シートン俗物記

非才無能の俗物オッサンが適当なことを書きます

事実の理解は難しい

青狐さんが問題視されていた「数学屋のメガネ」なのだが、そもそもこの人、基本的な文献に目を通していないんじゃ無いだろうか。

つまりそのときは、宮台真司氏が明らかな間違いを語っているのではないかという違和感だったのだ。宮台氏ほどの優れた人間が、党派性丸出しの右翼イデオローグと同じようなことを語るだろうか、という疑問とこの違和感は一体のものだった。
(中略)
南京大虐殺という事実がまったくなかったという主張が、党派性丸出しの右翼イデオローグならば、30万人説というのは中国共産党の党派性丸出しのイデオローグなのだと僕は理解した。

論理の理解は難しい
http://d.hatena.ne.jp/khideaki/20070320/1174349806


いや、まず勘違いなのは、「犠牲者30万人」というのは、南京軍事法廷で出てきた数字、つまり「中華民国政府(現 台湾の国民党)」の主張で、中国共産党が「党派的に述べた」数字ではない、と云うこと。
ちなみに、東京裁判では20万以上、と連合国側が主張した事くらいは承知しているんでしょうね。

この両極端は明らかな間違いで、現実には妥当性のある中間部分に落ち着かせて、党派性を超えたところから南京事件の実態を判断して日本と中国の建設的な関係を築くべきだというのが宮台氏の主張だと僕は理解した。


あのですね、この主張自体が典型的な「党派性丸出しの右翼イデオローグ」なのですよ。それに便乗して主張してしまった段階で、宮台某が何であれ、問題なのです。
以前Apemanさんのところでバカをさらけ出していた、natamaru123氏もそんな事を主張しています。

秦氏もとくに否定してません。それなのに僕の投稿を読んだだけでウヨクがキタ!と思考停止してるのはおかしいではないですか?
繰り返しますが、僕は両極端の0人(まぼろし)派と30万虐殺派を否定してるだけです。


南京コメント
http://d.hatena.ne.jp/natamaru123/30070304/1173269215
(natamaru123の日記 より引用)


ちなみに、natamaru123氏は、以下のサイトのコメントに目を通してもらえば判る、典型的なネトウヨ君です。


http://d.hatena.ne.jp/Apeman/20070308/p1
(Apes! Not Monkeys! はてな別館)


それから、論理的という言葉が出てきますけど、

南京事件がまったくなかったという話は僕はまったく信じていないので、その反対の極の30万人説が、論理的にいかに成り立たないかを考察したのが一連のエントリーだ。論理的にはまったく単純なことだ。


みんなが突っ込んでいるところ、判ってますかね?「30万人説が論理的に成り立たない」などと「論理的」を簡単に使ってもらっちゃ困るのです。
以前、「30万人説は物理的に成り立たない」と述べる御仁がおりましたが、この「物理的」も「論理的」も「常識的」も単なる主観を正当化したいだけの印象操作に過ぎないのですよ。
ちなみに、中国の「30万人犠牲者」の根拠については、カマヤンさんのところにまとめてあるので、紹介します。


[現代史]南京虐殺犠牲者数議論
http://d.hatena.ne.jp/kamayan/20070303#1172856752
(カルトvsオタクのハルマゲドン/カマヤンの虚業日記)


さらに、次のような誤解もありますね。

同時に、南京で虐殺がまったくなかったということもばかげた、未来志向を破壊する考えだ。そして、その数をことさら問題にすることも、未来志向を妨げる末梢的なことではないのだろうか。


大体において、殺害数を問題にするのは「否定したがる側」なのです。以前、拙ブログで紹介しましたが、テッド・レオンシスの「Nanking」では犠牲者数を約20万と設定しています。しかし、その数字に「中国系」も「中国政府」もことさらに問題にしてはいないのです。
日本で「否定派」が「(虐殺が無かったとは云っていない)、30万という犠牲者数はウソだ」と述べたがるのは、犠牲者数が中国共産党の政治的な思惑で登場した、と主張することで、南京事件全体を否定するためです。「百人斬り」でも似たような手法が使われたのですが、ご存じないんでしょうね。


色々と、蓋然性だ、なんだと云ってますけど、一応基本的な文献に目を通してみては如何でしょう。


追記:写真はナゾのフランス人


追記:誰からの引用か、が判別しにくかったので文章を修正しました。(3/22:シートン)