シートン俗物記

非才無能の俗物オッサンが適当なことを書きます

ノーベル賞が降ってくる

たまには、自分の仕事ともちょっと関係する話を書こうかと思う。先行き暗い時は、少し楽しく話が欲しいよね。


ノーベル賞:物理学賞・南部さん、授賞式欠席へ 体力に自信なく
http://mainichi.jp/select/wadai/news/20081025dde041040006000c.html

今年のノーベル物理学賞の受賞が決まった南部陽一郎・米シカゴ大名誉教授(87)=米国籍=が、12月10日にストックホルムで開かれる授賞式を欠席することが分かった。南部さん自身の体力と、妻智恵子さん(87)の体調が優れないことが理由という。

 南部さんによると、智恵子さんは夏ごろから体調を崩している。


いや、この話が明るい話、というわけじゃないよ。
南部先生、ようやく、といっていいが、ノーベル賞を受賞された。先生の研究はプリンストン高等研究所の60年代での研究が基で、評価されるのは早かったけど受賞には時間が掛かった。
ノーベル賞の授賞式は御夫婦とも体調面の問題もありご欠席とのこと。これがもう20年は早かったらなぁ、という気はする。
じゃあ、その早くして受賞、の方はどんな例があるだろう。
自分の専門では羨ましくなる話があるのだ。


ローレンス・ブラッグ。X線回折で登場するブラッグ反射(ブラッグの法則)のブラッグ。彼はケンブリッジ大出の物理学者で、卒業後、父親のヘンリー・ブラッグと共に結晶構造解析の研究に取り組み、X線回折に関する法則を見つけ出す。今でも無機・有機を問わず物性解析ではお世話になる代物だが、その功績で1915年に父とともにノーベル物理学賞を受賞。25歳での受賞は最年少記録である。
スゴイね。25歳で受賞とは。研究の励みになるかも。そうでもない?


では、もう一つ。


ルドルフ・ルートヴィヒ・メスバウアー。メスバウアー効果の発見で1961年ノーベル物理学賞受賞。若干、32歳。年齢それほど若くない?いやいや、メスバウアーは博士課程の研究でメスバウアー効果を発見。公表の4年後に受賞している。


博士課程の研究を論文にして出したらノーベル賞が取れた。


って、研究者にとっては夢だよね?いきなりノーベル賞が降ってきたメスバウアーがどんな心境だったのかは知らない。でも、そんな可能性があるかも、と思えば研究もつらくないさ*1

*1:他にそんな例があるかないかは調べてない。ただ、自分の研究に被る話なので覚えているだけ