シートン俗物記

非才無能の俗物オッサンが適当なことを書きます

劣化ウラン雑記

せっかくの画期的判決に水さす話。

玄海原発プルサーマル計画:「安全性確保」と判断、知事が会見で表明 /佐賀
http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20060327-00000147-mailo-l41
 
こりもせずにプルサーマルですか。その後をどうするつもりなのやら。
プルトニウムを核反応させて消費する、と云っても、ウランに混ぜて反応させれば、またプルトニウムが生じるのだが。
再処理の方もいろいろあるようで。
 
悩みながらつくった映画「六ヶ所村ラプソディー
http://www.janjan.jp/media/0603/0603140806/1.php?page=8&action=table#bbs
 
そんな中に面白いものが。
 

[16562] 論争はともかく、見てみたい気もする。 東堂一

(前略)「イラク小児癌は、“アメリカのDUのせいだ”という反米プロパガンダを信じてしまっている割には(失礼!^^;)、至極まっとうな感覚をお持ちのようです。(純粋ゆえに騙されやすいのかも・・)

 2003年のグリンピースの調査で、イラク原子力研究センターがあったトゥエイサ周辺で、高濃度の放射能汚染が報告されています。

 戦闘の激化で無人となった同施設の倉庫から、住民がドラム缶を略奪。内容物を投棄してドラム缶を水がめなどに使っていたことも報告には書かれています。

 その投棄された“内容物”とは、イエロー・ケーキ(濃縮ウラン)のことです。劣化ウランのように、重金属毒性が人体に与える影響(肝臓・腎臓あたりがヤラれるらしいですな)は確定されていても、放射能障害(遺伝子損壊とか細胞の異常化とか・・)がどれ程かは確定されていないようなヤワな代物ではありません。確実に“ヒバク”します。

 しかし、DUに関する“風評”は昨年あたりに散々目にしましたが、ネットを見る限りは、もう騙される人も少なくなってきたようでしたので、ヘンな書き込みが無かったら、小生も“目くじら”を立てることもなかったのですがネ・・・(笑) 」(後略)(青強調はDr-Seton)

 
ほー、そうですか。確実に被爆するんですか。

イエローケーキが濃縮ウランという間違った部分は良いとしても、劣化ウラン(DU)は「ヤワな代物」で精製ウラン(イエローケーキ)は危険ですか。そりゃ、ビックリ。
 
イエローケーキと劣化ウランの違いはU235の濃度でしかない。
精製ウランにはU235は0.7%しか含まれていないし、劣化ウランU235が含まれない訳でもない。
 
更に、理科年表 第78冊(国立天文台 丸善株式会社)には、U235もU238もどちらもα崩壊を行うウラン系列として載っているんですけどね。半減期の面からも、崩壊後の生成物から云っても違いは無い。
 
理科年表 462P (物理篇 116P)〜465P 参考
 
理科年表 平成18年 机上版
 
違いは、中性子によって核分裂するか吸収して(最終的に)Pu239になるかだ。
イエローケーキで確実に被爆、するなら劣化ウラン被爆しない方が不思議だ。
 
東堂氏の言葉なら、劣化ウランも危険、ってことになるのだが。
加えて云えば、U238は化学(重金属)毒性と放射性毒性は区別できるのか?どうやって?
 
もともと、U238は放射性物質なのだから、取り扱いは「確実に安全」であることが保証されるまで認められるべきではない。(というか、戦争で弾バラまくこと自体どうか、とも云えるが。)
米軍にこそ安全性の立証責任があるのであって、その逆じゃない。