昨日、衝撃的？なニュースがサッカーファンを震撼させた。
磐田ＭＦ菊地が高１女子とわいせつで逮捕
アテネ五輪日本代表でＪリーグ磐田のＭＦ菊地直哉（２２）が１３日、高校１年生の女子生徒（１５）にわいせつな行為をしたとして、静岡県青少年環境整備条例違反（淫行＝いんこう）の疑いで浜松中央署などに逮捕された。
（日刊スポーツより引用）
http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20070614-00000015-nks-socc
県内じゃ大騒ぎで、特に自分の住む地域ではジュビロファンも多いので結構話題に上っている。
だが、ちょっとこれはおかしいんじゃないだろうか。
現段階では詳細はわかっていないのに
菊地淫行逮捕！サッカー界追放も
菊地容疑者の逮捕の報告を受けたＪリーグの鬼武チェアマンは、東京・本郷のＪＦＡハウスで対応し「ファン、サポーター、その他、多くの関係者にＪリーグを代表しておわびしなくてはいけない」と頭を下げた。菊地容疑者に関しては「何をしとんのかという感じだ」と不快感を示し、資格停止などの処分については「仮に情状酌量があったとしても責任ある態度を取らないといけない」とした。さらに、磐田に対しても「制裁をしないと示しがつかない」と厳しく管理責任を問う方針を明らかにした。
(スポーツニッポンより引用)
http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20070614-00000007-spn-spo
などと、既につるし上げ状態だ。
菊地はサッカーの代表クラスでイケメンだし、また、彼の年齢は22で、高一の女の子と付き合ったとしても、まったく不自然なわけじゃない。
とすれば、何が問題なのだろう。ただ単に年齢だけか？
菊地を特にかばい立てる訳じゃないが、こういうのを一括りに犯罪として取り扱うってのはどうなんだろう。彼の容疑は「県青少年環境整備条例」とかいう代物だ。平たく云うと「18歳未満とはエッチしてはいけない」と云うこと（以下ロリ禁条例と記す）。もともと、相手の年齢に関係なく、無理矢理迫ったのなら許されることではない。充分に卑劣な犯罪行為だ。この場合、容疑は「強制わいせつ」になるはずである。そうではなくて、ロリ禁条例違反ということは、どういうことなのか。少なくとも少女の判断は無理矢理ではなかった、事を示しているのではないか。
18歳未満とエッチしてはいけない、というのは合理的な根拠があるわけではない。精神的にも肉体的にも未熟でセックスのリスクが大きい可能性は否定できないが、18歳という年齢や該当年齢者の自己決定能力について精査検討されたようには思えない。18歳の誕生日当日のセックスって犯罪なのか、違うのか。前日ならどうだ？
もし、18歳未満とのエッチがインモラルというなら、「源氏物語」はインモラルな存在である。歴史的な古典名作として取り扱うのは如何なものか。
条例制定に嬉々としたであろう年寄りたちが好む戦国武将も問題だ。豊臣秀吉の妻ねねは14で嫁いだと云われる。数えだから満は13。秀吉は実際にロリコンだったらしく、茶阿（淀君）を始め、側室には少女趣味が見受けられる。ロリコンをヒーローとして扱うのは問題ではないのか。
「利家とまつ」のまつも12で嫁いでいるし、大体、近代に入るまでは二次性徴が始まれば受胎可能とみなされて嫁いでいくことは珍しくもなかった。これは当然のことで、受胎可能になったらさっさと子供を産まなければ、自分もいつまで生きられるか判らない。（満年齢で）18になるまで「やってはいけない」などという悠長な事は言ってられなかったはずである。現在でも文明化されていない地域では10代の母親などというのは珍しくもないのだ。
昔と今では状況が違う、だって？その通り。現在の方が発育や二次性徴は早いのだ。それは栄養状態が良いためである。江戸末期や明治初期の写真を見ると、10代の少女などは痩せこけていて到底「女」には見えない。現在の中学生くらいの体格は当時の18以上に発育がいい。しかし、当時も14,5で結婚するのは珍しくもなかった。
栄養状態が悪いから、胸も膨らんでいなかっただろうし、あそこもスジだけだったろう。あんたらそれで勃つかい？俺は勃たないね。
もちろん、その状況が素晴らしい、などというつもりは無い。現在の状況に合わせた性道徳は必要だろう。しかし、人類誕生以来営んできた中で一般的だったことを、いきなり犯罪として取り扱うというのはどういうことなのか。
何度もいうが、強制的であるなら犯罪であることに異議はない。この手の事件で、学校教師の場合なら成績や内申書をちらつかして関係を迫るという卑劣な手口もある。これも当然犯罪行為だ。しかし、年齢が18歳以下である事のみを理由に犯罪者として扱うのはどうかと思う。
なぜ、こんな事を書くかと云えば、２つ理由がある。知人で学校の先生と関係していた少女がいるのだ。彼女は本気だったという。相手がそうだったかは知らない。
他にも、大学生で女子中学生と付き合っているという後輩もいた。
当時16だったが、20代後半の建築士の卵と付き合っていて、そのうち結婚するつもり、という女の子もいた。当然あり得ることだろう。だが、公になれば彼らは「犯罪者」であり、「犯罪被害者」である。どちらにとっても付けられたくないレッテルだろう。彼らは自分たちの選択として相手を選んだのだから。
２つめの理由は、未成年者の自己決定能力を見くびりすぎているように感じるからだ。彼ら（彼女ら）を保護すべき存在として扱い、無菌培養すればいいというものではない。彼らに必要な事は、自己決定能力を磨き、キチンとした性教育を受ける事だ。ロリ禁違反者逮捕に汲々とするよりは、避妊や性病感染の方がよっぽど問題だと思うのだが。
こういう事件もあった。
１７歳少女と「淫行」、男性の無罪確定 名古屋区検
当時１７歳だった少女と昨年７月、少女が１８歳未満であると知りながらホテルで性的行為をしたとして、愛知県青少年保護育成条例（淫行（いんこう）の禁止）違反の罪に問われ、名古屋簡裁で無罪判決を受けた同県春日井市の会社員男性（３２）について、名古屋区検は控訴期限の６日までに控訴せず、無罪が確定した。
http://www.asahi.com/national/update/0607/NGY200706070005.html?ref=rss
この裁判で当初無罪が出たことに対して、自分は妥当な判決だろう、と考えていたのだが、裁判結果に異議を唱える人が多くてビックリした覚えがある。
http://b.hatena.ne.jp/entry/http://www.asahi.com/national/update/0524/NGY200705230023.html
個人の恋愛つまり内面の基準に警察が介入することを、これほど多くの人が肯定するとは。
以前、慰安婦問題で述べた時も、自分にとって一番重要な点は「個人の意志に反して従事させた」点だった。だが、ネトウヨ達は、「他国にもある」とか騒いで、個人の意志が確認されているか、については無頓着だった。
警察（国家権力と言い換えても良いが）が、恋愛や性生活にまで、その基準を持ち込もうとする事は、逆に、その基準以外の部分に対して鈍感にさせるのではないだろうか。
その事が自分には恐ろしい。警察によって貼られた「犯罪者（しかもまだ容疑の段階でしかない）」のレッテルに乗せられるのは問題だと思う。
これからもロリ禁違反者は現れるだろう。これはマスコミの騒ぐのとは違い、倫理の問題などではないからだ。それでもマスコミは「相次ぐわいせつ犯罪」などと騒ぐんだろう。
まあ、総理大臣が気色悪い純潔教育推進の統一協会の回し者、安倍晋三という国だからな。
付記：この事件と対称的なのが、週刊ポストで取り上げられた「安倍首相・政策秘書宅で13歳の娘が監禁暴行された」事件。
安倍晋三秘書飯塚洋宅女児監禁事件への安倍晋三事務所の反応、その他
http://d.hatena.ne.jp/kamayan/20070614#1181757084
これも、まだ週刊誌のスクープの段階でしかないが、こちらは“事実なら”監禁、暴行、と明らかに女性の意志に反しての行為で、あきらかに犯罪だ。
だが、ポスト以外のメディアの反応は鈍い。被疑者が少年ということに配慮しているのか、とも思うが、少年犯罪被疑者の昨今の扱いを見ると、それも考えにくい。やはり、権力に配慮しているのだろう。
考えたくないが、菊地の事件自体、ミスリードを狙うための‘レッドヘリング’じゃないだろうな。
5月29日の事件で、今になって逮捕っておかしくないか？
まあ、陰謀論めくので、ここでヤメ。
