シートン俗物記

非才無能の俗物オッサンが適当なことを書きます

光市母子殺害事件雑感 回答篇

なんか、エラく反応があったのでまとめてエントリーで回答。


なまえーさん。コメントありがとうございます。

死刑に反対する事の理由も、弁護団の主張を許容する事との関連も書かれていない。

別に、死刑に反対、に理由も何も無いでしょう。強いて云うなら、「死刑が贖罪になるとは思えない」ですが。で、弁護団の主張が全て正しい、と云うつもりもありません。単に、主張を変えた、事を非難される筋合いはない、というだけです。

最後の段落は暴論。「犯罪を犯した者の罪から目を背けるとしたら、いざ自分の身にふりかかってきた時に、救いの手を期待するべきではない。」

個人レベルの犯罪にそもそも、救いの手、なんて期待できていないでしょう?現状でも。
私が述べているのは、(冤罪を連発するような)検察の主張を、(被告や弁護団が気に入らないからといって)検証もせずに丸飲みするような先例を作ってしまえば*1、実際に冤罪であるような事態に巻き込まれても、弁護するものはいないですよ、という事。


muさん。

そうか。あなたの文章を読んで、とても胸がむかつくものを感じたのは、あなたが根本的に「寛容」というものについて、何一つ理解していないからなんだということが分かりました。

次を読んでみてください。
http://ish.relove.org/mt/archives/000931.html

そうですか。紹介されたサイトを読む限りは、「寛容」について、あなたが理解していないように思えますがね。

もしも自分や、自分の家族を殺し得るものに対して、あなたが最後の段落で述べているようなことを言えるのならば、大変立派なんですけど、今の場合、あなたの発言は「寛容」ではなくて、ただの「無関心」なんですよね。

身内が殺されて、そんな主張が出来るかは判りませんがね。「殺し得るもの」に対しては、それを社会の成員として認める「覚悟」はありますよ。まだ、犯罪も犯さぬ者に対して予断を持つ気はありません。
これは、「外国人労働者」や「ホームレス」に関しても同じ事。
身内が殺されたわけでもないのに、その被害者遺族に便乗するかのような振る舞いはやめろ、というのは、そんなにむかつきますかね。

リベラルを気取って、当たり障りのないことを、さも高みにいるかのように述べているあなたと比べると、顔を真っ赤にして「当然死刑にすべきだ」と吐き散らしている、そこらへんの親父のほうがまだまともに見えます。よ。

当たり障りも無い事じゃないでしょうし、高みにいるわけでもありません。もし、そう思えるなら、貴方が引け目を感じているからじゃないですか。


レイトンさん

そんな御高説をはき散らかしていた弁護士が、自分の家族が殺された瞬間死刑推進側にまわった例があったな。

これは、岡村勲さんの事ですね。氏は、奥様が殺されてから、被害者遺族の気持ち、立場が判ったと仰ってますね。被害者遺族の救済を求めるようになったのもそれからですが。


全国犯罪被害者の会
http://www.navs.jp/introduction/introduction.html


で、犯罪被害者の会が述べている、犯罪被害者救済に関する他国の状況で登場するフランス、ドイツ、イギリスは死刑を廃止した国なんですよ。犯罪被害者救済と死刑廃止は両立するんです。

最後の段落は、ギャグで、笑かせようとしてるんだよね?

思うのは自由ですけど、本気ですよ。上述参照のこと。


はてブコメントにも回答。


furukatsuさん。

ただ、私はリアルでも彼らに「吊るせ」というのは間違っていると言い続ける。

その勇気分けて頂きたいですね。残念ですが、私にはそこまでの勇気がありませんので、誰かが読んで考えて貰えば、と思います。


Teshさん。

今回はいくら正しい手続きを取ったところで結果が変わりそうにないし、多くの人は手続きに興味がない。

そうですか。弁護側の主張がもし正しければ、傷害致死に当たるんではないですかね。その場合、死刑は無いと思いますが。法律は詳しくありませんけど。
で、民主主義の根幹はプロセスにあり、というのが私の持論なんで、手続きを無視するのはどうか、と考えます。というか、手続き(裁判)はどうでもいい、というのは、まさに「ヤツを吊せ!」と結果が決まっている、でいいんでしょうか。

皆関心事は他にあって、たまたま司法というブラックボックスを覗いてみるほど暇ではないというだけだと思う。

暇じゃないなら、弁護側に文句垂れる暇も無いんじゃないでしょうか。


microtestoさん。

うーん、微妙。折角システムの問題に言及できるだけの知識があるんだから、取調の可視化問題に繋げればもっと良くなったんじゃない?思想の問題は泥沼に嵌るだけだと思うよ。惜しい。

いや、知識などありませんよ。専門は固体物理学なんで。ただ、高校の公民教科書レベルと照らしても、この裁判の成り行きはおかしく見えたんです。それだけですよ。
取り調べの可視化は大事ですよね。キチンと導入されるといいんですけど。御指摘ありがとうございます。


kurokuragawaさん。

今の「世間の空気」だと「ニート精神障害者・弁護士」が被差別階級になりそうだ

まさに、そういうことなんですよ。キチンとした手続きを踏む事を放棄して、トリミングされた情報に釣られて感情のままにプロセスに介入してしまう先例を作れば、それはナチスユダヤ人狩りと変わらないんです。または、中国の文革ポルポトの政策もそういえるかもしれません。


既にこうした事が起きているじゃないですか。


16歳の次女が警察官の父を殺害容疑、京都
http://www.asahi.com/kansai/news/OSK200709180008.html


警官父を斧で殺害事件 「ひぐらしのなく頃に」との関連
http://www.j-cast.com/2007/09/19011464.html


School Days:京都の父殺害事件で最終回の放送見送る 女子高生の暴力シーンを考慮
http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20070919-00000001-maia-ent


自分はアニメに興味がありませんが、アニメやゲームを犯罪の原因として捉えるのは問題があるでしょう。でも、それはマスコミを通じて「一般人」にとってのコンセンサスになりかねないんです。キチンと手続きを踏んで、事の妥当性を判断する。その判断力を養う、のは重要だと思いますよ。


もし、「悪影響だから、残虐シーンのあるゲーム、アニメは禁止しよう!」って事になったら、みんなどう反応するんですかね。「あれはあれ、これはこれ」ですか。
結論ありき、の予断を認めてしまうのなら、どんなに残虐性とコンテンツの間に因果関係が実証されていないことを述べても相手にして貰えない可能性は充分にあるでしょう。というか、そうだったんじゃないですか。ゲーム脳の提唱者の方や、その賛同者には通じなかったでしょ?
プロセスを大事にするのは他人事じゃないんです。自分自身にいつ降りかかってくるか判らない理不尽さに対する保険なんですよ。


皆様、ご意見ありがとうございました。全てにコメントしたわけではありませんが、感謝しております。
これからもお気楽にご意見お寄せください。

*1:これは、当事件の被告が無罪と考えているわけではない