シートン俗物記

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学校で団体交渉スキルを教えよう

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「赤木」に回答
http://d.hatena.ne.jp/Dr-Seton/20071121/1195633630

に関連しています。


最近よく、小中学校で「経済の仕組み、社会の動きなどについて体験的に学習」と称して株式取引のシミュレートゲームをやらせたりしているのをニュースで見たりする。
他にも「企業訪問」や「ものづくり体験」とか、色々組み込んだりしている。


学校向け・教員向け−中学校向けコーナー「株式学習ゲーム」
http://www.skkc.jp/education/junior/junior_game.html


それらにクレームがあるわけじゃない。ただ、大多数の子供達は将来、勤め人(サラリーマンなど)になるわけで、だったら「団体交渉」は、もっとも「将来役立つ知識とスキル」じゃないだろうか。
学校では生徒会活動やら学生自治会やらやらせているわけだが、本来、生徒・学生達の意見集約と教員らとの折衝の場になるはずの生徒会・自治会は、実際に機能しているところは少ない。というか、真剣に「団体交渉」に臨むような素振りを見せれば、真っ先に潰される事だろう。
でも、社会人になってから役立つのは、個人では捻り潰される要求を、仲間を集め、意見を取りまとめ、粘り強く交渉し、時には脅しや搦め手を利用して、時には妥協し、要求を受け入れさせる技術だろう。


自分らを含めて、あまりそういう技術は学んだことは無いんじゃないかな。一通り学んでいれば、世の中だいぶ違うはずだ。


海外の環境活動家と話をしていて驚くのは、彼等が自分がふと思ったことを実行に移すにあたって、団体交渉スキルを上手に生かすことだ。彼等の活動の中で「協同組合」を作った、という話をよく聞かされた。
ある活動家は「とりあえず○○協同組合を作って、仲間を集めた」というので、なぜ協同組合なのか、と尋ねると、「協同組合に関わった経験があったから」と返事が返ってきた。というより、「協同組合」しか知らないのだという。「協同組合」などから始めて、自治体や政府関係機関に働きかけ、それを広報し、さらなる仲間を集める。彼等の活動はこうした事の積み重ねであり、それによって社会を変えていっているのだ。
どうやら、その手の経験は学校時代を通じて育まれてきたもののようだった。
呼吸をするように自然と、自分と意見を共にする仲間を集めて要求を通そうとする交渉、それはとりわけ欧米市民の当然の技術らしい。
我々もそれに学ぶべきではないか?


「投資」も「ものづくり」もいい。だが、それ以上に「団体交渉術」を子供達に学ばせるべきだ。
彼等自身が積極的に社会なりを変える術を与えるために。彼等がインディペンデントな市民となるために。


追記:Amazonで「団体交渉」で検索すると、興味深い本が色々見ることが出来る。