シートン俗物記

非才無能の俗物オッサンが適当なことを書きます

愛国心原理主義

 愛国心は悪党の最後の拠り所   (サミュエル・ジョンソン


ひさびさに書店に行った。最近、新書がバンバン出版され平積みになっているのだが、その中で「ん?」と目が惹き付けられる一冊。


愛国心の経済学―無国籍化する日本への処方箋 (扶桑社新書)

愛国心の経済学―無国籍化する日本への処方箋 (扶桑社新書)


エラいタイトル付けてる。ちょいとパラ見してみる。
………。
意識飛んでしまった。いや、これ、ホンマに凄いわ。
ちょいと目次を紹介するよ。

目次

第1章 愛国心という言葉との出合い
第2章 お金ではよい仕事はできない
第3章 愛国心が人口を増やす
第4章 愛国心が食料自給率を高める
第5章 愛国心が雇用と内需を拡大する
第6章 愛国心が大学を蘇生させる
第7章 愛国心が国防力を飛躍させる
第8章 愛国心が国防兼用インフラを創り出す
第9章 サブプライムローン問題と日本の針路
第10章 愛国心と付加価値創出型構造改革の好循環へ

http://www.amazon.co.jp/gp/product/toc/4594058191/ref=dp_toc?ie=UTF8&n=465392


愛国心があれば、何でも出来る! いくぞ!! (猪木風に)
ま、こんな具合で「愛国心原理主義」が展開していきます。不思議な事に、愛国心が〜とあるんですが、具体的な方策、というか方策を成り立たせるインセンティブがさっぱりわかりません。
しかも、なぜか日本の良いところ、を述べる中で「南京大虐殺」が登場するんですわ。いきなり?
あーあ、止めときゃいいのに。
で、予想通り「日本は何も悪くない」「中国のでっち上げだ」で話が進むのですが、引用されているのが「東中野修道」なんですよ。裁判知らなかったの?
妄想は更に進んで、「中国の嘘を一喝すればいい」。そのために、政府のHP上に「南京真実館」を載せろ、と説きます。それは、外交問題になります。
この他にもステキな話が続々。
地球温暖化問題は間違いだそうです。  …ま、こういう輩の定番ですよね。
日本の研究を盛んにするために研究者に「世界一強力な兵器を開発しよう」と説きます。  …堪忍してや。
しかも、「ニュートリノ発生器で核兵器を無害化せよ」ですってよ。  …どこで仕入れたんだ?そんな話。
みんなお待ちかねトモちゃんこと稲田朋美氏の“徴農”を越えた“屯田兵”さえ提唱します! …パーフェクトだ。ウォルター。


内容はこんな具合で、オビでも「飲み屋で使える日本経済再生のネタ満載」と、投げやりな惹句を付けられる酔っ払いオヤジの戯言扱いですが、この本の真の凄さは著者紹介にあります。いいですか?

著者略歴 (「BOOK著者紹介情報」より)
磯前 秀二
名城大学教授。昭和27(1952)年茨城県生まれ。東京大学農学部農業経済学科卒業。東京大学大学院農学系研究科農業経済学専攻博士課程修了。農学博士 (東京大学)。昭和57年文部省(現文部科学省)入省。平成4年まで初等中等教育局教科書調査官(社会科経済分野担当)。平成4年文部省退官後、名城大学助教授等を経て現職。専攻は生物資源経済学。日本教育再生機構代表委員(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)

この人、文部省の教科書調査官だったんですねぇ。しかも小中学生社会科の。
経歴からすると随分若くして退官されてますが、よくこんなトンマ、名城大学も取ったな。
中山成彬氏といい、日教組より文部省(文科省)の方が問題あったんじゃないの?それより、東大が悪かったのか。こういう人が教科書を弄くっているわけです。そりゃ、ろくな事にはならないわけですよ。


幾ら何でもネタのためとはいえ、買う気にはならずパラ見しただけなので、この本のイカす内容を読みたい方は書店へどうぞ。