シートン俗物記

非才無能の俗物オッサンが適当なことを書きます

プルサーマル問題

浜岡原子力発電所プルサーマルが導入されることになりそうだ。
 
プルサーマル 知事「県も異存なし。」
http://mytown.asahi.com/shizuoka/news.php?k_id=23000000603020002
 

浜岡原発御前崎市)のプルサーマル計画で、中部電力による国への原子炉設置変更許可申請について、地元4市が「了承」で一致したことを受け、石川嘉延知事は1日、報道陣に対し、「4市が入念に検討した結果の了承であり、県も中電に対し、異存がないことを伝える」と語った。

 
まず、原子力災害が発生の場合、市町村境界で被害が食い止められるわけではない。4市の境界を遙かに越えて被害が拡大する怖れが高い。4市が了承したから問題ない、というのであれば県の存在意義はない。
プルサーマルについて云えば危険の増加は避けられないだろう。
プルトニウム(Pu)239とウラン(U)235では核反応速度が異なる。核爆弾としての臨界量は(金属状態で)U235が22kg程度に対し、Pu239は5kgである。実際の原子炉でも反応速度はPuの方が大きく、従って反応の制御が困難だ。制御棒の効きも劣る。こうした事は問題ではないのだろうか。
 
4市の「判断」というものはこうした問題は棚上げにして、中部電力の安全対策が確実、である事を前提としている。これでは問題の本質は判断放棄している。いくら技術に詳しくないといっても、これでは原子炉に付随する金目当てだ、と云っても良いような状況だ。
 
マンション偽装事件はまったく教訓になっていないようだ。
 
浜岡原発 「耐震上2号機もたず」―データ改ざんの内部告発
http://hideyukihirakawa.com/blog/archives/200504/170105.php
 
上記は、いつも読ませて頂いている平川先生のblog。昨年の話だ。マンション偽装事件において、当事者であるヒューザー社長らが「全然問題ありません。審査済みです。」と改めて云ったとして信用するだろうか。
中電側は第三者による検査も情報公開も行っていない。
もし、「姉歯マンション」が問題ならば、原子炉はさらに問題のはずなのだが。去年の話と云うことで忘れて居るんだろうか。
 
しかも、
 

また知事は、県独自の公開討論会の開催は考えていないとの姿勢を県議会で改めて示した。

 
だそうだ。
リスクコミュニケーションを取ろうという気はまるで無いらしい。
 
「リスクをめぐる専門家たちの"神話"」
http://hideyukihirakawa.com/news_remarks/#021015
  
もともと、中部電力の原子炉計画は三重県芦浜設置が頓挫して、静岡県浜岡へ持ってきている。本当に安全であるのなら、なぜ名古屋近郊に造らないのだろうか。これは日本中の原子炉に云えることだ。本当に危険でないというのなら、大電力消費地にこそ立地するべきだ。そして、核廃棄物をそこで処理すべきなのだ。
「都会に原発を」「都会に再処理工場を」「都会に核廃棄物処理場を」
 
原子力問題についても、またいずれ詳述する。
 
追記:「プルサーマル」をリサイクル、とか呼ぶのは勘弁して欲しい。
環境問題におけるリサイクルはリデュース(削減)、リユース(再利用)と組み合わせて利用される。
 
それが新たなゴミや環境負担を増やすモノは論外だ。プルサーマルはまさにそれに当たる。