シートン俗物記

非才無能の俗物オッサンが適当なことを書きます

南京虫に喰いつかれる

とりあえず、概説書を読め。


南京否定論のプロパガンダが成功するわけと北風と太陽(smectic_gの日記)
http://d.hatena.ne.jp/smectic_g/20080105/1199544131

1. 忘れる.ないしは,責任については無視する
2. 悪いことなどしていないと主張する
3. 悪いことをした人間は身内ではないと定義し直す
4. 悪いことをした人間を,正当な方法で償わせる
5. 悪いことをしたことは認めるが,やむにやまれぬ理由があってしたのだと信じる
6. 悪いことをしたと認めて,連帯して責任を取る
(略)

ドイツの戦後処理は基本的には(3),あとは(4)に基づいてるように見える.ホロコーストを否定する言論を法律で禁止したり,鉤十字を禁止しすぎて一歩間違うと卍まで規制されかねなかったり.日本人から見るとおまえら結局ナチスを選挙で選んだんだからナチスを悪役扱いして処理するのどうよとか思うけど,その議論を許容してしまうと(3)の方法が使えなくなるから困る

いきなり間違いかよ。ドイツの戦後処理は、「身内でないと定義し直す」とか「正当な方法で償わせる」という形じゃない。

序章は、1985年のヴァイツゼッガー大統領演説の印象的なことば「罪の有無、老若いずれを問わず、われわれ全員が過去を引き受けねばなりません。…過去に目を閉ざすものは結局のところ現在にも盲目となります。」(『荒れ野の四十年』岩波ブックレット)という言葉から、日独の「過去の克服」の取り組みの大きな違いが解説されています。
戦後責任ドットコム より引用)

http://sengosekinin.peacefully.jp/book/book/sensousekinin_sengosekinin.html


もちろん、ドイツでも、過去の事実に目を瞑ろう、とか、ナチスを他者として“彼らがやったこと”と認めない風潮は存在した。だが、現在に至るなかで、ドイツ人自身が自ら贖う罪としてナチスの行為を受け止めてきたわけだ。その結果がヴァイツゼッガーの演説。
これを念頭に考えれば、そもそも用意した選択肢自体がおかしい。


・悪いことをしたと認め、再発を防ぐ覚悟を示す


これが、たぶん“被害国(民)”に受け入れられる選択肢だろう。
で、一応、日本は外向きにはサンフランシスコ条約および日中友好条約において、この選択肢を選んだ、と宣言してきた。それを「南京事件否定派」はご破算にしようとしているわけだ。そりゃ、関係国(民)だって怪しむに足るだろうよ。「否定派」の中には、現役の与党代議士まで含まれているのだから。
つまり、ドイツの例で云えば、ドイツ連邦議会の議員、SPDでもCDUでもいい、が「ホロコーストなどなかった」と公言し、仲間を集めて喧伝に努めるようなものだ。どんなに異様な事かわかる?