シートン俗物記

非才無能の俗物オッサンが適当なことを書きます

慰安婦問題、自民有志が政府への再調査要求を提言

自民党の有志議員による「日本の前途と歴史教育を考える議員の会」(会長=中山成彬・元文部科学相)は8日午前、党本部で会合を開き、いわゆる従軍慰安婦問題に関する再調査を政府に求める提言をまとめた。
(読売新聞サイトより引用 3/8)

http://www.yomiuri.co.jp/politics/news/20070308ia03.htm


あまり、従軍「慰安婦」問題については文献を漁ったことは無いのだが、どうにも自民党民主党右派が問題をこじらせているのが気に掛かる。
そして、あちこちのサイトで盛り上がっている議論でもちょっと引っかかるのが、やたら「狭義の強制性」と「広義の強制性」を峻別しているところだ。

慰安婦問題]「核心をそらして議論するな」

 いわゆる従軍慰安婦問題の核心は、官憲による「強制連行」があったかどうかだ。
 米下院外交委員会で慰安婦問題に関する対日決議案が審議されている。日本の軍隊が若い女性を「強制的に性的奴隷化した」歴史的な責任を明確に認め、日本の首相は謝罪すべきだ、という内容だ。
 日本軍が組織的に「慰安婦狩り」をしたかのように決めつけている。だが、日本政府の調査でも、これを裏付ける文書はない。歴史家の間でもこうした事実はなかった、というのが「定説」だ。この決議案を提出した議員らは、これらを覆すだけの確かな資料があるのか。
 安倍首相は国会で、決議案は「客観的事実に基づいていない」と語った。麻生外相も、同様の見解を示して「甚だ遺憾だ」と述べた。曲解に満ちた決議案である以上、政府は事実を正確に説明して、採択を阻止しなければならない。
 首相は、慰安婦の募集について、「狭義の意味の強制性を裏付ける証言はない」と強調した。「官憲が家に押し入り、人さらいのごとく連れて行く、『慰安婦狩り』のような強制的なもの」、つまり、官憲による強制連行はなかったということを明確にした。
 その一方で首相は、民間業者による、本人の意に反した「広義の強制性」があったことを認めた。だが、こうしたケースと、軍による強制連行とは、まったく違うものだ。
 「強制性」を拡大解釈し、核心をそらして非をならす一部のマスコミや国会議員らは、今後も内外に誤った認識を広げるだけだ。(略)
(読売新聞3/7付け社説)

http://www.yomiuri.co.jp/editorial/news/20070306ig90.htm

もともと、慰安所の設置から慰安婦の移送まで旧軍が関わっている資料は存在する。軍が丸抱えしていたようなもので、「業者」と軍を分けて考える事は意味が薄い。
さらに、インドネシアでは収容所に入れられたオランダ女性を軍が強制的に「慰安婦」としたケースも存在している。つまり、日本国内(内地、朝鮮)では、騙す程度で引っ張ってこれたが、インドネシアでは軍自らが引っ張らないと確保出来なかった。「強制性」は、確保しやすさに応じていただけである。「狭義の強制性」と「広義の強制性」でクッキリ分けられる訳ではなく、その間に様々な程度の「強制性」が存在していただろう。


結局、自民党有志とやらも、民主党右派も「強制性」の程度に焦点を絞っているように主張しながら、「従軍慰安婦などいなかった」と主張したいだけに見える。
これは、「30万殺されていないから、南京大虐殺はなかった」という論法と同じ。典型的な歴史修正主義に見られることは覚悟しているんだろうか。