シートン俗物記

非才無能の俗物オッサンが適当なことを書きます

静岡地震のこと

さて、またまたご無沙汰でございました。実は、私、見事に静岡地震を罹災してしまい、このところゴタゴタしておりました。
で、その体験と感想を載っけておきます。


地震が起きたのは実に蒸し暑く寝苦しい夜の終わり、大雨が降り注いでおります。ようやく気温も下がり深い眠りに入ろうかという頃でした。ゴゴゴ、という突き上げるような小さな揺れで目を覚ましました。たぶん、寝苦しく眠りが浅くなかったら気づかなかったかもしれません。咄嗟に、本当に咄嗟に「地震?」と身を起こしました。何回か地震で初期微動による突き上げを感じていた事。そして、これが重要ですが、起震車による地震体験を何度か受けていたこと。この事が地震に気づかさせたと云えるでしょう。身を起こして身構えた瞬間に左右へ大きな揺れ。
「こんなに揺れるのか!?」
ちょっと大地が揺れる規模とは思えない揺れです。どちらかといえば、遊園地かテーマパークのアトラクションみたい。本棚から本が降り注ぎます。家族の悲鳴に部屋を出て、駆けつけます。時間に直して10秒程度だったはずですが、とてつもなく長く感じました。

教訓1 起震車や施設による地震体験は受けておいた方が良い

教訓2 棚の固定は思いついても、棚の中身は軽視しがち


ようやく揺れが収まりました。落ちてくる物も避け、家族の無事も確認する余裕があったのに、体に震えがきます。やはり、大地が揺れる、というのは判っていてもショックなものです。
電気の無事を確認してテレビを点けると地震の速報が出ています。やはり、この点ではNHKは強いです。
携帯でサイトを見てもまだ何も表示されていません。メールも通話もやはり出来なくなっていました。

教訓3 テレビかラジオは情報を得るのに必要 ネットはこの段階では役に立たない


電気とガスは通じていますが、ガスはとりあえず使いません。漏れている可能性があるし。水は通じなくなっていました。

教訓4 水はペットボトル一本分でいいから確保すること 大量にはいらない。救難活動による援助が行われるまでと生命維持に必要なレベルを考えれば、一本分(500ml)でもいい。なまじたくさん確保しようとすると、かえって難しくなる


しかし、外へ出て避難すべきかどうかわかりません。表は警報が出るほどの大雨。その日の朝から昼にかけて台風が南方を通過する予報が出ています。しかたなく、テレビの速報を見ながら待ちます。町内でなんらかのアクションがあるのか、市の広報が何か放送するのか。地震があったことだけは放送が行われていますが、もちろんこちらは知ってます。津波に対してもどうするべきなのか。洪水時の満潮時近くに地震。悪い時には悪いことが重なるものです。

教訓5 避難訓練の類は晴天時の日中を前提としているが、実際に起きるシチュエーションはそれより遙かに条件が厳しい


状況の把握に努める一方、知人に連絡を取ります。結構、携帯電話は厳しかったけれど、メールは通じます。

教訓6 携帯メールは意外と災害時に頼れる存在になってきている


それにしても、その日自分は県外に出掛ける予定がありました。しかし、交通機関は全滅状態です。
東名高速静岡県内は閉鎖*1。JR在来線、東海道新幹線は不通。各私鉄も運休。動きの取りようがありません。復旧の目途がさっぱり判らないため、待つしか出来ません。天候が回復したのが救いですが、すでに道も混み始めてます。

教訓7 自動車交通について取り決めをしないと、混雑状態が問題になる


東名高速道路より、東海道線より早く新幹線が復旧します。

教訓8 JRの整備力はやはり高い 新幹線の線路や架線の点検は大変だろうに


一方で、JR在来線は復旧しないため、接続が出来ません。しかも、何がゆえに止まっているのか、目途が立つのか立たないのか、とにかく情報らしい情報が出てきません。

教訓9 JRはとにかく情報を出して欲しい 対応策の考えようが無くなる


新幹線復旧を知って、とりあえず静岡駅まで辿り着きます。写真は静岡駅新幹線改札に詰めた取材のカメラクルー。


教訓10 マスコミうざい


東海道線改札前にはくたびれ果てた人々が床に腰を降ろしています。

教訓11 なぜ、日本では公共空間に座れる椅子が少ないのだろう


それからも新幹線は遅れに遅れ、それでもようやく県外へ出ることが出来ました。
でも、県外で聞こえる地震のニュースは交通機関が寸断された事、がメインで、住民を心配する声はあまり大きくない。やはり、周囲の人にとっては、邪魔者扱いなんだろうか。

教訓12 他人はアナタが思うほどにアナタのことを心配していない


ニュースで「静岡空港は無事」とか言ってました。そこまで行く交通機関が寸断され、一般道も混雑しているうえ、山を切り開き、盛り土をした空港が「無事」と言い切る神経がわからない。

教訓13 やっぱり静岡空港はムダ 石川最悪 自民党氏ね


まだ余震が何度か起きています。それにしても、地震予知連絡会とかって何のためにいるんだ?「これは本番じゃない」って、終わってから言ってンじゃねぇよ。本当に無駄な連中だ。

教訓14 地震予知、などというくだらない事は期待せず、起きた時点で対応出来るようにしよう


夜になるとブロック塀が崩れただのニュースで言ってる。昔から言われているのに、まだブロック塀を設ける人がいることにウンザリする。市町村では生け垣や柵を推奨しているのに。

教訓15 ブロック塀は全面禁止にすべき


本に潰されて亡くなった方まで出てしまった。でも、面白おかしく取り上げているところがあったが、本以外でも棚から飛び出てくるものに潰される可能性はあるのだ。気をつけた方がいい。

教訓16 本に潰されるのは他人事じゃない


というわけで、地震体験について述べてみました。参考になれば幸いです。これが生きるような事態にならなければいいんですけどね。
では。

写真は崩れ落ちた駿府城のお堀の石垣

*1:未だに上りは袋井−焼津間で不通状態