シートン俗物記

非才無能の俗物オッサンが適当なことを書きます

チベット虐殺に対して中国政府を糾弾する

昔の事だ。もう20年近くも前のこと。中国を旅していた時に日本人のバックパッカーと出会った。自分もバックパッカーだったから、安宿のドミトリーで同宿の連中と「メシでも食いに行くか?」みたいな中であった人だった。彼は長いこと中国各地を廻ってきて、チベットから戻ってきたところだ、といい、こう続けた。「(人民)解放軍の連中は平気でチベット人を撃ちますからね。酷い話ですよ」と吐き捨てた。
にわかには信じがたい話だったが、しばらくして彼の云っていた事は別の形で再現する事になった。
天安門事件だ。
同じ国の中でも一般人に銃を向け発射する連中が、チベットでそれよりマシな対応をしているとは思えない。彼の云っていることには妥当性があったのだ、と思った。


現在、チベットでは中国政府による“鎮圧”が行われているようだ。多分、情報統制の下、暴力行為が横行していることだろう。この件では、意外なことに?産経記者のブログが一番同意できる。もちろん、コモリンやアビルンじゃない。


福島香織さんの「北京趣聞博客 (ぺきんこねたぶろぐ)」
http://fukushimak.iza.ne.jp/blog/


レイシズムに堕する気はないが、やはり中国政府は弁護できない。特に、ここには賛成。

デモくらいやらせてあげればいいのです。

http://fukushimak.iza.ne.jp/blog/entry/511887/


そして、

胡錦濤国家主席は、すぐダライ・ラマ14世に事態の収拾を助けてもらうよう、丁重に頼むべきです。

これにも賛成。ダライラマ14世に仲介を頼むべき。ダライラマ14世らが暴動を扇動した、という意見も主として中国当局から聞かれるけど、これは違うだろう。
連中が主導するならもっと後、6、7月ぐらいを狙うだろうよ。中国はオリンピック目前、チベットにも観光客が多く入る時期の方が効果的だ。こんな成算の無い時期に陰謀を企てるヤツはいない。


それにしても、チベット騒ぎと対称的なのがパレスチナの扱い。彼らの持つ不満や憤りも同様で、イスラエルによる不当な支配状況が続いているのだが、チベットと違ってパレスチナ人の抗議行動や抵抗は“テロ”扱い。チベット滞在日本人に関しては安否まで報道するのだが、パレスチナで抗議デモに加わった日本人がイスラエル軍に撃たれても、イスラエル政府に抗議するわけでもない。

分離壁抗議デモ見学で負傷の日本人男性、失明の可能性も
【2月24日 AFP】イスラエル分離壁建設に反対するデモの最中にイスラエル軍が発射したゴム弾で眼を負傷していた日本人男性が22日、左目を失明する可能性があることを明らかにした。
負傷したのは翻訳業の岸田薫(Kaoru Kishida)さん(43)。岸田さんは当日、ヨルダン川西岸(West Bank)のビリン(Bilin)で1月25日に行われた抗議デモを見物しに行った際、デモを解散させようとイスラエル軍が発射したゴム弾3発が左目と体に命中した。

 岸田さんはAFPに対し、数日前に手術を受けたが左目の視力は戻らず、数か月のうちにもう一度手術を受ける予定で、確定的な診断はその後になると語った。

 ビリンでは分離壁に抗議するデモが毎週のように行われている。なおイスラエル軍のラジオ放送は22日、デモ当日に用いたのは発煙弾のみで、ゴム弾は発射していないと伝えている。(c)AFP

http://www.afpbb.com/article/war-unrest/2354983/2672138


福島氏のブログに

■今回、中国はCCTVなどで、現地の暴動の映像を流したが、中国的にはこれが成功だった。隠蔽しなかった分、情報公開の透明性は前よりまし、と国際社会に思わせ、海外メディアも、この同じ映像使い、公式発表を中心に報道した。赤い衣のラマ僧が商店を破壊したり、チベット族の若者が中国国旗・五星紅旗を燃やしたりしている映像。それだけで、テレビを見ている一般の人々は、中国もこんな凶暴なやつら抑えるには、多少の暴力もしかたなかったんじゃないか、と思いかねない。実際、日本の知人とさきほど、電話で話したら、そういう意見だった。

http://fukushimak.iza.ne.jp/blog/entry/513692/


とあるのだが、パレスチナに対しても同じ手が使われ、ゆえに圧倒的非対称な関係が「暴力の応酬」という対称な状況にあるように見せ掛けられている事も認識しておくべきじゃないだろうか。


いずれにせよ、北アイルランド、旧ユーゴ紛争、コソボ問題、チェチェン紛争クルド人問題、ウイグル問題など、マイノリティーを対象とするトラブルは尽きることを知らず、なかなか糸口が見えない。
また、取り上げていこうと思う。