シートン俗物記

非才無能の俗物オッサンが適当なことを書きます

マリーン・ゴー・ホーム

こんばんは。こちらに署名いたしました。シートンです。
さて、普天間基地問題、いい加減イヤになりますね。鳩山政権のグダグダぶりももちろんですが、マスコミもどういうつもりなんだか。
まぁ、アジビラ産経やナベツネの私物読売は意図が理解できますが、朝日はそれでどういう決着を望んでいるのやら。まさか、「鳩山のバカ、しくじりやがった!」って喝采を浴びせたいがためにスポイルしているんじゃないでしょうね?鳩山や民主党がどうなろうと知りませんが、沖縄の人々の切なる願いを溜飲を下げるためにシカト喰らわそうなんて、朝日新聞記者のクソぶりにはうんざりします。


琉球新報が伝えた記事を


テニアン「最適地」 北マリアナ 上院が誘致決議
http://ryukyushimpo.jp/news/storyid-161169-storytopic-3.html

 【東京】サイパン島、ロタ島、テニアン島など14の島からなる北マリアナ連邦の上院議会(9議員)は16日、国防総省日本国政府に対し、米軍普天間飛行場の移設先の最適地として北マリアナを検討するよう求める誘致決議を全会一致で可決した。4月上旬にテニアン島などを訪問し、同議会と面談した社民党照屋寛徳沖縄基地問題対策プロジェクトチーム座長が21日、同議会に確認した。
 下院議会(20議員)は27日、同様な誘致決議を行う方向で、照屋氏は下院議会の決議後、官邸に対し、内容を報告し、テニアンなどへの移設を本格的に検討するよう重ねて求める。
 上院議会の決議では、普天間飛行場の移設先、在沖米海兵隊の移転先について北マリアナは「最適地」とし、「移設を心から歓迎している」と強調。「最適地」とする理由については、(1)東南アジアにおける防衛戦略上、地理的に優位(2)自然環境が豊かで近代施設、娯楽施設も提供でき、在沖米海兵隊員や家族の生活に適している(3)テニアンは1999年、土地の3分の2を国防総省と賃貸契約を結んでいる(4)志願兵の割合が高いなど米軍に対する協力体制ができている―などを挙げた。
 照屋氏によれば、下院議会のテノリオ議長は「上院議会と同時に決議する予定だったが上院が先になった。27日に決議する」と連絡があったという。
 照屋氏は「北マリアナの皆さんがテニアンへの移設を強く望んでいることの表明だ。より現実的実効性のある案として、真摯(しんし)に受け止め、移設先として本格的に検討してほしい」と話した。


産経・読売、そしてTVあたりはシカトしてますが、朝日は否定的文脈で伝えました。その移設を“希望する”意見に対する反論が凄い!


テニアン島普天間歓迎」 (朝日新聞 2010/4/29 国際面)

(前略)
最大の課題は、沖縄を海兵隊の拠点とすることを前提とした米軍再編計画自体の抜本的見直しが必要になる点だ。
(後略)

海兵隊を沖縄に置くこと自体がムダなのに(後述します)、居候の計画が住民の意見より大事だ、と主張する政府とはなんという売国政権でありましょうか。しかも、再編計画で海兵隊のグアム移転が計画にあるわけです。手直しして全面グアム・テニアンに移転する事がそれほど困難な話なのでしょうかね?いや、困難であろうとも、辺野古沖になんちゃらを造るだとか徳之島へ一部移転だとかを考えれば、あまり理由に成り得ない話です。


さらに続く意見も凄い話です。

広島、長崎に原爆を投下した爆撃機が発進したテニアンへの移転は、日本の国民感情を刺激しかねない

はぁ?沖縄は太平洋戦争における最大の激戦地だったんですけど?そこに基地を置き続けることは「国民感情を刺激しかねない」とは考えなかったわけ?取って付けたような言い訳すんなよ。

環境影響調査など準備にさらに時間がかかる


ま、それはね、辺野古では反対する住民を実力排除したわけだから準備は楽だったかもしれんが、本来どこでだってアセスメントは楽な話じゃない。
こんな詰まらない話を検証も突っ込みも無しに掲載しているわけ?朝日の金子圭一とかいうバカ記者は?こんなくだらない記事しか書けないなら、産経にでも入ればよかったのに。


それにしても、この件では岡田のようなバカも出る。


岡田外相、海兵隊駐留に固執
http://ryukyushimpo.jp/news/storyid-161487-storytopic-53.html

 【東京】米軍普天間飛行場移設をめぐり、在沖米海兵隊の抑止力に疑問の声が上がる中、岡田克也外相は、あくまで海兵隊が日本にいてもらわなければならないとの考えに固執している。
 27日の会見で、米側から代替施設なき普天間返還の意思が示された場合でも、海兵隊の日本駐留を望むかとの問いに「わたしだけでなく日本政府としてそういう考え方だ」とためらいなく答えた。
 在沖米海兵隊の抑止力については、災害支援のほかに「海兵隊が日本にいるということがさまざまな紛争が生じることに対して抑止している」と紛争抑止論を展開。
 さらに「いざ有事の時に、邦人救出でも海兵隊に依存する部分はあると思う」と述べ、日本国外の邦人救出に期待できるとの考えを示した。
 米軍再編による在沖米海兵隊のグアム移転に関連して、米軍内部にグアムで合同訓練ができる環境を利点に挙げていることに関連しては「合同演習がグアムでやりやすいことはあるかもしれない。それが沖縄の海兵隊を否定することにはならない」との見解を示した。
 海兵隊による日本国外の邦人救出について「周辺事態の場合で、自衛隊は周辺事態法という枠の中でしか行動できない。日本では対応できない場合というのがあると思う」と説明。その出動根拠は「それは同盟だ」と答えた。
 海兵隊抑止力に関連して「朝鮮半島情勢や、中国などアジアの国々の軍事力強化を考えたとき、現在の自衛隊だけで適切に対応できるかというと限界がある」と述べ、中国の具体名を挙げて日本への駐留継続が必要だと強調した。


アメリ海兵隊が「抑止力」?「邦人救出」?バッカじゃないの?くだらん。海兵隊の役割から考えてもそんな事に役立つ訳ないだろ。アメ公にケツを差し出すにもほどがある。


で、何かにつけて「海兵隊が抑止力」だとか「海兵隊が移転すると(中国に)侵略される」とか騒ぐバカが涌く。まあ、id:ktasakaによると

シャドウボクシング。
 そんな人見たことありませんが、誰ですか。

http://d.hatena.ne.jp/Dr-Seton/20100129/1264771915#c1264818246


だそうだから、文句がある人はktasakaのところへ言ってくれ。
ま、

この手のことを考える人って、自分の生活がどれだけシーレーンに支えられているか知っているのだろうか。非自覚的で揶揄にもならないエントリ。

http://b.hatena.ne.jp/ktasaka/20100130#bookmark-18941153


シーレーン、とか言ってるマヌケだから、何も考えていないのかもしれないが。


で、海兵隊が撤退した程度で「侵略される!」だとか「防衛力を増やさなくては!」とか騒ぐヤツって、本当に物知らずなんだな、と思わずにはいられない。
お前ら、日本の自衛隊を舐めすぎだし、中国軍を過大視しすぎているよ。
そもそも、日本の自衛隊は冷戦時代に極東ソ連軍に対して米軍と共に対峙すべく整備が進められてきた。予算も世界で有数の注ぎ込み方だ。ポスト冷戦期にも言い訳ぶっこいて削減など行っていないから、中国相手にひけを取るような規模じゃない。第一、「同盟」とやらを結んでいるアメリカ軍は規模、装備、予算、どれをとっても他国の追随を許さない。海兵隊が出たくらいで大きな開きのある戦力差が埋まるわけないだろ。


で、“近年膨張著しい中国軍”なんだが、日本を侵攻する能力など今なお無い。ビビリ過ぎ。
いいか?次の地図を見てもらおうか。



台湾が右手、で、中国の廈門のすぐ脇にあるのが(赤く塗られている部分)台湾領である金門島。(地図はwikipedia より引用 http://tinyurl.com/2cqpj93
国共内戦後に共産党に破れた国民党は台湾に逃げ込んだが、その際金門島を反撃の拠点と位置づけていた。で、中国側も金門島攻略に乗り出したが今に至るまで奪取に成功した事はないし、足を踏み入れる事さえ出来ていない。対岸に大砲を据え付けて金門島に攻撃を仕掛けたのが精一杯なのだ。
つまり、台湾本島からの距離より遙かに近い金門島でさえ中国は攻略することが出来ない。航空戦力において大きく引けを取り、制空権を握れないからだ。


300万の兵力でソ連の国土を大きく蹂躙したナチスドイツが、わずか40kmに満たないドーバーを越えてイギリスに侵攻できなかったのは、制空権も制海権も握る事が出来なかったからだ。中国軍は目と鼻の先の金門島さえ攻略できていない。優勢な航空戦力を有し、中国からの距離もある日本が必要以上に「中国の脅威」にビビる必要は無いのである。台湾有事に関しても同じ。台湾にアメリ海兵隊が役立つ事態は無いし、航空戦力で充分。というか、現在では経済的繋がりの強い中国と軍事的対立を招いた段階で台湾は終わり。


第一、中国の戦力は北でロシア、南でインドに向けられており、日本(とアメリカ)にだけ向けられているわけではない。そんな状況で「責められる〜!」と騒ぐのはどんだけパラノイヤなんだ。


もう少し付け加えるなら、中国はすでに日本の一番の貿易相手になっている。中国にとっても日本は重要な貿易相手だ。それと事を構えるとするなら、(とりわけ日本にとっては)経済的ダメージは計り知れない。何か起きるたびに株式・債券市場が暴落するのに貿易相手と敵対状態、になればそれだけで既に負けなのだ。敵対状況にならないようにすることが安全保障の鍵であって、防衛力(軍事力)に頼るのは下策中の下策。


であれば、むしろアメリカの海兵隊にグアム・サイパンまでの後退を要請し、同時に中国に対しても軍縮を求める。その方がなんぼかマシだと思う。


というわけで、沖縄の人々に提案です。
鳩山のボンクラが4日に沖縄入りするそうですから、プラカードに「テニアン」と書いて、みんなで「テニアン」コールをいたしましょう。大マスコミ様が取り上げざるを得ないように。では。