シートン俗物記

非才無能の俗物オッサンが適当なことを書きます

日清食品の若手管理職にサバイバル法を教えるよ

ども、シートンです。


日清食品無人島でのサバイバル研修を再開
http://sankei.jp.msn.com/economy/business/090817/biz0908172125010-n1.htm

食品大手の日清食品ホールディングスは、26日から2泊3日で、グループ会社の若手管理職社員を対象にして、瀬戸内海の無人島で生活させる“サバイバル研修”を実施する。
 対象は、日清食品で7月に課長職に昇格した13人に、明星食品などグループ会社4社の管理職4人を加えた40歳前後の17人。

 この研修では「チキンラーメン」と水、小麦粉、ビニールシートしか持たされない。まきをひろって火をおこして手作りの道具で調理し、ビニールシートで寝泊まりするなどのサバイバル生活を強いられる。

 同社では若手管理職の心身を鍛えるため、平成15年からこの研修を開始。17年までは無人島で、18年から20年までは埼玉県の山中で研修を実施してきた。今回、研修効果を検証した結果、山中よりも条件がより過酷な無人島に研修場所を戻したという。


来週無人島でサバイバーになる日清食品若手管理職社員(つまり、エリート)の皆様に、どうやったら無人島で快適に過ごせるかをアドバイスいたしますわよ。別に、名前の由来に起因する訳では無いのですが、わたくし、かなりサバイバルに長けております。エリートではございませんが。
まず、

レッスン1 二泊三日なら水さえあれば楽勝。 サバイバルを楽しむつもりが無ければ寝て暮らそう

先日の地震の時もちょっと紹介したが、水の補給を怠らない限り、食事がなくても三日ぐらいで死ぬことはない。多少衰弱はするだろうが、もう行われる、と判っているサバイバルの場合、ちょっと余分目にカロリーを摂取しておけば、餓死だ何だ、という事は起こらないので食事をそれほど意識する必要はない。むしろ、水がキチンと摂取出来ていれば適度なダイエット状態だよ。

レッスン2 食事より大事なのは排泄だよ。トイレは確保しておこう

このへんは防災でも軽視しがちなのだが、むしろ食事より問題なのは排泄なのだ。持っていく物の中にスコップが無いか気になる。17人も暮らすのであれば、大小併せてかなりの量の排泄物が出ることになる。キチンと処理しないと、この夏場だと酷いことになる。


ただし、穴掘り式にする場合はあまり深く掘りすぎないこと。あまり深いと土壌生物による分解が進まず、土壌汚染に繋がる。ま、3日だし、幾つかの穴を掘っておけば用は足りると思う。草や木の葉を用意して、底に敷き詰めること。用を足したらさらにタップリ上から掛けておこう。これは生葉、生草で大丈夫。


もちろん、トイレがキチンとある場合は必要ない話だけどね。

レッスン3 腹が減ったらチキンラーメンをボリボリ囓ろう お湯を沸かさなくてもいいよ

チキンラーメンはアルファ化されたデンプン質なので、そのまま囓っても大丈夫。経験あるでしょ?みんな。ベビースターラーメンより歯ごたえはあるけど。
のんびり暮らすなら、わざわざお湯を沸かさなくてもそのまま食べて過ごす方が楽だよ。

レッスン4 野草も大きな味方だ そのまま食べれるヤツも結構あるよ

野草を食べると云えば、岡本信人さん。でも、天ぷらにしなくても多少なら生でも大丈夫。2泊3日の多少のアクセントにする程度ならスイバやギシギシ、ヨモギ、葛の蔓の先端、ドクダミ、ノビル、海辺ならハマヒルガオなどは食べても大丈夫。気になるようだったら、お湯(海水で充分)でゆがいて食べればいい。

レッスン5 蚊は大きな脅威だ 隠し持っても良いから虫除けはタップリと

山や野の蚊はどういうわけか凶暴だ。人を捜し当てると大量に集りボコボコにしてくれる。蚊除けスプレーはもちろんだが、蚊取り線香の類も無いと酷いことになる。イヤなら海に浸かって過ごすという手もあるが、夜はそういうわけにはいかないでしょう。

レッスン6 火を焚きたければ、夕方までたっぷり薪と焚き付けを集めて、陽で乾かすこと

素人が失敗しがちなことだが、自然状態の枯れ木や枝はなかなかに火が付きにくいことが多い。表面上は乾いていても、中が湿気ている事は珍しくない。集めた後にたっぷり乾燥させた方が巧くいく。焦って陽が傾く前に火を付けようとすると手間が掛かる上に、薪の補充が大変。日中は集めることと乾燥に力を注いだ方が良い。夕方からじっくりと焚き火。楽しそうだなぁ。


雨ならどうするか?説明したとおり、3日過ごすのに水さえ確保されていれば問題ない。無理に火を起こす事も無いのだ。あくまでも火を焚くのは楽しみの一つと考えよう。

レッスン7 持ち物に小麦粉があるなら、粉塵爆発で遊ぼう

小麦粉は結構盛大に粉塵爆発するので、ウォッカやガソリンの火吹き並に楽しめる。宴会芸にピッタリ。

レッスン8 魚釣りは道具がある場合にしておけ

無人島だと道具さえ揃っていれば結構釣れる。特に夕方近くなどは好条件。でも、糸と針はあるからそのへんの枝を使って、などと考えているようだったら甘い。これはテクニックが必要。釣り竿なめんなよ。

レッスン9 海の幸なら岩場の貝類

これは結構いけます。貽貝だとかが結構張り付いているので、茹でて頂くのが美味。足下には気を付けるように。岩場で怪我をすると夏場はよろしくない。

レッスン10 純粋な無人島は少ない 島内探検して集落跡を探そう

畑跡があれば野生化した作物などがあるかも。寝泊まりも楽だよ。


ざっと思いつくところを挙げてみた。オススメなのは、草を刈り取ってビニールシートの下に敷き詰めてクッションとして寝っ転がり。ひたすらゴロゴロし続けること。腹が減ったらチキンラーメンを囓り、ノドが渇いたら水を飲む。昼は波の音に耳を傾け、夕には焚き火を囲んで大宴会。夜は全天に拡がる星空を眺める。せっかくの休暇と思って気楽にやってください。


間違っても「精神力を鍛える」だとか「強調して困難に立ち向かう心を養う」などというくだらない事は考えないように。この研修で身に付くのは、「理不尽な目にあったら、適当に要領よくやり過ごす」事ですからね。

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