シートン俗物記

非才無能の俗物オッサンが適当なことを書きます

自転車の走行区分について

危険を感じる歩道の自転車
派遣社員 匿名(Dr-Seton:匿名、匿住所とします)
今月中旬、JR品川駅近くの歩道で、自転車と危うく衝突しそうになりました。
私は道端の自動販売機の方を見ながら歩いていました。すると、目の前で自転車がブレーキ音を立てて急停車し、50代ぐらいの男性が、トライアスロンで使うような競技用自転車に乗って私を睨みつけ「どこに目ぇつけてんだよ」と怒鳴りました私にとって、車並みのスピードで自転車が疾走してくることは想定外でした。
以前にも、歩行者の多い歩道で、後ろから走ってきた自転車とぶつかりそうになり、自転車に乗っている人に罵声を浴びせられた経験があります。
歩道で自転車に乗る人にお願いがあります。自転車は音もなく、突然近づいてくるので、歩行者は気付きにくいのです。前に歩行者がいたら、少しスピードを落として、ベルを鳴らすなりして、自転車が近づくよ、と注意を喚起して頂けないでしょうか。
最近、歩道を歩く時に危険を感じる機会が増えたと思う歩行者は、私だけではないと思います。
朝日新聞朝刊 10/28 投書欄より


もともと、自転車は車道を走る乗り物である。本来、歩道を走って良いのは特定の歩道だけに限られる事になっている。実際には、特に大都市圏では、車道を走る事が危険と認識されているせいか、歩道を走ることが常態化しているようだ。
それにしても、自転車は歩道を「走らせてもらう」事を忘れるべきではないだろう。
投書にあるような、歩行者に危険な思いをさせた上に暴言を吐くなど、言語道断。自転車乗りの風上にも置けない。
投書主は、ベルを鳴らして欲しい、と述べているが、歩道を走る自転車は、必要なら声を掛けて知らせるなり、道を譲ってもらう態度が必要だ。
しかし、この自転車の態度は、道路におけるヒエラルキーが反映されたもの、と云って良いだろう。本来であれば、道路における最優先は歩行者にある。しかし、実際には歩行者よりも自動車が優先される状況である。自転車もそのヒエラルキーの逆転状態の中で自動車から邪魔もの扱いされる存在だ。ドライバーのほとんどは自転車を「歩道を走るもの」と考えていて、従って車道を走る自転車はルール違反者であり、少々懲らしめても構わない存在だと見なしているフシがある。強引な割り込みやスレスレの追い抜きなどヒヤリとする事が結構ある。警察官に「歩道に上がるように」と指導されたこともある。そのゆがんだヒエラルキー感覚が、歩道に上がると、歩行者を邪魔もの扱いして良い、に繋がっているのではないだろうか。
歩行者>自転車>自動車 という本来の交通弱者優先が自動車>自転車>歩行者 となっている状態には大いに問題がある。
交通行政の問題点はおいおい改善していくべきという点は置いておいても、歩道を走る自転車には歩行者優先を徹底して欲しいものだ。でなければ、自転車の置かれる立場は一層悪化してしまうだろう。