シートン俗物記

非才無能の俗物オッサンが適当なことを書きます

追記です

・ワーキング・プアは、労働現場だけじゃない
http://d.hatena.ne.jp/Dr-Seton/20071218/1197967226

の追記です。様々なご意見ありがとうございます。これほど読んで貰えるとは。


さて、

前から気になってたんだが、里山は完全な自然林より本当に「自然が豊か」なのか?ブラジル原生林も適度に開発したほうが良いの?それとも温帯地方と熱帯地方は別の話なの?

自然が豊か、なわけではありません。豊かなのは「生態系の多様性」。つまり、棲む生き物の種類と生息数。
これは、極相林、日本の北部だとブナ林、南は照葉樹、になった場合、その樹と競争する種類がなかなか出てこれないからです。例えば、山火事であるとか、積雪、山崩れ、などで空いたスペースには再び他の草木が進出します。これが、自然における攪乱。
ですから、適当な大木の伐採は、苔、草木などから低木、高木、極相状態に至るまでの植生遷移状況を一度に造り出すことが出来るわけで、このへんが多様性を生み出す故なのです。


他を圧する支配的な樹を適当に間引いてやった方が、その場の生態系全体にとっては好影響、って何かのアナロジーっぽいですね。何かとはいいませんけど。


もう一つ。温帯ではこの植生遷移が一時に出現可能ですが、熱帯地方では若干異なります。熱帯は大量のスコールがあり、土壌流出が起きやすく薄い表土しかありません。一旦流されてしまえば、回復には夥しい時間が掛かります。先住民が行う程度の伐採では表土流出を招くまでには至りませんが、温帯地方と同じ感覚で伐採を行えば、表土流出は避けられません。また、熱帯では貧しい土壌に依るためか、多様性に富んでいます。複雑さこそが生態系を支えるのです。
ですから、開発は基本的に望ましくありません。現在のアマゾンにおける大豆作付け増加は最悪です。

とりあえず、地産地消の説明あたりは元記事より説得力を感じた。フェアトレード自体についてはもう少し別の経路の情報もほしい。

はい。以下の記事および過去記事、リンク先が参考になるかも。


・1杯のコーヒーからできること(世にもマヌケなスローフードへの旅(ECO JAPAN))

(略)
しかし、それはカルロスによれば、植民地時代に生まれた巨大なプランテーションだと言う。本来、コーヒーの木は、森の日陰に自生している。むしろ日陰を好む植物なのだ。

「伝統的な日陰栽培をすれば、こうして鳥もやってくる。20年の歴史が実証してくれたが、害虫がこないし、土壌の湿度も安定している。虫や鳥といった生物の多様性も守られるんだ。実のつけ方は、コーヒーしか植わっていないプランテーションに比べると、3割ほどだが、その代わり木は40年でも生きる」

カルロスは続けた。

「コーヒーは豆科だからチッソを固定する。だから、普通のプランテーションでは、15年もすれば、土がすっかりダメになる。農薬や化学肥料の負担もあるからね。だが、ここの土は、確実に年々、よくなってきている。実も5回くらいにわけて、赤くなったものだけを手で摘むんだ」

http://www.nikkeibp.co.jp/style/eco/column/shimamura/071218_coffee/index.html


ちと引っ掛かる部分もありますけどね。

極相より「豊かになる」と環境破壊じゃないっていう電波、ここにあり。

自然破壊と環境破壊の区別が付いてないんですかね。手つかずの自然は自然で保護するべき部分もありますが、人間と密接に関わる環境も存在するんですよ。で、人間にとってより望ましい環境とは何か?が、大事なわけ。で、その解の一つが「生態系の多様性の確保」。決して絵空事でも綺麗事でも無いのよ。