シートン俗物記

非才無能の俗物オッサンが適当なことを書きます

岸田には使用済みの検尿カップでビールでも飲んでもらおうか

福島第一原発の汚染水が垂れ流されることとなりました。

 

福島第一原発の処理水、海洋放出始まる  - BBCニュース

 

政府はしきりに「科学的根拠に基づき」という詐術を用いています。

しかし、重要なのは科学的根拠などではありません。たとえ、その「科学的根拠」とやらが正しいとしても、問題を起こした側が強行することは許されないのです。

例を挙げましょう。

例えば、あなたに対して誰かがほかに容器がないから、といって使用済み検尿カップにビール注いで「さ、飲んでください」と言ったとしましょう。あなたはそれを飲みますか?

尿は「科学的には」無害です。出したては無菌状態だし、有害物質も含まれていません。もし、有害物が入っているとしたら、注がれたビールを気にするより、尿を出した人の健康を気にするべきです。遭難時に尿を飲んで助かる人は数多く存在しますし、何なら好んで飲む人々もいます。(飲尿療法で検索してみるといいでしょう)

ですが、「科学的根拠に基づけば」無害であっても、私は使用済み検尿カップでビールを飲まされるのはゴメンです。

この問題の本質とは、科学的根拠、にあるわけではない、というのはそういうことです。人の同意なしに、勝手に物事を進めることの是非が問われているのです。

大体、政府が責任を持つ、といいますが、原発事故の責任は政府も東電も取っていません。

 

【解説】原発事故で国の責任認めず 最高裁の判断は

https://www3.nhk.or.jp/news/html/20220617/k10013676431000.html

 

ほぼ同じ証拠と争点なのに…旧東電経営陣の責任を問う訴訟の判決が民事と刑事で正反対になった背景
https://www.tokyo-np.co.jp/article/226007

 

むしろ、政府と東電、そして原子力ムラのいずれも責任回避に全力を注いできました。

私に責任がある、と言った原子力関係者は一人もいないのです。

だいたい、どう責任を取るのでしょう?原子力事故の被害は甚大で広範囲かつ長期に及ぶことはすでに知られています。なにをどうしたら責任を取ることができるのでしょう?また、「責任を痛感する」だけではないか、と疑ってしまいますね。言葉を信用などできるわけがない

 

もっとダメ押ししてしまえば、「科学的根拠」事態が疑わしいのです。

政府も東電も「処理水」、放射性物質汚染された地下水をALPSでトリチウムしか含まれないレベルまで浄化した水、だといいます。それが本当だとすれば、「処理水」とは「純水」レベルということになります。

私は仕事で純水をよく利用します。純水製造装置には「脱イオン水」と「蒸留水」の二種が取り出せるようになっていますが、自分は「蒸留水」の取り出ししか使いません。

「脱イオン水」では、浄化が充分では無いからです。「脱イオン水」は逆浸透膜とイオン交換樹脂フィルターで不純物を取り除いたものですが、それでは実験に使うことができないのです。

ALPSはつまり逆浸透膜とイオン交換樹脂フィルターの組み合わせです。となると、その処理量からいっても「トリチウムだけ」には到底出来ないでしょう。というか、出来ていないことは、明らかになっています。

もっと言ってしまえば、放射性物質を希釈して廃棄するのは「やってはいけないこと」です。なぜなら、放射線被曝による健康被害は確率的に生じ、閾値がありません。つまり、薄めれば被曝領域を増やすので、一定数の健康被害を生じさせる可能性がある。(希釈度と発生確率が1:1の比例関係ではないので、影響が小さくなる)なので、放射性廃棄物の原則は、集めて閉じ込め、です。薄めるからいい、というのは放射性物質の管理からいえばダメなのです。かつて、原発推進派が被曝の影響をLT(閾値あり)モデルにこだわり続けていたのは、薄めれば大丈夫、というためでした。

 

そもそも、政府も東電も何度でもデタラメを繰り返し続けています。信頼に値するような存在ではない。それが、強行すれば批判を受けるのは当然でしょう。

官房長官が「関東大震災時の朝鮮人虐殺は政府内の記録に見当たらない」などと言ってしまう政府が「安全です」などということを信じることは不可能でしょう。

 

関東大震災の朝鮮人虐殺 松野官房長官「政府内の記録見当たらず」 | 毎日新聞 (mainichi.jp)

 

では。