自滅する地方 静岡編 その4
市周縁部に巨額の投資を行って達成される郊外化事業。その影響は市中心部にどう響いているのか。
静岡市の中心地は地方都市としては比較的賑やかな事は示してきました。しかし、ジワジワと空洞化も進んできています。
写真は、駅前を通る旧国道1号線沿い、駅より徒歩5分のあたりです。地方都市の常ともいえますが、駅近くなのに、確実に利益を生む手段として駐車場が作られているのです。新しい建物を建てるよりも、駐車場の方が利益になる。まぁ、それも一つの考えではありますが、駐車場だらけになれば利益率は下がりますし、さらに空洞化が進めば、自動車で駅近くまで出てくる理由すら失われます。つまりは、悪循環、ということです。
こちらは、旧「静岡朝日テレビ」社屋跡。かつて映画館だったそうです。青葉公園に面する場所なのに、駐車場になってしまったんですね。
賑わう呉服町商店街も一歩裏へ入ると…。
上はやはり衰退が進む北街道沿いの商店街(水落?)の駐車場。
こちらは鷹匠の裏路地。
上は七間町通りの映画街。何度か述べてますけど、複数の映画館が隣接しているのは地方都市としては珍しい事です。でも、この映画街ももうすぐ消えてしまいます。
『静岡鉄道とシネコン計画について話し合う会』のおしらせ
http://www.7town.jp/modules/information/details.php?bid=14
七間町は静活の映画館の移転に継続して反対をしています。
初回の静岡鉄道説明会の後、何回かの話し合いがもたれました。
前席には静岡鉄道開発部と静岡市都市計画課の各担当者、後席には静岡市商店街連盟、静岡市中央商店街連盟、日専連静岡、静岡商業近代化協議会、4団体の代表が集まりました。
要望書は左の『七間町名店街について』⇒『映画館の移転反対』でご覧ください。
初回の説明会から静岡鉄道は一貫して計画の変更は行わないことを強調し、要望書に対する返答書も、自社の開発計画に対する自画自賛の文章に終始している為、今回はこの返答書は掲載することにあたらない為、割愛させて頂きます。
静岡の映画事情は、清水のMOVIXと藤枝のシネプレーゴなどのシネコンにより大幅に変化していますが、東静岡のシネコン計画は撤回に持ち込みました。その一方で静岡鉄道によるシネコン計画が問題となっているわけです。
静岡市の中心市街地活性化事業は極めて的外れなものです*1。下の写真のどちらが開発済みでしょうか?
もちろん、上側が再開発済みの地域。下側の写真は駒形商店街です。駒形商店街もまだ辛うじて賑わいを残した地域です。なにせ、銭湯さえ残っているのですから。
見れば判りますが、自転車や徒歩で訪れる買い物客が多いのです。その妨げになるのが自動車と、それに適応化させようとする市の施策です。
もう少し、残った商店街の紹介です。
ここは長谷通り商店街。静岡浅間神社前から水落まで続く通り沿いです。古い街を通るため、車を利用せず買い物する客が多い事が効いています。
ここは長谷通りにある「大やきいも」。いつも、多くの人で賑わっています。こんなお店が残っているのは珍しい事です。
こうした町並みも、このまま行政が方針転換しなければ時間の問題となるでしょう。これをどう考えます?次回は、交通が便利になった結果どうなるか、のサンプルとして北街道を取り上げます。