シートン俗物記

非才無能の俗物オッサンが適当なことを書きます

木の葉を隠すなら森に隠す、森が無ければ?森をつくればよい

#検察庁法改正案に抗議します
というツイートが大きなトレンドになっていることがメディアでも取り上げられました。

常日頃“政治的な発言はしない”芸能人*1らも連なる事で共感、中傷が入り乱れているわけですが、この問題を矮小化したい連中がいつものように湧いて出ております。
いわく、「国家公務員定年延長に伴う措置であって、取り立てて騒ぐようなことではない」
まあ、問題の発端が、特例措置によって黒川“アベポチ” 氏の定年延長を図ったこと、という部分をスッポリと抜かした論なので、相手にするには値しないものです。
この、自分達に都合のいい番犬を温存するための取り計らいを取り繕う(そう、安倍政権の行動に一貫しているのは常に取り繕う態度ですが)ために、国家公務員定年延長に検察官定年延長をくっつけてきた経緯は、朝日新聞の記事に時系列的に整理されているので、そこから詳しく見るのが判りやすいでしょう。

黒川氏定年延長、不透明な経緯 検察庁法改正案の問題点
https://www.asahi.com/articles/ASN5C7GG8N5CUTFK01R.html

一例を挙げれば、森法務相の「福島では東日本大震災で検事がまっさきに逃げ出した」発言は、なぜ急に、それも決定経緯も無い口頭決裁で、従来否定されてきた検察官の定年延長という重大事を決めたのか、という質問に対する中で出てきたものです。
この問題は、すべからくデタラメばかりなのです。

「震災で検察官が逃げた」森法相が発言撤回 国会紛糾
https://www.asahi.com/articles/ASN3C5DK5N3CUTFK01B.html

さて、この取り繕いで想像したのが、古典ミステリーの傑作、ブラウン神父シリーズで出てきたエピソードです。今回のエントリーのタイトルでもあります。
単独だと目立って指摘されてしまう事柄を隠すにはどうしたらいいか。それがあっても目立たないところに紛れ込ませれば良い。でも、その紛れ込ませられるところがなければどうするか?その状況を作り出してしまえば良いのだ。
ミステリーの中身を説明するほどヤボではありませんから、「STAY HOME」中にでも読んでみてください。

 

実際に行われた事件もあります。「竹槍事件」です。
詳細は幾らも資料があるので、そちらを読んで貰えばいいのですが、簡単に説明するなら、
第二次世界大戦中、東条英機が自分を批判した(とみなした)新聞記者に激怒して徴兵、死地へ送り込もうとした。しかも、記者と同年齢(37歳!)の人々を適当に選出して徴兵し、それが懲罰的と見なされるのを避けようとした、というヒドイ話です。
徴兵された記者は海軍の庇護により命を長らえましたが、とばっちりを喰らった老兵たちは硫黄島で全滅しています。
蒲生邸事件 (文春文庫)

蒲生邸事件 (文春文庫)

 
これも、クソウヨ達の言葉を借りれば、「戦局変化によって徴兵年齢が上がっただけ、たまたま記者も含まれていたのだ」みたいになるでしょうか。
安倍政権は飼い犬の取り繕いに留まらず、検察人事に積極的に関与して政権の腐敗をアンタッチャブルなものにしたいようです。行動するなら今です。では。

*1:それはそれで問題だとは思うのですが。本来、民主主義国家においては、誰もが政治的問題に関わるのがあるべき姿なので