バブルでGo!
今週の金曜日、26日に浜岡原発差し止め訴訟の判決が出る。
浜岡原発とめよう裁判の会
http://www.geocities.jp/ear_tn/
これまで、裁判の過程でさまざまな事実が出てきたり、裁判途中で中越沖地震があったりしたわけだが、たぶん、原告敗訴の結果が出るだろう。この国では、司法が行政寄りの判決を出す事は珍しくも無いからだ。若干、「国と中電に、今後の安全審査のあり方について慎重に行うよう求めた」程度で済ましそうな気がする。
原発差し止め、に関しては、よくこんな意見を見掛ける。
・原発を止めるのは現実的ではない
・電力の3割は原発なのだから、止める事は出来ない
・CO2排出を減らすなら、原発に頼るしかない
・今更、江戸時代のような生活には戻れないのだから、リスクと巧く付き合っていくべき
まぁ、一理あるよね。という感じ。現実的では無い、とはいっても、理想を目指しちゃイカン理由にはならないだろ、とか、電力需要のピークだけ取り上げてもしょうがないだろう、とか云いたい事はあるが、出発点は同じかな、と思っていた。
ところがだ、電力事情についてちょっと調べると話が変わってくる。
ちょいと示すサイトのグラフを見てほしい。
日本の電力消費推移
http://rikanet2.jst.go.jp/contents/cp0220a/contents/f_02_09.html
なんと、1990年あたりの電力消費量は、2000年の6割でしかない。もちろん、その後も電力消費は“順調に”伸びている。
1990年といえば、バブル絶頂期だよ。イタリア製のペナペナスーツ*1を着込んだ“ヤンエグ*2”が“ジュリアナ東京*3”に繰り出して、ボディコン*4を着た“イケイケギャル*5”をナンパし、“ウォーターフロント*6”のバーでドンペリ*7飲まして、「君の瞳に乾杯!」とか言ってくどき倒していた頃ですよ*8。
自分は学生時代なんでバブルの恩恵、なんてのはトンと縁がなかったが、それでも“DCブランド”のバーゲンのために行列を成す人々を見る、とか、経済学ゼミの連中が株を始めて儲けたとか損したとか云っているのを聞いた事はある。
なんにせよ、映画になって「あの栄光をもう一度」なんて、タイムマシンまで造って歴史を変えようとするほどありがたがられる時代であったようだ。
にも関わらず、電力消費で見れば、90年はささやかなモンでしかない。
この10年以上、日本じゃ景気のいい話が無くて、リストラや下流だとか、ニートだとかプレカリアートとかフリーター漂流、なんて言葉が飛び交い、追いつめられた人々が増加しているのに、電力消費はバブル時代のほぼ倍、なのである。
調べてみると、エネルギー需要(電力以外、つまり1次エネルギー)でもほぼ同様。エネルギー消費だけは着実に伸びている。
つまり、一般生活水準と電力(エネルギー)需要は一致しないのだ。現在の6割の電力消費であっても、バブル時代の方がいいでしょう?
また、あの時代が電力消費が現在の5〜6割であったのなら、現在では同水準の生活レベルで更に減らす事が可能なはずである。なぜなら、家電関係の消費電力は、特に動力物は、大きく減っているからだ。当時の半分から3分の1程度で済むようになっている。何がそれほど電力を喰うようになったかは自分には判らない。しかし、あの時代がとりわけ不便だった記憶は無い。バブル時代の生活を再現するだけでも、電力消費は現在の半分以下になるのである。
別に、江戸時代の生活に戻る必要はない。昭和30年代(1960年代)の生活に郷愁を見出すまでもない。
徒花のような「バブル時代」でも、原発を止める事は可能だし、COP3を達成できるのである。
多大なエネルギー消費を行わなくては生活水準を保てない、というのは思いこみにすぎない。
現実に足を着けても、環境に配慮した生活はやっていけるのだ。バブルで行きましょう。
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