シートン俗物記

非才無能の俗物オッサンが適当なことを書きます

マスゴミとセブン・イレブンの正体

また、麻生首相が「未曾有(みぞう)」が読めたとかで取り上げられてますな。
で、相変わらず「麻生タン好き好き」な方々が、マスゴミ、だとか騒いでおります。ま、今回の記事だけ見ると私も「くだらねぇ」とは思いますけど、支持率20%を切っても居座る輩には相応しい扱いとも云えるでしょう。


麻生首相「みぞう」 どよめく委員会
http://www.asahi.com/politics/update/0120/TKY200901200167.html


未だに麻生を庇い立てするようなヤツはバカもいいところだと思いますが、そういう連中は何かにつけて「マスゴミ」を連発いたします。
「揚げ足を取るマスゴミイカン」とか、「前後を削って一部分だけ当てこするマスゴミの誘導だ」とか。しかし、そんな感じでマスゴミの非を鳴らす方々は、たぶん福田首相の時は、そんな事は主張していなかったように思うんですけどね。


ま、それはともかく、真にマスゴミを糾弾するなら麻生首相だとか国籍法改正のようなネタではなく、本当のマスコミのタブーを突けばいいのに、と思います。それは何か。コンビニ問題です。

セブン‐イレブンの正体

セブン‐イレブンの正体

1 “本部一人勝ち”の金儲けのカラク
2 加盟店からの不当ピンハネ疑惑
3 人気商品「おでん」の裏側
4 「オーナーを監視せよ」黒い社内体質
5 使い捨てられる取引業者たち
6 四六時中見張られる商品配送ドライバー
7 “鈴木敏文王国”に屈する大メディア
8 意見封じられる「24時間営業」問題

コンビニ 不都合な真実 (ベストセレクト 767)

コンビニ 不都合な真実 (ベストセレクト 767)

第1章 こんなにも儲からないコンビニオーナー
第2章 なぜ、ロスからチャージをとられるのか
第3章 東京高裁で敗訴したセブン‐イレブン
第4章 スーパーより高いコンビニの仕入れ価格
第5章 コンビニ問題をタブー視するマスコミ
第6章 オーナーたちの反乱


「セブン・イレブンの正体」は、実は新聞の広告で見ました。良く載せたな、と思ったのですけど、なにせコンビニ問題はネットでこそ見掛けますけど、マスメディアで取り扱われる事がほとんど無い話だからです。「コンビニ 不都合な真実」の方は2007年に発行されており、結構衝撃的な内容にも関わらず、新聞の書評でも取り上げる事はありませんでした。


内容は共にコンビニのフランチャイズ本部の儲けの裏側に何があるか、を説明しています。


1.ロスチャージ問題 商品廃棄分も売り上げに含めてロイヤリティーを徴収する
2.商品の値下げを認めない
3.商品仕入れ価格を各店舗に知らせない。扱いは各店舗の発注になっているのに
4.2と関係するが、各店舗が仕入れ先からの請求書を受け取れない
5.1〜4などに対して反抗するオーナーを監視、恫喝する
6.契約で謳った「オーナーヘルプ」を無視、形骸化させる
7.仕入れ業者も使い潰す
8.配送ドライバーの超過労働


どれをとっても問題は法の網目をすり抜けるようなえげつない手法によるもので、従って泣き寝入りするオーナーも少なくありません。現にロスチャージ問題は高裁ではオーナー側が勝訴しましたが、最高裁で本部側が勝っています。


参考:コンビニ会計 ロス・チャージって知ってますか?
http://blog.goo.ne.jp/blanknote/e/841f2f6522c6fe8d27ce7f02db1785a1


ようやく昨年請求書の件に関しては、最高裁で高裁差し戻しになりましたが、まだまだ予断を許さないようです。


参考:セブンイレブン最高裁判決の評価(コンビニ・フランチャイズ問題弁護士連絡会)
http://www.konbenren.net/seveneleven2.html


コンビニの売上高が百貨店を逆転するほど“身近な”存在であるコンビニなのに、上記の判決もベタ記事扱いでした。


参考:コンビニ売上高、百貨店を初逆転 主婦・高齢者つかむ
http://www.asahi.com/business/update/0119/TKY200901190319.html


近所でもコンビニは出来ては潰れ、出来ては潰れしております。各フランチャイズ毎につぶし合い出店も盛んに行ってます。まるでオセロゲームのよう。そんなつぶし合い出店が可能なのも、経営リスクを負わずに利益だけ得る本部の手法があるためです。不利益を被るのはオーナー達。
潰れた店舗、「コンビニ遺跡」は、大概ケータイショップかサラ金店舗、怪しい商品販売店などに居抜きされますが、その裏には無数の苦汁を呑んだフランチャイズオーナーの姿があるわけです。


私はある古い新聞記事を覚えています。脱サラしてコンビニを始めた若い女性の記事、地方新聞のインタビューでした。起業がしきりに叫ばれていたときのことです。彼女は自分の店を開いた事に誇りを持ち、懸命に働いている、と答えていました。私も時々通りがかる道すがらに彼女の店はあったのですが、半年ほどで店舗は閉店しました。彼女がどうしたのかは判りません。


コンビニ問題は身近にありながら、しかしその暗部は明らかにならない。今後もマスメディアにコンビニ問題が突っ込んだ形で取り上げられる事は無いでしょう。もし、マスゴミが本当に問題で、既に斜陽のメディアであるというなら、ぜひネットの力、と言うヤツを見せて欲しいものです。セブンイレブンがアンフェアな商売を転換するようなネットの力と言うヤツを。


おまけ
この「セブン・イレブンの正体」、トーハンで取り次ぎを止められる、というハプニング付きとなりましたが、なんとセブンアンドワイでは取り扱われております。鷹揚なんだか図々しいんだか。
現在ではトーハンでも取り次がれていますから、書店でも手に入ります。ちなみに私の買った書店では横にセブンイレブンをヨイショする本が並んでおりました。チェックしてねぇな、書店員。


参考:
ルポライターFの取材(じゃないことも書く)日記
http://pagezero.exblog.jp/


コンビニ欺瞞商法―コンビニ会計取扱説明書〈3〉

コンビニ欺瞞商法―コンビニ会計取扱説明書〈3〉