シートン俗物記

非才無能の俗物オッサンが適当なことを書きます

WiLLおじさんと呑んだくれ

先日、駅のホームで近くにいたオッサンが膨らんだカバンの中をガサガサと引っ掻き廻し始めた。ふと見ると、大量のお菓子が入っている。それも、田舎のばーちゃんとこで、お盆や年末年始に菓子盆に入れられているようなヤツ。思わず見ていると、そのかさばるお菓子の中から一冊の見覚えある装丁の雑誌を取りだした。
何と、WiLLじゃないの。
オッサン、おもむろに手にしたWiLLを読み始める。列車が来て乗り込んでも立った状態でも読み続けている。なるほど、噂に聞いた中高年の極右化、というヤツか。まあ、元々素地はあったのだろうと思う。昨今の環境により“発芽”したのだろう、と慨嘆する。
それにしても、WiLLを衆人環視の中で読む、なんて真似が出来るのは、すでにああしたものが社会に受け入れられているからなのだろう。オレにとっては、極右本を読む、なんてのはエロ雑誌を手にするより恥ずかしいことだが。どういう羞恥プレーなのだ。

同じ日の夜、某大学教員や某研究所の方々と呑んだのだが、話題となったのが、奨学金と外国人留学生の扱いだった。皆の意見はほぼ一致しており、つまり、現在の奨学金奨学金では無く、学生ローンに他ならず、学生が気の毒だ、というもの。
自分も、奨学金を得て、ついでに授業料免除も受けていたから、随分と社会に借りがある。職業が職業だから奨学金は返済免除された。だから、せめて奨学金と授業料分くらいは、育ててくれた社会に恩返ししたい、と考えている。一応、金額でいえば、返せたのではないか、と思ってはいるが。
そして、是非、奨学金は返済不要とすべきだよな、とも思う。それが、若い人を育てる源泉ではないか、と。
さらに、外国人留学生(技能実習生も含む)の扱いも酷いのではないだろうか。せっかく日本で学ぼう、と考えた人々を惨く扱えば、その体験は本国に伝わる。むしろ、日本で学んだ体験が素晴らしいものであれば、つまらない「クールジャパン」のような宣伝をしなくても、日本の評判を上げてくれるだろうに。そして、日本企業が当該国に進出する際の貴重な戦力となってくれるのに。
現在のやり方では、人件費削減のために、日本の就学環境の悪さと、外国人に対する差別的取り扱いを諸外国に大声で触れまわるようなものだ、と。
このような話に皆共感していた。そして、ふとWiLLおっさんを思い出し、すでに日本は分断されているのだ、と実感した。お代りのビールは苦かった。


信者を集めて年収1千万? カルト化するネトウヨ商売の闇
http://bunshun.jp/articles/-/8115

7/15 コメントを下さった hiro.y さんの御指摘によりリンクした記事のURLを修正しました。
hiro.yさん。御指摘感謝いたします。