シートン俗物記

非才無能の俗物オッサンが適当なことを書きます

“カッコいい反権力”

この間朝日新聞で「共謀罪」に関するオピニオンとして、宮嶋茂樹氏のインタビューが載せられていました。
まあ、ミヤジマに話を訊いてどうするよ?“左右どちらにも偏らないバランスの取れた紙面づくり”、とやらのつもりか?とは思いますけど、そこに興味深い一文が載せられていました。


反権力はかっこいいが 不肖・宮嶋、「共謀罪」を語る

(前略)反権力を叫ぶと確かにかっこいい。(後略)

http://www.asahi.com/articles/ASK5C7TZGK5CULZU017.html


反権力をカッコいいと思っている?なかなか面白い考えです。権力を監視するのは、民主主義の基本です。権力と云うのは必ず腐敗します。それを正すことが出来るのが民主主義の強みであり、不断のチェックが必要なのです。カッコいいからやるわけではありません。手間も掛かりますし。
この認識のスレは、おそらくは宮嶋氏自身が(自身も気づいていないかもしれないが)「反権力」に憧れていることの反映だろうと思います。
確かに、宮嶋氏は“恰好悪い”、“みっともない”としか云い様の無い人物でして、リアリストを気取ってはいますが、それに見合う実績は無い人物です。まあ、それは別に仕方ありません。人間は弱いものですから、権力に阿った方が楽だ、というのも確かです。彼や彼の同類が、反権力の立場に立つ人々を攻撃したがるのは、自身の弱さを内心認めており、その後ろめたさを糊塗するためだろう、と思っています。


しかし、そうして権力に阿るのは報われるんでしょうか?必死で安倍政権を庇いたがる人々、例えば森友問題、加計学園、閣僚発言の顛末に関して、無理無理な庇い立てをする人々は、自身を現実的と捉えているのでしょうか?寄らば大樹の影、とばかりに政権側(≒大樹)のそばにいるつもりなのか。


ですが、安倍政権の面々は、「愛国者」たる籠池氏をどう扱ったでしょうか。


森友学園は(安倍氏のバックボーンである)日本会議の推奨するような極右教育を進めたり、安倍昭恵氏を名誉学長に推挙したり、小学校新設にあたって安倍氏の名を冠しようとしたり、涙ぐましいほどのへつらいを見せてきました。
実際、そのへつらいが効いたのか、学園へは忖度が為され、他の学校法人(加計学園除く)では考えられないほどの厚遇ぶりでした。
ですが、疑惑が浮上すると、関わりのあった政権幹部や極右人脈の態度は一変します。籠池氏の切り捨ては、ビックリするほどでした。切り捨てられた側はたまったものではないでしょうが、“愛国者”はいつもそんなものです。自分を国に擬えるがゆえの「愛国」なのでして、ゆえに自分が一番可愛く、他人の信頼を平気で裏切ります。ほぼ例外はない。
ですから、いくら安倍政権を庇い立てしても報われることはありません。常に、求められるだけ。対価が支払われることはないのです。


阿るのもほどほどにしましょう。
では。