「正しく怖れよ」な人には水を引っかけちゃいな
私が気に入っているジョーク
レストランにて。
ある客(客)「ちょっと。ウェイター。スープに何か浮いているのだが。」
ウェイター(ウェ)「クルトンではないですか?」
客「黒いのだけどね。」
ウェ「ゴマじゃないですか」
客「何か突き出しているけど」
ウェ「カラス麦かもしれませんね」
客「動いているように見えるんだがね」
ウェ「…ハエだったら何だって云うんです」
客「スープを波立たせないように云ってくれないか」
ラーメン屋にて。
客「ちょっと待て。」
店員「?何ですか。」
客「アンタ、今ラーメンに指突っ込んで運んできたでしょ?」
店員「突っ込んでませんよ。絶対に。」
客「そう云いながら指を拭こうとするな。隠すなコラ。」
店員「…指を突っ込んだからどうだっていうんですか?」
客「とにかく、ラーメン取り替えてくださいよ。」
店員「いえ、ギリギリセーフだから大丈夫です。」
客「?何いってんの?」
店員「指を10ミリ浸しただけですから。我々店員は手を常時清潔にしてますし、人間の皮膚表面の常在菌はほとんど危険性がありません。短時間に人体に影響があるほどの数がラーメンスープに移ったりしませんし、そもそもラーメンの熱で殺菌されてしまいます。」*1
客「アンタ、ふざけてんの?」
店員「科学的に問題はありませんから。」
客「アンタね、この店は衛生に気をつかってます、って壁に書いてあって、で、指を突っ込んでいるのを認めなかったヤツが、科学的に問題は無い?客をバカにしてるのか?ちゃんとしたラーメンを持ってこい!」
店員「このラーメンに対する風評被害を防ぐために、そのような要求にはお答えできません。味にも健康にも問題が無いんです。」
客「あのな、このラーメンが菌に汚染されているか、それで食中毒になるかどうか、安全かどうか、確率が自動車事故に遭うよりも小さいかどうか、そんな事はどうだっていい。アンタはオレの頼んだラーメンに指を突っ込みやがった。だから、指を突っ込んでないラーメンを持ってこい、って云ってんの。わかった?」
別の客「ちょっと、店員さんのいうとおりですよ。指を突っ込んだ影響なんて、ほとんど無視できます。指被害よりラーメンがムダになる方が問題ですよ。」
客「横から出てきて何云ってんの?アンタ、エア店員か?」
別の客「正しく怖れよ。」
客「ふざけんな!」
別の客「何で、指の浸いたラーメンが食べられないんです?寿司は手で握りますし、インドのケララ州では食事自体を素手で取るんですよ?*2それに、あなただって床に落ちた食べ物を拾って食べる事があるでしょ。三秒ルール。全然問題無いじゃありませんか。」
客「いいか?オレが寿司を食べるかどうか、インドに行ってカレーを喰うか、それで食中毒の可能性があるか、拾い食いするかどうか、全然関係無い。オレは店員が指を突っ込んで持ってきたラーメンを喰わされるのはゴメンだ。そう云ってんの。指を突っ込むべきじゃないものに指を突っ込まれた、断じてそれを拒否する。ラーメンを拒絶しているわけでも、ムダにしたいわけでもない。
他人のラーメンに指を突っ込む事を正当化されるのがゴメンだ、という事。判ったらすっこんでてくれ。」
“正しく怖れよ”だの“「放射脳」”だの、放射性物質汚染被害を小さくみせたい人たちには、とりあえず水鉄砲で顔に水引っかけてやるのがいいんじゃないかな?水引っかけられても文句は言わないはずだよね?だって、
・そもそも健康に影響のあるような水の量ではないし
・物理的衝撃も健康に影響あるようなものではないし
・すぐに揮発してしまい、影響が残留しないし
・人体の主成分で無くてはならないものだし
・摂取しなくては生存維持できない物質だし
・それどころか、毎朝自分の顔に引っかけているし
・自らその中に好んで漬かったりするし
・空気中にも存在していて、呼吸と共に体内に取り込んでいるし
・それに、みんなDHMOネタ好きだろ?
放射性物質に曝露されて発ガン性の確率が僅かに上がる。それは装弾数のやたら多い拳銃を利用したロシアンルーレットみたいなものかもしれない。だが、どんなに確率の低いロシアンルーレットであろうとも、その拳銃を勝手に相手に向ける事は許されないし、向けられる方にはそれを拒否する権利がある。
科学的に見て健康に影響があるかどうか、を基準とするのは大元から間違っている。頼みもしないものをぶち播かれて、それを受け入れろ、と言い募る。そして、それを正当化する。
そうした事を批判し、拒否しているのだ。「放射能に対する怖れ」ではなく、「そのような事態を起こした者達やそのシステムに対する怒り」なのである。
その事を無視し続けているのは、判っていないからじゃないのでしょうね。次のエントリーは、そのへんの話、「正常性バイアス」に関する話を述べます。
参考:特集ワイド:かつて水俣を、今福島を追う アイリーン・美緒子・スミスさんに聞く
http://mainichi.jp/select/wadai/news/20120227dde012040007000c.html
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