シートン俗物記

非才無能の俗物オッサンが適当なことを書きます

選挙雑感 その2

さて、自民党はほっといても自滅しそうな感じですが、無類の選挙上手ぶりを見せつけた小沢民主党新幹事長の次の一手を予想してみましょうか。小沢氏は自民党を完膚無きまでに叩きつぶす事を目標に掲げるでしょう。その上で、政界再編なりが視野に入ってくる。未だに「政界再編」を口にする人をちらほら見掛けますけど、絶対にあり得ないですね。イニシアチブを取り替えされる可能性を考慮すれば、復活の芽が無いほどに叩きつぶしてからでなければ再編に踏み切る事はないでしょう。


ここで考え得るのが、「選挙制度改革」ですね。選挙間近にもありました。「一票の格差」の問題です。自民党は長らく、地方への利益誘導を効果的に使うことで政権を維持してきましたから、選挙制度、とりわけ地方票を減らす可能性の高い「格差是正」には消極的でした。
下のサイトをごらんください。


一票の格差を考える会*1
http://www.ne.jp/asahi/ippyou/kakusa/

2008年7月現在、人口最小区は高知3区、最多区は千葉4区で、格差は依然として2.277倍もあります。


2倍以上の票格差というのは凄いですね。「あなたの投票権利は半分以下しかありません」ということですから。
ちなみに、ご想像の通りです。
高知3区の当選候補は「山本有二自民党)」、千葉4区は「野田佳彦民主党)」です。
自民党がこれまで政権を維持してこれた要因の一つが、このゲリマンダリングであった事はほぼ確実です。
ですから、自民党を潰すのに有効な手だての一つが、選挙区見直しになるわけです。
特に参議院に関しては票格差は5倍弱にのぼりますから、「あなたの投票権利は5分の1しかありません」です。人間扱いされていません。
これほどの格差を選挙区割りで修正するのは極めて難しい。少なくとも有権者数が少ない方に合わせる事は不可能ですから、基本的に有権者数の少ない選挙区同士の合併、という形が取られるでしょう。その場合、次の処置が考えられます。


1.議員定数を選挙区削減に合わせて減らす
2.議員定数は維持し、選挙区削減分は比例分に配分する
3.1と2の折衷


いずれにおいても自民党は大打撃を被るでしょう。しかも、この提案が持ち出された場合、自民党には抵抗する名目が存在しません。「選挙制度の不公正を直す」、これは自民党もしぶしぶ認めつつも、徹底してネグってきた施策の一つです。民主党が進めた場合、反対しにくい状況に追い込まれます。まあ、田舎の人は反対するでしょうが、現在の国会勢力を考えれば、すんなり導入されるでしょう。


混乱を引き起こすことなく、そして正当性も充分にありながら自民党を潰滅に追い込める「選挙区見直し」。あの小沢一郎が、この程度の事に気づかないとも思えませんから、おそらくは、そのうちに手を打ってくるでしょう。たぶん、参院選前にです。面白いことになりそうです。

*1:ちなみに、ここの会は結構香ばしい面々の名前が見えています