トリチウムの「有機化」について
こんな発言を見ました。
そうかトリチウムの有機化って
炭化水素になるんか
すごいなあwwwww
エネルギー問題解決しそうな位の大発見だああwwwww
https://twitter.com/wolf64m/status/1045572720912609281
どうやら、この人、光合成を知らないようです。前に取り上げたことがありますが、ユーグレナ社では藻類栽培による炭化水素燃料合成に取り組んでおります。(そこまで行くかは判りませんが)確かに“エネルギー問題解決しそうな”話です。
日本初のバイオジェット燃料製造プラントを建設せよ。国産バイオ燃料計画のスタート
http://www.euglena.jp/projects/biojetpjstart/
まあ、所詮自称ですし、
自称技術屋、ニコニコ技術部常駐、あの楽器開発部、秋葉界隈に出没、バイクとアーチェリーも趣味
技術屋と言っても有機化学や生物学に詳しいとはいえないでしょうが、光合成くらいは知っといても良いと思いますし、知らなきゃ黙っとけば良かったのに。逆に人を小馬鹿にするという大惨事。
あと、つまらない逃げ方する奴もいますね。
「有機結合型トリチウム」を「トリチウムの有機化」と理解することの残念さ。「有機化合物に取り込まれたトリチウム」と言い換えるぐらいの科学知識を持ってほしい
http://b.hatena.ne.jp/sds-page/20180929#bookmark-371865111
元々、この話はトリチウムが生体内に取り込まれるか(“水”として体内を通り抜けてしまうのか)、という懸念を“トリチウムの有機化”という言葉で示したもの もちろん、これは“水俣病”問題で「排出された水銀は体に取り込まれることはないから無害」という加害企業や国、御用科学者の主張に対して、自然環境で水銀が“有機化”し生体内に取り込まれて“水俣病”の原因となることが立証されたエピソードを踏まえた言葉 なので、言葉の字面を見て“残念”という方が残念なのです。
佐藤氏を中傷する連中も、用語の使い方にクレーム付けているわけではなく、「トリチウムが生体内に取り込まれるなんてありえないだろwww」とバカにするつもりだったのですから、問題を用語の使い方に矮小化する卑劣さにはウンザリします。
“水俣病”のエピソードから学べることは、自然環境下での排出物質の挙動というものは、人間の単純な想像を超える可能性がある、というに留まらず、権力側が被害を誤魔化し、過小評価し、責任を逃れようとする、ということです。科学を学ぶ者にとって極めて重要なことです。
では。
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