シートン俗物記

非才無能の俗物オッサンが適当なことを書きます

「陸王」の開発を応援するよ

半沢直樹下町ロケットに続く池井戸潤原作ドラマの第三弾、「陸王」が始まりましたね。


日曜劇場「陸王
http://www.tbs.co.jp/rikuou_tbs/


TEAM NACSの音尾君が出る、というので見ました*1


音尾琢真
http://www.office-cue.com/profile_media/profile.php?t=6


ドラマは面白いし、泣き所も押さえているのですが、新製品開発の筋道がヘタ過ぎ。ドラマだから良いですが、実際の中小企業や起業しようという人は、あれではしんどい。参考にしない方が良いので、ちょっと「陸王」開発、にアドバイスする事に致します。


まず、支援してくれるところに行きましょう。現在だと、あちこちに起業や製品開発の支援してくれるところがありますが、技術、資金、宣伝広報、販路、を網羅してサポートしてくれるところを考えるなら、まずは都道府県・市町村の機関に行ってみるのが一番です。
例えば、ドラマを例に取れば、行田市にも、埼玉県にも支援部署があります。


行田市/企業支援
http://www.city.gyoda.lg.jp/shigoto/shien/index.html


埼玉県−産業
http://www.pref.saitama.lg.jp/shigoto/sangyo/index.html


この他、中小企業団体中央会(通称、中央会)にも支援メニューがあります。


埼玉県中小企業団体中央会
http://www.saikumi.or.jp/index.html


高度な技術が必要なら、産業技術総合研究所(通称、産総研)も窓口を設けてますし、コーディネータ派遣も行っています。


産総研:連携と技術相談
http://www.aist.go.jp/aist_j/collab/index.html


大学も現在、支援してくれます。このへんは、後述します。
こうした支援機関に相談するに当たって、または話した上で、自分達が開発したいもののビジョンとコンセプトとマーケットを明確化します。まず、どういうものを開発したいのか。そして、それの特徴は何なのか。どういう市場に売り込みたいのか。どの程度の販売規模にしたいのか。こうしたことは、人に説明する際に明確化していかないと伝わりません。支援を求めることは、自分の中でアイディアを具体化する一歩になるのです。
自分達のアイディアを伝えれば、支援担当者は、その実現には何が必要か見つける手伝いをしてくれます。さらに、開発に必要な資金の算段や、製品販売の宣伝広報についても協力してくれます。
ですから、まずはアイディアを持って、支援機関にGo! です。


次に、実際に開発が上手くいったとしましょう。新製品を売るにあたって、宣伝が必要です。その際に、どう売るか?で開発品の強みを“具体的”に見つけて示さなくてはなりません。
ここで大事なのが、“具体的”ということで、つまり、数値的な裏付けなどのアピールが必要だ、ということです。これは、金融機関への融資のお願いの際にも必要です。
ドラマでは、こはぜ屋の社長がコンペで思いの強さをアピールして聴衆を湧かしていましたが、実際にはあれではダメダメです。何の具体的な話も無かったからです。
例えば、ドラマで出てくるマラソン足袋なら、脚への負担が少ない、で済ますのではなく、着地時の踵への負担が○○Nから××Nへ△△%減少した、と述べるようにしましょう。そして、その裏付けを示すことです。
そして、もっと問題だったのが、なぜ、コンペでライバルのプレゼンを聞かなかったのでしょうか?許可を貰えない場合もありますが、その場合でも誰か潜り込んで聞くべきでした。ライバルの強みと弱みを捉え、彼我の状況を把握すること。それが大事です。


技術開発、選定、設計、試作、検証には、(支援機関に紹介してもらったりして)研究機関を利用するのが適当です。ドラマを例にとり、埼玉県内なら、埼玉大学にはオープンイノベーションセンターがありますし、行田市なら群馬大学も近いので、群馬大の企業連携を利用しても良い。この他、埼玉県なら埼玉県産業技術総合センターがあります。首都圏なら産総研でも協力してくれます。


埼玉大学 オープンイノベーションセンター
http://www.saitama-u.ac.jp/coic/


群馬大学 地域・企業のみなさまへ
http://www.gunma-u.ac.jp/general


埼玉県産業技術総合センター
http://www.saitec.pref.saitama.lg.jp/


さきほどの新製品による衝撃の変化なら、富士フイルムのプレスケール*2や圧力センサで衝撃の掛かり具合を測定することが出来ます。

実際に技術開発が進み、製品を製作しようとすれば資金が必要になります。
ドラマでは銀行が融資に冷淡でしたね。地方の中小企業にとっては、銀行よりも信用金庫や信用組合の方が親切で、丁寧に融資案件を進めてくれます。支援機関とも連携している場合が多いです。
埼玉県内には幾つも信用金庫も組合もありますから、銀行が冷淡なら、融資先を複数にするのも手です。


埼玉県の信用金庫一覧 (NAVITIME
https://www.navitime.co.jp/category/0501001007/11/


この他、公的資金や融資制度も活用しましょう。例えば、中小企業庁の「ものづくり・商業・サービス新展開支援補助金」など。このほか、新製品開発などでは金融機関でも条件の良い融資を行なってくれるケースもあります。こうしたものも、支援機関等で紹介してくれます。
割と有名どころでも、補助事業を使っているケースは結構あります。
例えば、山形のスパイバー(蜘蛛の糸合成)やユーグレナミドリムシ)など。


山形県合成クモ糸繊維関連産業集積会議開催状況
http://www.pref.yamagata.jp/ou/shokokanko/110002/kagaku-gijutsu/bio-cluster/spider_silk_cluster_kaigi_jyokyo.html


ユーグレナ経産省補助金を受けミドリムシ生産
https://www.nikkei.com/article/DGXNASFK0604A_W3A900C1000000/


ただし、補助金に振り回されないように注意が必要です。補助金を取る事が目的化した企業も結構あります。こういう補助金商売にならないようにしましょう。あくまでも、新規事業のリスクを減らすのが目的ですからね。
宣伝広報でも、支援機関は有利です。大概、支援機関は新聞社やテレビ局等にツテを持っていますから、製品製造して販売に踏み切る際に助けになります。日経とか、日刊工業とか、地方テレビ局とか、時々ニュースに入れてきますよね。アレです。
アレでも結構、バカに出来ない反応があります。知られてナンボの世界です。利用できるものは何でも使いましょう。
ネットの利用でも、こうしたメディア露出は大きく効果がありますよ。


あと、最近ちょこちょこメディアに取り上げられたりしますが、静岡県には「f-Biz」があります。起業やサービス・製品開発等に対して包括的なアドバイスとサポートをしてくれます。
全国で、f-Bizを参考にした○-Bizが立ち上がっておりますので、近くに○-Bizがあれば、相談されてみるのもいいでしょう。本家f-Bizには、県外からも相談者があるそうですから、静岡県外の方もご利用ください。


富士市産業支援センター
http://f-biz.jp/


他に、ネットでものづくり系の起業、新規事業を支援するサービスがあります。

we make
www.wemake.jp/lab


他にも、地域的にちょっと絞られていますけど、


TSUBASA TAMA試作ネットワーク
http://tsubasa7.com/tama/


など。
資金調達でベンチャーキャピタルクラウドファンディングを利用するのは、一般的になってきていますし、上手く中身が固まれば、それもありですね。
こんな感じで、頼れるところは結構あるよ、という話でした。
新しい価値を作り出そう、という皆さん頑張ってください。たとえ失敗したとしても恥ではありません。挑戦しない限り失敗すらできない。失敗は挑戦の証です。でも、成功の確率を上げるなら、もっと他人を頼ってみましょう。上記の支援機関の情報が役立てば幸いです。成功を祈ります。
では。

*1:実は、前回の「下町ロケット」もヤスケンが出るというので見ました。音尾君もヤスケンに続いてブレイクすると良いですが

*2:プレスケールは市販しているが、データの読み取り、解析には技術が必要なので、研究機関と協力した方が良い