シートン俗物記

非才無能の俗物オッサンが適当なことを書きます

続 自滅した日本

昨日のエントリーにだいぶご意見を頂いたので、お答えしていこうと思います。


自滅した日本
http://d.hatena.ne.jp/Dr-Seton/20080423/1208939906


まず、コメント欄にて。

hummer_and_anvilさん。

冤罪なんて弁護団も言ってないことを引き合いに出してもしょうがないでしょう。

私の主張を読み返してください。“冤罪以上に問題と認識されていたのは捜査や裁判のあり方だったはずであり、その点が取り上げられ、皆の関心を呼んでいたのだ、と思っていた。”
冤罪か否かは、少なくともこの場では問題にしていません。

純粋に法廷戦術を考えれば犯行そのものは否定できない以上、量刑の死刑か無期かの択一だったんだから、無期を勝ち取るために情状酌量の情に訴えるのが最良の選択だった。

あちこちで紹介されてますけど、最高裁による差し戻し前はこの手で裁判に臨んでいました。それを差し戻された以上、“最良の選択”とは云えなくなったのです。

論理で情状酌量を得ようとしたのが敗因だったんでしょう。国会ならともかく、法廷では死刑廃止なんて主張は意味ないし。

情状酌量ではなく、「事実」として「傷害致死」にあたる、と主張したのでは無いですか?それを荒唐無稽と取るかどうかは、受け手の問題でしょう。
それに、法廷で死刑廃止の主張など行っていないと思いますけど。


なまえさん、Chieさん、灰すら残せない存在さん、>APIさん、kamachanzさん、フォローありがとうございます。


はてブです。


lakehillさん。

「被害者や遺族のことを考えろ」「凶悪犯を許すな」この2つにどう反論する?

凶悪犯を赦す、つもりなどありませんし、死刑が「被害者」や「遺族」の事を考えた結果であるとも云えないのでは無いでしょうか。私が原田さんを紹介したのは、凶悪犯を死刑にすれば片付いたように扱う事の違和感なのです。遺族が知りたいのは「事実」であり、求めているのは犯人の贖罪でしょう。贖罪が死刑という手段を取る可能性自体は否定しませんが、その後に贖罪の言葉を聞くことが出来なくなってしまうのです。遺族の喪失感を埋め、次に踏み出していく手伝いをする事が重要であり、社会はそれに応えていますかね?その事を示すために、原田さんの言葉と引用先、そして書籍を紹介しました。とりあえず、原田さんの言葉を読んでみては貰えませんか。


Teshさん。

判決の要旨から新供述がデタラメだと確信できる今になってはなあ。問題意識は分かるが、題材(の事件)が悪すぎる。蓋然性ある否認ならともかくドラえもんだのを言わせっぱなしにしておける人間はゼロに近いと思う。

むしろ不思議なのですが、どのような“筋書き”なら彼の犯行事実・状況、と認める事が出来るのでしょう。情状酌量を狙うのであれば“蓋然性のある”ストーリーを練り上げて(ということは造り上げて)くる、という事でしょうか。それは、むしろ事実を明らかにするべき法廷の役割を放棄していませんか?
誰もが“デタラメだ”、と感じるほどの“筋書き”が出てきたことは、少なくとも彼の中では事実であった、と私などは考えるのですが。それを不愉快に感じるかどうかは別の問題として。


darkgirlさん。

実際罪の無い人間を2人も殺害しているわけだから死刑になっても仕方がないでしょう。

その“仕方がない”に異論を唱えているんです。私は。それは、償いの手段として適当であるのか、と。

加害者だけの人権しか考えないのが不思議。被害者は一瞬でそれすらも奪われてしまったというのに

加害者だけの人権“しか”考えていない、と断じる根拠は何でしょう?私の今までのエントリーを読んでもらえば、“だけ”などと云えないと思いますけど。
ちょっと突き放した言い方をすれば、私は加害者の人権に配慮しているというより、相手が誰であろうと基本的人権を無視するような真似はしたくない。連中と同じレベルに落ちるのがイヤなんですよ。


それにしても、昨日紹介した綿井さんのところのコメント欄が酷い状況です。
これについて皆さんいかがお考えでしょうか。


「殺せ、殺せ」の大合唱 綿井健陽のチクチクPRESS
http://watai.blog.so-net.ne.jp/2006-06-20


いろいろと気分の重い話でしたが意外に賛同頂けてうれしかったです。id:good2ndさんのおっしゃるとおり、希望はあるのでしょう。


最後に、適切な解説を載せてくださっていたkingworldさんに感謝。


・光市の死刑判決について
http://d.hatena.ne.jp/kingworld/20080422#p1


・光市事件の続き
http://d.hatena.ne.jp/kingworld/20080423#p1