軍は誰がために存在する?
最新鋭イージス艦、水上事故へは「人的な警戒」頼み
衝突は避けられなかったのか。最新鋭のイージス艦とはいえ、高性能レーダーはもともと水上の事故回避には機能せず、人的な警戒に頼るのはほかの艦艇と同じだった。多数の犠牲者を出した潜水艦「なだしお」の事故から20年。またも教訓は生かされなかった。トップへの報告にも時間を要したことで、政府・防衛省の危機管理のあり方も問われている。
(asahi.com より引用)
http://www.asahi.com/national/update/0220/TKY200802200005.html
昔、某航海実習に混ぜて貰ったことがある。操舵室で舵を取らせて貰ったり、レーダー監視もした。当然、漁船レベルだって確認できるし、もちろん前方の監視は常に怠らない。当たり前だ。港を出て太平洋上の航路に出るまで至る処にあらゆる種類の船がウヨウヨしている。監視を怠る事は自分たちの危機でもある。
「あたご」はどうみたって、さぼってたか「避けるだろ」とたかをくくっていたかのどっちかだろうよ。見えない、ということはありえない。
それにしても、某米兵といい、「あなご」といい、同盟国民や自国民を傷つけたり衝突してみたり、職務に忠実ぢゃ無い連中だな。
ま、旧軍の伝統からいけば妥当なのかもしれないが。
(略)
昭和二〇年の初夏、私は、満州から移駐してきて、関東平野を護るべく(?)栃木県佐野にいた。当時、数少ない戦車隊として、大本営が虎の子のように大事にしていた戦車第一連隊に所属していた。ある日、大本営の少佐参謀がきた。おそらく常人として生れついているのであろうが、陸軍の正規将校なるがゆえに、二十世紀文明のなかで、異常人に属していた。
連隊のある将校が、このひとに質問した。
「われわれの連隊は、敵が上陸すると同時に南下して敵を水際で撃滅する任務をもっているが、しかし、敵上陸とともに、東京都の避難民が荷車に家財を積んで北上してくるであろうから、当然、街道の交通混雑が予想される。こういう場合、わが八十輌の中戦車は、戦場到着までに立ち往生してしまう。どうすればよいか」
高級な戦術論ではなく、ごく常識的な質問である。だから大本営少佐参謀も、ごくあたりまえな表情で答えた。
「轢き殺してゆく」
(「歴史の中の日本」 司馬遼太郎 中公文庫 より引用)
(via: http://d.hatena.ne.jp/lovelovedog/20061025/hiki )
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