シートン俗物記

非才無能の俗物オッサンが適当なことを書きます

コークスクリュームービー  WANTED

平凡なサラリーマン、ウェズリーは最近まったくツイていない。上司はやかましく、彼女は同僚と浮気をしている。預金の残高は僅かで、仕事にノリきれない。そんな彼は突如襲撃に遭い、謎の美女に助けられる。彼女は古くからの暗殺組織フラニティーの暗殺者であり、そしてウェズリー自身も得意能力を持つ暗殺者の血を引くのだと教えられるのだが…


映画の宣伝惹句が「アンジェリーナ・ジョリー主演映画で最高の観客動員…」という微妙なもので、何だそりゃ?と思ったのだが、見てナットク。
ウェズリーやフラニティーと敵対する組織を裏切った暗殺者クロス、しかし、その正体はウェズリーの父親であり、フラニティーとその指導者スローンこそが“運命”の裏切り者であったことが判り、ウェズリーはフラニティーに戦いを挑む、なんて展開は、よくある展開だよね。


「お前は私の息子なのだ。」って、そりゃスターウォーズか?というか、展開はズバリ「風の戦士ダン」。むしろ「ダン」の方がストーリー的には巧く出来ているくらい。
大体、この手のストーリーなら修行と成長が大事なんだが、その部分が何の修行しているのかサッパリ判らない。先日、「ドラゴンキングダム」を取り上げたんだが、あちらはハッキリとビルドゥングストーリーとして成立しているのに対し、成長過程も成長結果もよく判らないのだ。
おまけに、暗殺組織を支える部分、「1人を殺して1000人を救う」が途中で破綻する。裏切り者クロスを倒すため、って列車を脱線、谷底へ落としてしまう。「1人を殺すために1000人を殺す」になってんじゃん。


で、見せ場といえば、ガンシューティングとカーチェイスなんだが、冒頭のカーチェイスのアンジー姐さんは最高に格好いい。しかし、ガンシューティングは、「ランボー4」が「切り株映画」だったとすれば、「コルク抜き(コークスクリュー)」シーンの連発。ズポズポ穴開き過ぎ。冒頭の女性秘書の頭部穴開けから始まって、最後まで穴開けっ放し。今ひとつ爽快感の薄い戦闘シーンに盛り上がれない。
結局、平凡な変わり映えしない人生を送るキミよ、キミも変われるよ、って事なんだろうか。
その変わって自信に満ちた自分が「コルク抜き」屋ってのもどうよ?
最後に。ネズミが可哀想だった。