シートン俗物記

非才無能の俗物オッサンが適当なことを書きます

快適に年金を受け取る方法

ども。趣味はタクラマカン砂漠でミイラ採り。シートンです。
昨日は敬老の日。皆様、お年寄りを大事にしてますか?昨今、「高齢者は特権カイキュー!」とか騒いでいるノイジーな方々が見受けられますが、高齢者?をうまく利用しよう、というアイディアを採用なさってはいかがでしょうか?先行例もありますし。

徹底取材!消える高齢者
http://www.nhk.or.jp/asaichi/2010/09/15/01.html

全国で次々と明らかになる高齢者の所在不明。NHKの調べによると、100歳以上で所在が不明な高齢者はおよそ350人(9/1現在)に上ります。そんな中、全国で初となる75歳以上を対象にした高齢者の所在確認調査が北海道旭川市で実施されています。
あさイチはその調査に密着取材。予想を大きく超える数の高齢者の所在がわからないことが明らかになってきました。
高齢者はいったいどこに消えたのか?
そして、肉親の死を隠しながらなぜ年金を不正受給するのか?


せっかくルサンチマンを振り播いてきたんです。せめて親族が亡くなっても年金ぐらいは受給したいですよね。でも、非実在高齢者で年金を受け取るのにはなかなかにツラい障害があります。ニオイです。

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屍体は特に内蔵から分解を始めますから、腐敗した内蔵がデロデロと体穴から漏れ出てきたら目も当てられません。ご近所にも内緒にしなければなりませんし、ニオイ対策が必要です。


では、どうしたらいいか?ミイラにしてしまえばいいのです。
ミイラを「生きている屍体」として扱う例は世界各地にあります。例えば、高野山の御大師様も維那と呼ばれる世話役によって生きているかのように世話を受けています。

高野山奥の院の霊廟には現在も空海が禅定を続けているとされる。奥の院の維那(ゆいな)と呼ばれる仕侍僧が衣服と二時の食事を給仕している。霊廟内の模様は維那以外が窺う事はできず、維那を務めた者も他言しないため一般には不明のままである。
Wikipedia 空海 より引用)

弘法大師空海の寺を歩く―高野山、四国霊場…空海ゆかりの地へ (楽学ブックス 古寺巡礼 10)

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インカ帝国の代々の皇帝もミイラとして安置され、生者の世界にまで影響を及ぼしました。


南アメリカのミイラ 2 〜インカ帝国
http://www.geocities.co.jp/HeartLand-Kaede/4521/minka.html

16世紀、スペイン人の侵略によって破壊されるまで、
インカ帝国では歴代の皇帝はミイラにして宮殿に安置され、生前と同じように多くの男女がそれに使えた。
妻や家来の中にはあの世まで主人について行くことを望むものもおり、この人達は大宴会で酔っ払ったところを絞め殺された。
自分で志願したなら、自ら命絶てばええのに。殺す方も後味悪いだろ、この方法。
それはさておき。
皇帝のミイラが収められたのはクスコにある多くの宮殿の中でも最大の物、コリンカチャで、太陽の神とともに祭られた。
年に一度の太陽の祭りでは皇帝のミイラを輿に乗せ、他の皇帝ミイラを尋ねる儀式もあった。

インカとスペイン 帝国の交錯 (興亡の世界史)

インカとスペイン 帝国の交錯 (興亡の世界史)

パプアニューギニアの諸部族でもこのような習慣があったようです。
あ、忘れてはいけない「即身成仏」。東北地方を中心に存在しますね。
いずれも「死者が生者を見守ってくださる」わけで、年金のダシにするのは「正しきミイラの利用法」と言えるでしょう。

というわけで、スネを囓りまくっていた親族を失ったら八方ふさがりの皆さん。お手軽なミイラ作りで快適に年金を受け取れるようにいたしましょう。


まず、ミイラの種類です。ミイラというか遺体の保存法には幾つか種類があります。

乾燥ミイラ

これは、我々がミイラと認識するタイプですね。エジプトや中央アジアなどでは遺体が自然乾燥によってミイラ化しましたが、それを模倣してエジプトなどでは遺体の内蔵を取り出し防腐措置を施て、遺体を亜麻布に包んで保管しました。生前や死後直後に体内の水分が少ないと腐敗しにくい為にミイラ作りが可能だったようです。

参考:エジプトのミイラをつくろう!
http://homepage2.nifty.com/BCCRAFT/howto/howto_mummy/mummy_top.html


ちなみに、今回ミイラ作りを調べていてミイラ(木乃伊)の語源が、防腐に利用した「没薬」(mirra)だと思ってましたが、もともとは瀝青(アスファルト)を指すmuumiyahという言葉が英語の「マミー(mummy)」やフランス語の「モミイ(momie)」などの元になっている事を知りました。日本に伝わる時に混同したんですね。

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塩漬けミイラ

稀な事ではありますが、岩塩鉱山などの落盤事故などで埋まった死体が塩による脱水作用と細菌繁殖が抑えられる事からミイラ化するようです。
有名なものとしては、オーストリアハルシュタットで見つかった塩漬けミイラの他、イランでも見つかっているそうです。

死の泉 (ハヤカワ文庫JA)

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参考:1800年前の人間の塩漬けミイラ
http://10e.org/mt2/archives/200706/300355.php

死蝋

乾燥ミイラの逆です。低温下で湿度が高いと体内の脂肪が鹸化して全身が蝋状となって保存されるそうです。泥炭地などで溺れた人などが死蝋化して見つかったりしています。泥炭自体が低温で植物が腐敗できないために出来るものです。

文庫版 姑獲鳥の夏 (講談社文庫)

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参考:トーロンマン
http://tinyurl.com/2fpxkkc

燻製

パプアニューギニアなどでは遺体をずっと燻し続けて燻製ミイラにするそうです。比較的湿度が高く、死蝋化するほど低温では無いところでの保存法ですね。

燻製大事典

燻製大事典

その他

レーニン廟のレーニンのミイラとか、長沙馬王堆の利蒼夫人の遺体とか、いろいろとあります。遺体保存の話はなかなかに奥深いです。

グッバイ、レーニン! [DVD]

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さて、では家庭でどのようにしたら手軽にミイラが出来るか?
まずは遺体を茹でてしまいましょう。遺体で最初に腐敗が始まるのは内臓ですが、それは内臓が各種消化酵素をもっているため自己分解してしまうためです。消化酵素を失活させるには加熱するのがお手軽です。
遺体を入れて加熱しやすいのは、やはり浴槽でしょうか。浴槽に入れて湯をはり、さらに加熱しましょう。投げ込みヒーターがお手軽です。
この時、塩を大量に湯に加えておけば、遺体の水分を抜くことも出来ます。


茹で終わりました。そしたら、すのこの上にでも移して作業をやりやすくしましょう。
このあと、水分を抜くために脱水シートを利用します。遺体に脱水シートをくまなく巻き付け、さらにその外側を塩で固め、防水袋に入れましょう。脱水シートは浸透圧を利用して水分を抜きますが、脱水シート自体から塩が水分を奪うことでより効果的に水分が抜けます。遺体を直接塩漬けにしても良いですが、あとで遺体の回りの水分はくさや工場の漬け汁のようになってしまいます。

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この後、じわじわと水分が抜けてきますので、袋に溜まったら抜き取り塩を追加しましょう。塩分濃度から考えて塩10kg程度もあれば充分だと思います。
この時、ウユニ塩湖の塩を利用すればアンデス風の、モンゴルの岩塩を使えばモンゴル風のミイラになります。 ウソです。

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遺体を脱水シートで巻き塩漬けにしたら、さらに冷やしておきましょう。でないと、途中で塩辛づくりのようなニオイが漂いまくりになります。大型保冷バッグに入れ、保冷剤を詰めておきましょう。

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[rakuten:esports:10162317:detail]

おそらく、1ヶ月もあれば水分もほどよく抜けるでしょう。あとは、風通しの良いところで乾燥させましょう。まるで、ハムの作り方みたいですけど、どうせ大差無いです。

さ、これで大手を振って快適に年金を受け取ることが出来ます。工夫次第でもっと素敵なミイラが出来るかも知れません。頑張ってください。

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というか、

非実在高齢者の問題って大騒ぎするような、今気づいたような反応をするような話ですかね?


以前、私はこんなエントリーを上げました。


黙って大人しく死んでくれ
http://d.hatena.ne.jp/Dr-Seton/20090319/1237474460


ホームレスに対して、どっか(自分とは関係無いところへ)行ってくれ、消えてくれ、という“普通の人々”の態度を取り上げたものです。
この他にも昨年の静岡での地震で上げた記事で次のような事を書きました。


静岡地震のこと
http://d.hatena.ne.jp/Dr-Seton/20090814/1250262872

教訓11 なぜ、日本では公共空間に座れる椅子が少ないのだろう


もちろん、私はその答えを知っていました。ただ、それに対して皮肉を言いたかったのです。しかし、

「教訓11 なぜ、日本では公共空間に座れる椅子が少ないのだろう」 これは野生の人(ホームレス)対策

『教訓11 なぜ、日本では公共空間に座れる椅子が少ないのだろう』…google:排除アート


それは、普通に捉えられていました。すでに、公共空間で人々が座れない、という状況よりも、ホームレス排除のインセンティブの方が上なのだ、と示されているわけです。居場所を無くせばいなくなる。これは「ゴキブリ退治」の論理です。
どこか目につかないところで死んでくれ、そう告げているのと変わりがない。
かくて死んだことさえ気づかれない、誰が死んだのか認識されない、人々がいるわけです。


であれば、その裏返しとして戸籍などは宙ぶらりんになるでしょうよ。当然のことです。
行政がそのように「生きた人間の尊厳を守らない」のであれば、パンピーが「死んだ人間の尊厳を守らない」のも起こりうる話でしょう。全ては表裏一体。


もし、本当に老後を快適に過ごしたい、、年金を受け取りたいのなら、生きている人を大事にすることです。困窮する人々に手を差し伸べることです。でなければ、ミイラ採りがミイラになってしまいますよ。
では。