シートン俗物記

非才無能の俗物オッサンが適当なことを書きます

レッドヘリングに注意

「首よりイルミネーション大事か」 徹夜団交で怒号

「財源もないのに給料をくれくれと言われても困る」「私たちの首よりイルミネーションの方が大事なのか」

 20日から徹夜で続いた橋下知事と職員労組の団体交渉は時折、怒号が飛び交う激しいやりとりになった。

 府労連との交渉は20日午後10時から府庁の会議室で始まった。新居晴幸委員長が「職員にも家族がいる。生活がある」と人件費削減案の撤回を迫ると、橋下知事は「府財政を立て直すためには避けて通れない」と反論。空調が切れ、蒸し風呂のような会議室で交渉が続いた。

 府労連は給与明細を示して組合員の生活実態を訴えたが、橋下知事は「財源がない。どこを削ったらいいんですか」と逆質問。平行線の議論に「ふざけるな!」とのヤジが飛ぶと、橋下知事が「『ふざけんな』という言い方、いいんですか。これが世間の労使交渉なのか」と憤る一幕もあった。午前4時を回り、人事室長が「時間も時間ですし」と水を向けても、新居委員長は「帰りません」とはねつけ、議論を続けた。

 新居委員長は団交の最後に立ち上がり、「7時間、誠実に対応されたことを感謝したい」と橋下知事に謝意を表明しつつ、「府労連の歴史の中で初めて交渉が決裂したと表明せざるを得ない」と無念さをにじませた。

 一方、府労組連は午前6時半前から団交に入った。

 教務事務補助員など約350人の廃止問題に批判が集中。業を煮やした女性が御堂筋のライトアップを目指す橋下知事に「イルミネーションより、私たち350人の首の方が下ってことですね」と詰め寄ると、橋下知事は「私の責任でそう判断しました」と発言、怒号が渦巻いた。

 橋下知事が「民間では破綻(はたん)すれば路頭に迷う。世間を知ってください」と迫ると、組合側も「破綻していないのに路頭に迷わせようとしている」と切り返し、「民間なら理不尽な提案があればストライキできるが、我々はお願いするしかない」と訴えた。

 一連の団交で橋下知事は「私は選挙の洗礼を受けている。世論調査でも削減案は支持されている」と強調。組合側の反論に「それなら、そういう代表者を選んだらいい」と言い放ち、紛糾することもしばしば。橋下知事は午前9時からの民主党国会議員への予算要望をキャンセルし、最後まで団交を続けた。(稲垣大志郎、斎藤利江子)

http://www.asahi.com/kansai/news/OSK200806210047.html


痛いニュース(ノ∀`):橋下知事「給与の財源がない」 職員側「ふざけるな!」「破綻してないのに路頭に迷わせようとしてる」「国から(財源を)取ってくればよい」
http://blog.livedoor.jp/dqnplus/archives/1140490.html


なんか、相変わらずバカが涌きまくる話。
いいか、もともと日本では公務員数は先進国レベルでは考えられないほど少ない。


公務員は多いのか? TORI研究所/ウェブリブログ
http://tori-s.at.webry.info/200607/article_3.html


図録公務員数の国際比較
http://www2.ttcn.ne.jp/honkawa/5190.html

(いずれも人口+公務員数でググると出てくる)


あの、サッチャリズムとレーガニズムの洗礼をくぐり抜けてきたイギリス、アメリカよりも“もともと”少ないのだ。その中で、公務員給与に財政悪化の責任を押しつけて済むわけ無いだろ?
本当の財政悪化の原因は他にある。それを改善しなければ、問題の解決にはならない。


で、大阪府の財政悪化原因についてリポートしているサイトがある。


府民に犠牲求める大阪府2000年度当初予算 
 ―― 主要プロジェクトはそのままで生活密着型建設事業費を削減、民間と市町村の役割重視、コスト重視の財プロ路線を具体化 ――

http://www.oskjichi.or.jp/j/readingroom/2000fuyosan.html


ここには最近の話も載っているが、2000年度の段階で財政的問題点に触れているので、取り上げるのに適当だろう。


ここを見ると、一般歳出において約4000億が建設関係に廻っていることが判る(単独、補助事業併せ)。年間の支出である。これとは別に、特別会計があって、これも6000億以上。大阪府特別会計には港湾整備やら関空やらへの支出、つまり土建絡みが含まれている。


参考:大阪府の一般会計や特別会計は、どのようなものがあるのですか。
http://www.occ-faq.pref.osaka.jp/faq/1032/app/servlet/qadoc?000825


つまり、年間に一兆近くの予算を経済効果も怪しい土建事業に注ぎ込んでいるのだ。
そのへんを橋下や自民党府議団は改善しようとしているか?土建に注ぎ込む予算を5%減らすだけで、500億浮く勘定になるのだぜ。
こうした問題に踏み込まずに公務員叩きするのは、スジが違うだろうが。


参考にしたサイトには、どうしたら府財政を再建できるか提言が載っている。
それを見て、ちょっと考えてみて欲しい。本当に手を打たなければならないのは何なのか。


・「大阪府政への提言」
http://www.oskjichi.or.jp/j/readingroom/teigen.html


・行政のコスト
http://d.hatena.ne.jp/Dr-Seton/20070621/1182416225