シートン俗物記

非才無能の俗物オッサンが適当なことを書きます

博士、大変です。

人並みの人生も幸福も期待しない世界に踏み込んだ先達として一言


元より「博士後期に進む」って決めた時点で人並の人生も幸福も期待なんかしてない
http://d.hatena.ne.jp/min2-fly/20071027/1193520052


自分が入ったのは旧文部省が“博士倍増”を唱うちょっと前だったが、博士倍増のちょっと後から、教官の任期延長が二回にわたって行われた。しかも国公立大学が助手を取らない方向に進んだために結構厳しい状態となった。(自分は抜け出した後だったが)とどめはやはり独法化だろう。


つまり、二階に上がれ、と言われて梯子を掛けて上がった後に梯子を蹴倒された、状態だったわけで、「覚悟が足りない」と言われりゃそれまでだろう。でも、行き場を失った博士がゴロゴロしているのは、必ずしも彼等の自己責任だけに帰着できるわけでもない。
企業サイドの博士に対する態度に関しては別にエントリーを立てる気でいるけど、博士が企業に入るのも厳しい状況。


本当に肩身が狭いものだよ。
で、「人並みの人生も幸福も期待しない」程度なら、博士後期課程に進むのはオススメできない。
それは、はなから諦めていた。一番ツライのは、研究者としてもいられない可能性が高い、という事。
いろんなものを放り捨てて、それでも研究者としているために博士になったのだが、それさえ叶わないかも、となるとどうよ。スポーツ選手やミュージシャンは、趣味で続ける事が可能だ。もちろん、トップレベルとはいかないだろうが。
研究者は所属を離れたら趣味で続ける事など不可能。ポスドクで食いつなぐにも限界がある。
人生ゲームの最後のバクチに挑ませるようなものは教育に名に値しない気がするんだけどね。