なでしこ戦記 - シートン俗物記

ども。超巨大台風にちょっとビビリ気味。シートンです。
先日のエントリーの反応に対して、付け足しときます。

しかしそれでも、それを理由として今回のなでしこフィーバーを叩くのは忍びない。
だって彼女らの女子サッカーって、数年に一度の大会で代表が大活躍して初めてまともに報道されるレベルの、基本的にはマイナースポーツっすよ
Lリーグ改め「なでしこリーグ」とか、今回以前にどれくらい見たことある？
なのでマイナースポーツでも代表で大活躍すればフィーバーが起きて大きく報道される可能性があるというのは、むしろ希望と捉えたほうがいいと思う

http://anond.hatelabo.jp/20110717063617

私は、まさにその“マイナースポーツでも代表で大活躍すればフィーバーが起きて大きく報道される可能性がある”の部分を危惧しているんですよ。

活躍すれば、結果を残せば、大きく報道される可能性がある、という事は、「じゃあ、活躍出来なかったら、結果を残せなかったら、どうなるの？」ということです。

というか、その事を示すために、スコットランドリーグとツール・ド・フランスを取り上げたのです。日本（人）が活躍しなければ“無かったかのような扱い”となる状況を考えたら、結果を残せなかったら、彼女たちはどう扱われただろうか。

私は地元のJリーグチーム、清水エスパルスとジュビロ磐田の応援しています*1。上位に絡めばうれしいですし、降格の危機に立てば叱咤激励する。時には選手や監督、フロント陣の悪口も言います。ですが、無視したり見放したりすることはありません。サッカー好きッすから。
アスリートにとって一番辛いのは、無視される事、意識さえされないことでしょう。

地元出身の長谷べっちも、「Jリーグの方もぜひ、足を運んで盛り上げてもらいたいなと思います」と云ってましたよね。たしか中田英寿もそういった言葉を言ってました。何よりも、“世界に通じる”イベントだけでなく、試合を見て欲しい。サポートして欲しい、のが選手達の気持ちでしょう。

実際、なでしこジャパンメンバーの多くがおかれている境遇について厳しい状況にある事を、マスメディアも取り上げてますよね。不遇な彼女たちが頑張って結果を出した、という文脈として取り上げるより、スポーツを続けたいアスリートが続けられるような環境を作れる可能性がスポーツジャーナリズムにはあるはずです。
過剰な“強いニッポン”“オレ達のニッポン”というスタンスは、その障害になってしまう。
なぜなら、その文脈で取り上げる限り、「なでしこジャパン」は、可換性のある記号にしかならないからです。
それこそ、石川遼でも宮里藍でもイチローでも長友佑都でもそこに当て嵌められる形にしかなっていない。
彼女たちが活躍できなかったら、その部分は“活躍した”“誇らしい”日本人の名前が替わりに入るだけです。

だから、交換可能ではない、その競技の固有性を盛り込んで欲しいわけです。それが、スポーツの面白さを伝える、という事です。

何人か、ツール・ド・フランスの魅力について自分で書けばいいじゃないか、と書いた人たちがいましたが、同時期にやっている（にも関わらずシカトされている）ので取り上げただけで、別に他の競技でも構わないのです。むしろ、自分はサッカーは自分でプレーするのも見るのも好きなので、こうした扱いに我慢ならなくなったんですよ。Jリーグはそれでも地元に根付いています、少なくとも静岡では。

女性がスポーツに参加する環境は、かつてに比べればだいぶ改善しましたが、未だに誰でもが気軽に参加できる状況にはない。そうした状況を切り開こうとするなでしこジャパンメンバーの活躍を無駄にしないためには、打ち上げ花火みたいな盛り上がり方よりも継続的なサポートが必需だと思いますよ。
では。

ついでに、