シートン俗物記

非才無能の俗物オッサンが適当なことを書きます

歌う部隊

覚え書き。

ちょっと前の朝日新聞の別刷り「be」に興味深い特集が載っていた。「うたの旅人」という連載の中で「埴生の宿」が取り上げられ、原曲である「ホーム・スイート・ホーム」のエピソードと併せて、ビルマ戦線において日本軍とイギリス軍が「埴生の宿(ホーム・スイート・ホーム)」を歌った、という「ビルマの竪琴」について書かれていたのだ。


ビルマの竪琴の有名なシーンは、実際のエピソードが元になっており、インパール作戦にも参加した「烈兵団」の「58連隊 吉本隊」通称「歌う部隊」に纏わる話なのだという。


一ノ瀬俊也の「皇軍兵士の日常生活」で、一般将兵の親分・子分関係等を旧日本軍が引きずっていたという指摘を考えると、この「歌う部隊」も、連隊長の親分的な寛大さに拠るところが大きいのだろうな、と思うのと共に、悲惨なインパール作戦に参加した隊が、歌うことを励みとしていた、という奇妙なアンバランスさが面白かった。

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皇軍兵士の日常生活 (講談社現代新書)

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