まさかとは思いましたが、酷い判決が出てしまいました。
干物店強盗殺人、元従業員に死刑判決 静岡
静岡県伊東市の干物店で2012年12月、女性社長と男性従業員の遺体が業務用大型冷凍庫から見つかった事件の裁判員裁判で、静岡地裁沼津支部(斎藤千恵裁判長)は24日、強盗殺人罪に問われた同店元従業員・肥田公明被告(64)=同市大原3丁目=を求刑通り死刑とする判決を言い渡した。肥田被告は一貫して無罪を主張していた。
http://www.asahi.com/articles/ASJCR5JLHJCRUTPB009.html
この事件、被告が当初から一貫して無罪主張していただけでなく、直接的証拠がありませんでした。状況証拠の積み重ねで“死刑”に持ち込んだわけですが、その状況証拠の一つが酷いものだったのです。
被告の着衣や車に付いた血痕のDNAの鑑定結果が証拠の一つとされたのですが、
血痕に「被害者DNA」 伊東強殺公判、検察側鑑定
鑑定に当たった検察側証人の県警科学捜査研究所の職員は「血痕に被害者のDNA型が含まれていると考えて矛盾しない」と証言した。
http://www.at-s.com/news/article/social/shizuoka/288522.html
ずいぶんと迂遠な言い方してますよね。つまり、“被害者と同じ型の一部を含んでいた”ということなのです。
一般的にはDNA鑑定は完全に一致してこそ証拠と言えると思いますが、“その一部”が含まれている、ということで証拠とみなすそうです。(しかも、判決もそれを追認していることになります)
一致している、とみなされるDNA鑑定ですら、次のような話があるのに。
https://twitter.com/sinwanohate/status/799402047153897472
テレメンタリー「DNA鑑定の闇(3)〜崩れる”証拠”の王の座〜」
「アメリカのDNA研究所が驚くべきリポートを発表した。“同じ『9カ所』のDNA型を持つ人間が複数人いた”というもの。実は、日本では『9カ所』を調べたDNA型が決め手で、実刑・服役中の事件がある。…
警察・検察と裁判所の癒着が問題となり、冤罪事件をこれほど起こして、取返しの付かない結果を引き起こしておきながら、裁判員もそれに加担する。「疑わしきは罰せず」という裁判の原則など簡単に踏みにじられています。
もう、真犯人か否かについてなどどうでもよくて、取り敢えず“死刑”にしておけばいい、と考えているのかもしれません。
まあ、世界に冠たる人権後進国“シャラップ”日本ですからね。
では。

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