シートン俗物記

非才無能の俗物オッサンが適当なことを書きます

漏れてる、漏れてる。

さて、新潟の地震をニュースで聞いた時点で、心配事の一つが柏崎原発だった。
なにせ、公式には否定されているものの、かの原発活断層の近くにある、と噂だったからだ。
で、初期の段階では火災(変電設備)は起きたものの、しきりに「放射能漏れは無い」と報道している。
これは、実はおかしな事で、放射能漏れなんて、直後に判断できるようなものじゃない。
大概はモニタリングシステムのデータを基に判定しているようだが、実際に漏れなどが生じた場合、その有無や程度を調べるには、えらい手間が掛かる。これは放射性物質を扱うものにとっては、常識だ。
そうしたら、そのうちに、放射能漏れがあった、との報道。


平成19年新潟県中越沖地震における東京電力?柏崎刈羽原子力発電所6号機の放射性物質の漏えいについて
http://www.meti.go.jp/press/20070717001/20070717001.html


必死で「規定値以内」とか云ってる。
最初の段階で「漏れ無し」と云ってたのは何なんだ。


さらに、

揺れ、設計時の想定外 柏崎刈羽原発の耐震、甘さ浮上

新潟県中越沖地震で、東京電力柏崎刈羽原子力発電所新潟県)では、耐震設計の甘さが浮上した。設計上の想定を大幅に上回る、国内の原発で過去最大の揺れが観測され、放射能を含む水漏れも起こった。地震が起こった場所は「新潟―神戸ひずみ集中帯」とも呼ばれ、阪神大震災をはじめとする地震が、相次いで起こっている場所だ。
(中略)
経済産業省原子力安全・保安院によると、国内原発で観測された過去最大の揺れの680ガル(ガルは加速度の単位)を記録した1号機のほかデータが取れた5、6号機でも想定を超えた。

 保安院は東電に詳細な調査を指示。東電は調査結果が出るまで1〜7号機のすべての運転を停止する。保安院原子力発電安全審査課の森山善範課長は「設計基準の加速度を大幅に超える揺れだ」と話した。

http://www.asahi.com/national/update/0717/TKY200707170004.html


とのこと。
静岡ではまったく他人事じゃ無い。まさに、浜岡原発差し止め裁判で問題になったのが、耐震性の問題だったからだ。しかも、浜岡原発プルサーマルの導入まで図ろうとしていた。


浜岡訴訟〜さいごの証人尋問の傍聴報告(ストップ浜岡原発@ブログ)
http://blog.livedoor.jp/stop_hamaoka/archives/50961226.html


浜岡原発4号機 プルサーマルに関する原子炉設置変更を経産大臣が許可(EICネット)
http://www.eic.or.jp/news/?act=view&oversea=0&serial=16945


人間の推測や想像など歯牙にも掛けない自然の脅威。今回の事故は良い教訓になったはずだ。
この夏、柏崎原発は停止状態になる。電力を原子力に委ねること、想定外の地震が襲うこと、の危険性を電力不足と共に感じてみればいい。そして、浜岡でプルサーマルが導入された状態で今回のような震災があった場合に想像を働かしてみれば、その危うさは自ずと明らかだ。


何度でも云う。原発は止めるべきだ。


付記:先日、朝日に日本の原子力黎明期に関する特集が出ていた。そこにあった、年間に原子力に注ぎ込まれる額は1兆7000億、とのこと。こんだけあったら、他に有意義な使い途はいくらでもある。