脱原子力はチャンスだよ 回答編
5回に渡ってエントリーしてきました。しばらくお休みを頂きますが、一応、頂いた意見に回答しておきます。
回答無い方は御免なさい。無視しているわけじゃないんですよ。
ギンちゃんへ
単純に、原発を無くした上での「代替案」を信用した人間、もしくはそもそも「代替案」などどうでもいい人間が「積極的脱原発」になり、「代替案」を信用しない人間が「消極的原発賛成派」になってるというのが現状だと思います。
http://d.hatena.ne.jp/Dr-Seton/20110904/1315116898#c1315131228
違いますよ。原子力(原発)運用に伴う夥しい犠牲と差別構造を許容できるか否か、の問題です。私は許容しないから原子力には徹底して反対します。それを見逃す、過小評価しているのが「消極的原発賛成派」。代替案の問題は二次的なものにすぎません。
そもそも「〜〜しなくてはいけない」と命令される筋合いは消極的原発賛成派にはありません。
場末のブログに書いたくらいで、「命令」って、ナイーブすぎだよ、ギンちゃん。
しかも、積極的原発賛成派に比べれば反原発派になりやすいであろう消極的原発賛成派に対して、この扱いは、将来的に脱原発になるかもしれない層を敵にまわすしか無い記事でしょう。
いきなり見ず知らずの他人から頭ごなしに命令されて、その相手に好意を抱く人間は、実に希少です。もし、貴方が原発推進派から「反原発派は原発に賛成しなければならない」と言われて、相手に好意を抱くでしょうか?
悪いんだが「消極的原発賛成派」など最初から相手にしていない。正確に言えば、一連のエントリーは、妙な連中に絡まれて迷惑している「脱原発」を表明している人たちに、反撃手段を提供するのが目的。ゴミ連中がこちらにくれば、纏めて対応するつもりだし、「消極的原発賛成派」の言い訳のタネを潰すことを目指しているから、連中がどう感じるか、なんてことには一切興味がない。
臣民さん
http://d.hatena.ne.jp/Dr-Seton/20110904/1315116898#c1315178685
一つは噂や伝聞から危険と感じる「不安」から感情的に反対する。(これは論外)
勝手に相手の態度を感情的、と決めつけたり、感情的だから論外、とか、ダメな人ですねぇ。
ま、「消極的原発賛成派」の方が、噂や伝聞から脱原発はムリ、と感情的に反対していますが。
(共産党は問題外ですが)
共産党の原子力に対するスタンスを知らないんですか?本当に調べないで決めつけてるんだね。
菜々氏さん
http://d.hatena.ne.jp/Dr-Seton/20110904/1315116898#c1315207918
・危険性を指摘する報告があっても「そんなことがやたらに起こるはずがない」「自分が当事者になるとは思えない」と「不安を否定したい気持ち」から、リスクを過小評価する賛成派も多いと思いますが。事故のときは、恐怖からパニックになるより、「正常性バイアス」で逃げ遅れることのほうが深刻だそうです。
そうですね。「自分は冷静、合理的」と云ってる人間が冷静であるケースは少ないですから。正常性バイアスは結構問題だと思います。地元でも津波避難訓練で問題が指摘されています。
ZuoTengさん
http://d.hatena.ne.jp/Dr-Seton/20110904/1315116898#c1315278768
置塩先生は存じ上げませんでしたが、主流派の経済学者に経済成長と地球環境について両立した意見を出せる人がいないのが気になっています。経済成長は必需、みたいな。で、低成長や持続的経済に関する意見に冷笑的だったりしますね。でも、現在の人類全体の経済成長率を考えたら、50年と経たない間に(経済成長が物質的消費を伴うことが必至なら)地球環境の許容限度を明らかに超えてしまいます。
kussan01さん
http://d.hatena.ne.jp/Dr-Seton/20110904/1315116898#c1315700617
ま、いいじゃないですか。負け組で。戦争じゃあるまいし、困ることあります?
sakuragaoka99さん
http://b.hatena.ne.jp/sakuragaoka99/20110904#bookmark-57752878
原発再稼働問題については良いこと言ってる。経済苦境が弱者に厳しい。これは政策不在で片付けられるだろうか?ここでの政策は減少するパイの取り合いにすぎず、満足する解決はあり得るだろうか。
いちおう、後ろのエントリーで、回答を出したつもりです。日本ではこの20年以上需要不足に陥っていたわけですが、脱原発に伴う新市場は需要喚起策と為りうる、というのが私の意見。大掛かりな「エコポイント制」と考えてもいい。大した規模でなかったエコポイントでも、家電・自動車業界は業績回復しましたから。しかも、海外にも市場が広がってますしね。
空飛さん
http://d.hatena.ne.jp/Dr-Seton/20110905/1315226340#c1315258235
初めまして
全国自治体が持つゴミ焼却施設での火力発電は電源になりませんか?
良い意見ですね!実は、ゴミ焼却もエネルギー源として利用可能です。課題は満積してますが、有望な火力源だと思いますよ。こういうのもあります。
下水汚泥からメタンとリンを高効率回収,三菱電機が開発
http://techon.nikkeibp.co.jp/article/NEWS/20061205/124982/
嫌気性排水処理(メタン発酵)技術の研究動向
http://www.nies.go.jp/kanko/kankyogi/35/12-13.html
ガス発電データ|東京都環境局 廃棄物と資源循環
http://www.kankyo.metro.tokyo.jp/resource/landfill/central_breakwater/data_gas_power/index.html
私は、これをSOFC(固体酸化物型燃料電池)で分散型発電するのが、いいんじゃないか、と思ってます。
時々拝見さん
http://d.hatena.ne.jp/Dr-Seton/20110905/1315226340#c1315307355
自分もメガソーラーは、少なくとも後回しで良いと思います。金持ち有利な電気買取も。
tei_wa1421さん
http://b.hatena.ne.jp/tei_wa1421/20110906#bookmark-57904902
ドイツはメガソーラー推進してシステム価格を26万7000円まで下げてきてるんだけどなんでメガソーラーdisってるの?
これは、単純に私の好みの問題です。大企業より家庭や中小事業所主体がいいと考えているので。協同組合形式によるソーラー発電所というのを夢想しますが。
メガソーラーが有効だというのも判るのですけどね。ただ、メガソーラーは結構コストダウンに有効なために、効率改善のインセンティブが下がってしまう可能性が、研究屋としては気がかりかな、というのもあります。効率75%の太陽電池なんて実用化して欲しいじゃないですか。
m-matsuoka
http://b.hatena.ne.jp/m-matsuoka/20110906#bookmark-57904902
エントロピーの法則を理解していれば、エネルギー密度の高いものほど有望なエネルギー源になることがわかる。自然エネルギーはエネルギー密度が低すぎて使えない。
えー、“エントロピーの法則”って、熱力学第2法則の事?そこからは、「エネルギー密度の高いものほど有望なエネルギー源」なんて、アプリオリに引き出せないけど?むしろ、地球環境を(熱エネルギー的に)閉鎖系ではなく、開放系たらしめている太陽エネルギーこそ持続的利用可能、というのが引き出せてしまうのだけれど。物理学んだこと無いの?
satromiさん
http://b.hatena.ne.jp/satromi/20110906#bookmark-57904902
自然エネルギーを未だにまともに使えると思ってるのはおめでたい。お手盛りと他のデータは否定する割に、NEDOのお手盛りはスルーとか、相変わらず読みたいデータだけ読む人だなぁ。
ここでは、菅さんの発言は思いつきではない、という話なので、別にお手盛りかどうかは関係が無いのだが、相変わらずエントリーも読まずにコメントしてしまう人だなぁ。
で、お手盛りだ、おめでたい、と思うなら、NEDOや産総研の研究の不備を検証してみれば?やれるなら。
http://b.hatena.ne.jp/satromi/20110912#bookmark-58541474
見込みの甘すぎる仮定が多すぎる。その新エネルギーの投資をする前に、キャッシュが無くなったら終わりだろうに。だからこそ、海外へ逃げる発言が出るんだけど、机上の空論は楽でいいよね。
見込みがどう甘いか指摘してみれば?で、キャッシュが無くなったら?バカじゃないの?日本では、需要不足が問題で、むしろ金余り状態にあるのは常識なのに。机上の反論は楽でいいよね。
意見は一致しているさん
http://d.hatena.ne.jp/Dr-Seton/20110910/1315639169#c1315642237
なんだ、どの層でも意見は一致しているじゃありませんか。
例外は「今すぐ原発を止めろ」と叫ぶブサヨと「原発推進しろ」と叫ぶネトウヨくらいで。そういうバカどもは放っておいて、現実的な脱原発の仕方を議論していきましょう。
違いますよ。私の過去エントリー、「原子力はやめよう」を読んで貰えば判ります。
最初に、ビジョンとして「脱原子力」を打ち出すこと。それが一番大事。
で、「即時停止」か「漸次廃止」かは、その後の政策レベルの問題。
「即時停止」なら、一時的に火力増強と節電で乗り切っても良いし、「漸次廃止」なら、原発の運用中の安全確保も討議対象になる。「代替案」は、そこで具体的に検討される話であって、「代替案を用意してから徐々に…」なんてのは、いつまで経っても終わりはしないのです。
コインさん
http://d.hatena.ne.jp/Dr-Seton/20110913/1315914333#c1315939705
愛国心を企業は持つことが出来ないし、外国人経営者には持つことはもっと不可能だと思います。今の米国もそうですが、過剰な行動は愛国心でないし、国を傷つける自己満に私はみえます。
私の意見はちょっと違います。企業だけでなく、個人にだって愛国心を強要することは出来ません。ですが、政府や企業経営陣は、個人には愛国心・愛社精神とやらを説きたがりますね。一方で、企業の行動の制約は嫌がる。雇用も守ろうともしないし、出すものは惜しみたがる。それは、企業とはそういうものだ、で済ましたりしないで、指摘していくべき、というのが私の考えです。
地下猫さん
http://b.hatena.ne.jp/tikani_nemuru_M/20110913#bookmark-58925230
儲かるというのは大事なことですね。自然エネルギー産業で適正に儲けてくれればいいと思いまつ。原発はそもそも「適正な儲け」というのが無理なんじゃねえかと。
産業として成り立つ、というのは重要で、それはドイツやアメリカ、中国で実証されているわけです。そうして考えるとドイツの自然エネルギーに関わった人たちは凄いと思いますね。保証も無い未知の領域で勝負したわけですから。日本の太陽電池メーカーや関わった研究者も立派だと思います。
suzu_hiro_8823さん
http://b.hatena.ne.jp/suzu_hiro_8823/20110914#bookmark-58925230
安くてそこそこいい物をドンドン作るというビジネスモデルを展開するんなら、そりゃ賃金安いところがいいということになる罠。それが可笑しいというのならその考え方そのものが可笑しいってことかね。
元祖、大量生産国家イギリス、アメリカ、がどういう変遷を経たか、を考えれば、自ずと明らかじゃないですかね。大量加工貿易国家、というスタイルを維持し続ける事は不可能、という事です。
また、必要に応じて回答していきます。