけでなく、それを真似たイギリス、アメリカを始めとして世界中で流行しましたが、大体、同じような結果を招いています。大失敗だった、ということ。

 

チャヴ 弱者を敵視する社会

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つまり、緊縮財政による経済停滞と、一般市民の窮乏化と一部富裕層の富の膨張、つまり格差の増大です。日本では現在、大っぴらに緊縮財政が素晴らしい、というバカは減りましたが、巧みに隠ぺいしながら進行中の事態を、堤未果さんは「日本が売られる」と喝破しました。

 

日本が売られる (幻冬舎新書)

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ブラジルでは、それが大っぴらに行われているわけですね。
先ごろ話題になった「ファクトフルネス」でもちょっと触れていますが、ブラジルでの富の偏在はひどいものです。

FACTFULNESS(ファクトフルネス) 10の思い込みを乗り越え、データを基に世界を正しく見る習慣

このクソのような特派員の記事とは異なり、本当に問題なのはこうした富裕層に適切な課税が出来ないことです。彼らのような富裕層およびそれが保有するコングロマリットこそが真の意味での「既得権益者」なのですが、労働組合を真っ先に既得権益者、に挙げる新聞記者。もう、新聞記者などではなくて、富裕層のケツ舐めでしかありませんね。

 

エスタブリッシュメント 彼らはこうして富と権力を独占する

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今後ブラジル(そして、同様に公共財産が売られる日本)がどうなるかですが、おそらくは経済の縮小は避けられず、中間層が減り、貧困層が増え、人種問題*2も併せて社会不安が募ることになるでしょう。

 

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その動揺をおそらくは、強圧的に、かつての軍事政権そのままの態度で、抑え込もうとするでしょう。
中南米の特派員というのはどいつもこいつも「シカゴボーイズ」的な態度が気になります。朝日新聞の岡田玄やその前の特派員の田村剛などもひどいものです。
彼らがネグっていることですが、アルゼンチンでは現在、緊縮王IMFに押し付けられた緊縮財政の真っ最中。なのに、政策金利は一時70%、現在でも40%以上、というそら恐ろしい状況です。
 
為替とインフレ率、安定的に推移との見方増える(アルゼンチン)

想像できますか?銀行金利が40%以上で、財政支出が極端に絞られている社会を。おそらく、一般人や中小企業などは資金確保すらままならないでしょう。考えるだけでゾッとします。ですが、そんなアルゼンチンの情報は朝日や日経の紙面には載らないのです。左派政権の時は、さんざん攻撃対象として取り上げていたのに。
ベネズエラもきっとマドゥロ政権*3が倒れ、そして富裕層が推す政権に代われば、ベネズエラ貧困層の話はおくびにも出なくなるでしょうね。今度はボリビアかメキシコあたりが標的になるでしょうか。

 

金で買えるアメリカ民主主義 (角川文庫)

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いい加減、世界中、真っ当な政治を行なうべきなのです。
富裕層から富を取り返して、貧困に苦しむ人々に再分配する。そして、社会福祉や教育、医療に潤沢な予算を付け、安心できる社会を作ること*4。それが今一番必要なことじゃないでしょうか。
では。

*1:銃規制も緩和したそうですし、貧困層への蔑視的態度も酷いものです

*2:ブラジルでは、先住民やアフリカ系、その混血の人々の多くが貧困層です。ヨーロッパ系移民との経済格差は大きいですが、ヨーロッパ系も大半は豊かというほどではありません。よって、今回の選挙に見るような貧困層を突き放すような主張が受けたのです。これは、中南米の各地で見られる構図です

*3:マドゥロ政権を独裁として非難する米トランプ政権ですが、もっと大っぴらに独裁を布いているサウジアラビア等は擁護するわけですから、問題視しているのは独裁でも民衆弾圧でも無い

*4:アメリカではバーニー・サンダースエリザベス・ウォーレン、アレクサンドラ・オカシオ・コルテス、ベト・オルークら、イギリスならジェレミー・コービンら、フランスならメランショに期待しています。日本ではそれを主張しているのが共産党立憲民主党でしょうか

ストロング系で自滅するわたし

この数年、酒の嗜好が変わって、ストロング系の缶チューハイを飲むようになった私。結構、コンビニで期間限定だののストロング系が出ると、つい飲んでしまう。
なので、このニュースは、「俺だけじゃないんだな」感があって、後ろめたさが薄れてしまう。


「氷結」16年ぶり首位譲る 「ストロングゼロ」がトップに
https://mainichi.jp/articles/20181227/k00/00m/020/117000c

2018年の缶酎ハイ出荷実績で、キリンビールの「氷結」シリーズが02年から16年連続で守ってきたブランド別首位の座を譲る見通しになったことが27日、分かった。年末商戦の行方にもよるが「ストロングゼロ」で知られるサントリースピリッツの「−196℃」シリーズが競り勝ち、初めてトップとなるのがほぼ確実だ。


特に、ストロングゼロのドライや、ビターオレンジ、ビターアップルがお気に入り。最近だと、サッポロの99.99がドハマり。しかも、500mlの缶、二本空けてしまったりするので、自分でもヤバいという自覚はある。
まあ、最近、やってらんねぇよ!という事が増えた、というのはあるのだが、それにしても禁酒を考えないといけないですね。


では、皆さま良いお年を。

クソウヨはやっぱり自衛厨だった

読むのがつらくなる話がありました。すでに読まれた方も多いと思います。


拝啓 伊藤詩織様 | 差出人は25年前の最も有名なレイプ事件の被害者 | クーリエ・ジャポン
https://courrier.jp/news/archives/142306/


で、ブコメに目を疑うコメントがありました。


http://b.hatena.ne.jp/tetora2/20181207#bookmark-374736537

被害者女性は気の毒ではあるけれど「見ず知らずの人についていってはいけません」という幼稚園児ですら守っている原則を無視したのも事実。これを被害者擁護一色で染めるのはおかしい。


もう、何度こうした“自衛厨”を批判してきたでしょうね。学習機能、ってもんがこういう輩には無いんでしょうか?
まあ、コイツのブコメを見ると、安倍信者のクソウヨですから、そんなものなのでしょうけど。
「自衛のススメ」を他人が、それも加害者目線で行い、被害者攻撃として使う。極めて短いのに醜悪さがすべて詰まった宿便*1のようなゲスいコメントを読まされるとゲンナリします。
すでに9年も前に指摘してきた話なのですが。


男は夜道で刺されても当然
http://d.hatena.ne.jp/Dr-Seton/20091202/1259763746


男は性犯罪を防ぐために外出制限されて当然
http://d.hatena.ne.jp/Dr-Seton/20091203/1259844768


男をルドヴィコ療法に掛けるのは当然
http://d.hatena.ne.jp/Dr-Seton/20091205/1260004523


「男はケモノ」が「女性の自衛」と結びついていること自体が差別
http://d.hatena.ne.jp/hokusyu/20091203/p1


どんな友人でも最初は“見ず知らずの他人”です。その誘いに乗ったから、といって他人が責めるべきではない。責められるべきは信頼を裏切った輩です。大体、性犯罪の加害者で圧倒的に多いのは「身内・知人」です。そんなに知人に「自衛」して欲しいですか?私は女性の信頼を裏切りたくもないし、「自衛」を強いたくもありません。
まだ、女性は「自衛」をせざるを得ない。だとしても、その現実を変え、「強姦者の論理」(被害者の側に隙があったorそんなところに行く被害者が悪い)を否定しなければならないのです。では。

Black Box

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性犯罪被害とたたかうということ (朝日文庫)

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性犯罪被害にあうということ (朝日文庫)

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セカンド・レイプ (講談社文庫)

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*1:宿便というものは無いそうですが

なるほど、ナットク。

このところ忙しかったものですから、なかなかニュースに触れる機会も短かったのですが、それにしても理解に苦しむニュースがありました。これです。


徴用工、首相「あらゆる選択肢を視野」政府の対応本格化

首相は、元徴用工への賠償については1965年の日韓請求権協定で解決済みだとし、判決について「国際法にただせば、あり得ない」と改めて批判した。今回の原告にも言及。当時の労務動員の方法として「募集」「官あっせん」「徴用」があったとし、原告4人は「いずれも募集に応じた」と説明した。

https://www.asahi.com/articles/ASLC15300LC1UTFK01B.html


徴用工というか、強制労働問題については以前も触れているのですが、日本政府の対応は明らかに問題があるので、まあ、こういう判決が出るのも当然かな、と思っていたので、日本政府の反応は意外ではありませんでしたが残念なものでした。
それにしても、ここで安倍首相が言う「国際法」って、なんでしょうかね?ちょっと私にはわかりません。
ナチスによるユダヤ人迫害にせよ、トルコのアルメニア人大虐殺にせよ、アルゼンチンやチリの市民迫害にせよ、植民地の旧宗主国側の人権問題にせよ、“過去のことをほじくり返す(これ自体が加害者側の論理なわけですが)”話はゴロゴロしているわけで、どういう根拠があって、「国際法にただせば、あり得ない」なんて言っちゃったのかサッパリ判りません。
まあ、いつものとおり、特に判ってもいないのに大風呂敷広げた、というだけなのでしょう。


この個人請求権が損なわれていない、という韓国側司法の判断根拠は、日本政府がかつて認めたものなので、お前は何を言っているんだ、案件なのです。


日本国と大韓民国との間の条約及び協定等に関する特別委員会第10号(昭和40年11月5日)

(前略)○石橋委員 そうしますと外交保護権も放棄した。日本国民の個人のいわゆる所有権というものも、これも全部、その当人の承諾なしに、日本政府がかってに放棄した、こういうふうに認めていいですか。
○藤崎政府委員 前段におっしゃった外交保護権のことはそのとおりでございます。個人の請求権というものは向こうさんが認めないであろうということを申しているわけでございまして、この条約、協定で、そういうものを日本政府が放棄したということじゃないわけでございます。
○石橋委員 日本の政府は国民の生命、財産を保護する責任があるわけですよ。それをかってに放棄したと同じ形になるじゃないですか。それに対して責任を持たないのですか。
○藤崎政府委員 それが外交保護権の放棄ということでございます。(後略)

http://www.twitlonger.com/show/n_1sqn6v7


そもそも、日韓国交正常化の際に軍事独裁政権であった朴政権が結んだ条約は、反共政策の一環でしかなく韓国市民への償いを実現するものではなかったわけなので、それを堂々と“解決済み”というのは人権意識に関心が薄い、と告白するものでしかありません。


徴用工判決が突きつける「日韓国交正常化の闇」 韓国大法院判決全文の熟読で分かったこと
https://www.newsweekjapan.jp/stories/world/2018/11/post-11272.php


そもそも、誰を誰が訴えるんでしょう?
この徴用工に関する裁判は、元徴用工の方が、新日鐵住金、を訴えたものです。何で、日本政府が出てきて、韓国の司法府の判決に対して政府(行政府)を詰るのでしょうか?まったく理解に苦しみます。まあ、ぬらりひょんは以下のようなことを言っていますが、正直、意味不明です。


官房長官 「徴用工」判決 韓国政府の対応見極める考え

これに関連し、菅官房長官は午前の記者会見で、「今回の韓国大法院の判決は日韓請求権協定に明らかに反しており、極めて遺憾だ。日韓請求権協定は司法府も含めて当事国全体を拘束するものであり、大法院の判決が確定した時点で、韓国による国際法違反の状態が生じている」と指摘しました。

https://www3.nhk.or.jp/news/html/20181107/k10011701371000.html


この人、三権分立、というものを理解しているのでしょうか?行政府と異なる判決を下す、なんてことは、民主主義国家では当然あり得る話でしかありません*1。法人としての新日鐵住金を元徴用工が訴えた、という話なのですから、政府の思惑を超えてこういう判決が出ることもあるでしょう。それを韓国政府の責任とするのは、ちょっと判りません。というか、何で、新日鐵住金の裁判に日本政府が首を突っ込むのか不思議です。これほど、熱心なら、その熱心さをほんの少しでも安田純平さん救出に向けたらよかったのに。


でも、今日見たニュースで疑問が氷解しました。


元朝日記者の損賠請求棄却
慰安婦記事巡り、札幌地裁

元朝日新聞記者の植村隆氏(60)が、従軍慰安婦について書いた記事を「捏造」とされ名誉を傷つけられたとして、ジャーナリストの桜井よしこ氏(73)と出版社3社に謝罪広告の掲載と損害賠償などを求めた訴訟の判決で、札幌地裁(岡山忠広裁判長)は9日、植村氏の請求を棄却した。
 訴状によると、植村氏が朝日新聞記者時代の1991年に韓国の元慰安婦の証言を取り上げた記事を「捏造」「意図的な虚偽報道」などとする桜井氏の記事が、週刊新潮など3誌や桜井氏のオフィシャルサイトに掲載された。
 植村氏は文芸春秋などに対しても同様の訴訟を起こし、東京地裁で係争中。

https://this.kiji.is/433539335054279777


でっち上げの記事で、植村氏の職や家族の安否を追い込んでいながら、その行為を問題なしとする、こういう判決は明らかに政権に忖度したものでしょう。まあ、忖度は安倍政権の得意技ですし、犯罪行為でさえ首相の子飼いということで逃れられるわけですし、安倍首相自身もデマを飛ばし、その事実が認定されながら、その責任から逃れてますからね。


安倍首相がデマ拡散、菅直人に訴えられた名誉毀損裁判で不当判決! 抗議の意味を込め安倍の捏造歴を暴露する!
https://lite-ra.com/2015/12/post-1745.html


現政権として、司法は当然行政(というか、権力者)の意見に従うべきだ、との意識があるのでしょう。自分たちと同じ水準(途方もなく間違った考えですが)で行政と司法の関係を捉えているわけです。つまり、「お前(文大統領)らが、あの判決を出させたんだろ!」ということですね(残念ながら、日本ではメディアでもそうした意見が目立つわけですが)。


つまるところ、今回の件で、安倍政権、というか日本社会は戦争責任問題に無知、鈍感で、三権分立に疎くて司法を行政の追認機関としか捉えておらず、居丈高に振舞えば相手が折れると思っている幼稚な存在だ、ということです。
ひたすらみっともないですね。
では。

*1:かつては、日本でもそういう判決はありましたが

安田純平さん、無事帰還おめでとうございます

昨今、シリア情勢、というか中東情勢もいい話が無かった中、安田さんが解放されたことは非常に良かったです。
で、ニュースが出たあとに懸念していた“被害者バッシング”、今回も出たことにウンザリしますね。
しかも、こんなデマまで出回る始末。


戦場カメラマン「渡部陽一さん、戦場取材の掟」はフェイク。本人が否定
https://www.huffingtonpost.jp/2018/10/25/senjo-watanabe-yasuda_a_23571198/


渡部さん、的確にデマ火消しをしてくれて、危機管理に優れた人だな、と思います。
それにしても、こんな声明を出さないといけない状況、ってことは非常に嫌な感じですね。


「安田さんの帰国、喜び合える社会を」 新聞労連が声明
https://www.asahi.com/articles/ASLBT64X0LBTUTIL05D.html


こういう事態のたびに起こる自己責任論。自らの命の危険を感じつつも取材をおこなうジャーナリストがいなければ、その「危険地域」の様相も知ることが出来ないわけです。
私は自らがそういう現場に出ていく勇気を持ってはいない。だから、こうしたジャーナリストが持ち帰る情報は貴重だと思いますし、彼らに敬意を表します。
「自己責任論」を振りかざして、安田さんらを攻撃するような連中は、どういう社会を望むんでしょうか?
以前にこういう話を書きました。


“カッコいい反権力”

(前略)反権力をカッコいいと思っている?なかなか面白い考えです。権力を監視するのは、民主主義の基本です。権力と云うのは必ず腐敗します。それを正すことが出来るのが民主主義の強みであり、不断のチェックが必要なのです。カッコいいからやるわけではありません。手間も掛かりますし。
この認識のスレは、おそらくは宮嶋氏自身が(自身も気づいていないかもしれないが)「反権力」に憧れていることの反映だろうと思います。
確かに、宮嶋氏は“恰好悪い”、“みっともない”としか云い様の無い人物でして、リアリストを気取ってはいますが、それに見合う実績は無い人物です。まあ、それは別に仕方ありません。人間は弱いものですから、権力に阿った方が楽だ、というのも確かです。彼や彼の同類が、反権力の立場に立つ人々を攻撃したがるのは、自身の弱さを内心認めており、その後ろめたさを糊塗するためだろう、と思っています。(後略)

http://d.hatena.ne.jp/Dr-Seton/20170525/1495713347


安田さんを中傷するような輩も、こういう“みっともない”連中なのでしょう。自分自身の弱さを受け止められず、勇気を持って行動する人に対する引け目から、攻撃に走る。
自身の弱さを認められるなら、“自らの代わりに”行動を起こす人たちを支援するか、せめて応援でもしてみてはどうでしょう。
では。

大甚にはもう行かない

先日のことです。名古屋に所用があって出かけました。
午後、多少時間が余ったので、今まで行ってみたい、と思っていたお店に出掛けることにしました。
名古屋伏見にある大甚というお店です。幾つものグルメ本などで取り上げられていて、その描写が実に良い。ここで呑んでみたい!と思わせたので、長年、行ってみることを渇望していたのですが、なかなか寄る機会がありませんでした。閉めるのも早いので、いつもだと入るのが難しそうだったのです。


大甚 本店
https://tabelog.com/aichi/A2301/A230102/23000102/


さて、栄に行くとビルの一角、一階にこじんまりとした佇まい。大甚の看板が控えめにあります。結構、有名な居酒屋で開店時にはすでに行列が出来ていました。行列に着くやいなや、開店して行列が店内に吸い込まれていきます。
ちょっと遅かったのか、階段を上がるように店員に指示され、二階席に付こうとしました。座敷とテーブル、奥が座敷です。座敷に付こうとした時、目の前の女性が、タバコに火を付け始めました。
ちょっとたじろんでしまいます。
サクサクと異様に仕切り能力の高い店員さんに、「ちょっとタバコが苦手なんで、禁煙席に替わっていいかな?」と尋ねます。
すると、テーブル席の一角を示されました。
「そのテーブルが禁煙席です。一テーブルだけなんで、相席でお願いします」
え、相席は良いとしても、その“禁煙席”は喫煙者となんら隔てられていません。ごく当たり前に煙は漂ってきます。しかも、そのテーブルは8人掛け程度でしたが、その周囲のテーブルは禁煙ではないのです。何のための禁煙かさっぱり判りません。
あとから来たお客も禁煙席を願い出たら、私の向かいを示され戸惑っています。あっという間に“禁煙席”はいっぱいになります。その後来たお客(女性客でしたが)は、気まずそうに近くのテーブルに座ります。
実際のところ、タバコを吸っていたのは二人ほどでした。時間が経つと、もっと吸う人が現れるのかもしれません。それにしても、非喫煙者に対する扱いの酷さは、ちょっとありえないレベルです。
私もそうですが、せっかく並んだお店では、こういう扱いをされても出る勇気はありません。一応は、呑まないともったいない。
自分で一階から運んできた取り皿の料理も美味しかったし、頼むとあっという間に出てくる日本酒も樽の香りがする一品でしたが、どうにもタバコが気になる。正直なところ、楽しみきれませんでした。さっさとお店を出たのですが、憧れの店だっただけに、非常に残念。
でも、大甚には二度と行かないでしょう。どんな美味しい料理でも、タバコの煙があるだけで台無しです。とても残念でした。


自分は喘息持ちなので、タバコの煙は避けたい。最近は、ステロイド吸入治療のおかげで発作も起きにくいですが、タバコの煙は要警戒です。


不思議に思うのですが、喫煙者は非喫煙者のタバコ忌避を気分の問題だと捉えているようです。ですが、私のように喘息持ちにとってタバコは大きなリスクなのです。一方的に暴力を振るわれているのに等しい。共存など出来ません。
でも、禁煙、と明記していない店などで「タバコ吸ってもいいですか?」と聞かれれば、イヤとはいえない。もちろん、吸う側は拒否する、などとは考えてもいないから聞くのでしょうけど。
で、さっさとお店を後にすることになるのです。


もう少し、禁煙が明記された店が増えるといいのですけどね。
では。