教科書検定意見撤回を求める県民大会と愛知女性殺害死刑を求める署名
昨日、沖縄の教科書検定意見撤回を求める県民大会(県民大会と略す)についてエントリーした。
で、県民大会は検定意見の撤回を一足跳びに求めるべきではない、と述べたのだが、あまり反応は無かった。
この件に関しては、秀逸なエントリーが幾らも出ている。
沖縄戦教科書記述問題
確かに数の力で教科書の記述を戻すというのは正攻法ではなく、批判される余地はある。しかし、教科書検定そのものが既に邪道な訳で、それを糾す為に沖縄県民だけに正攻法を使えというのはアンフェアだ。今回は結論は一旦保留して、教科書検定をやり直すという形でリセットすべきであろう。
http://d.hatena.ne.jp/kechack/20071003/p1
まったく、この通りであるのだが、(故意にか)県民大会の働きかけによって検定意見を撤回させる、という構図だけが主としてマスコミによって広められている気がするのだ。「同意者を募れば、手続きを経ずして(つまり、超法規的措置と云える)、目的を叶える事が出来る」という状況が一人歩きしている。
昨日は、歴史修正主義者の活動に関して危惧していたのだが、別の形で現実化してしまった。
<愛知女性殺害>死刑求める署名10万人 名地裁へ提出へ
名古屋市千種区で今年8月、派遣社員、磯谷利恵さん(31)が携帯電話のサイトで互いを知り合った男3人に拉致され、殺害された事件で、強盗殺人などの疑いで逮捕された男3人への死刑を求める署名が10万人を超えたことが3日、分かった。遺族はさらに協力を呼び掛けた上、署名簿を名古屋地裁に提出する。
http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20071003-00000054-mai-soci
自分の刑罰に対するスタンスは以前述べたとおり。裁判は適正な手続きに則って進められるべきであって、その手続きを無視するような、または妨害するような行為は自分たちの首を絞めるようなもの。と考えている。そういう点から行けば、この署名活動は最悪だ。その行為に10万人も協力している事実には唖然とする他無い。
この協力者達が「愛知女性殺害犯の死刑を求める大会」を開催したらどうなるだろう?
愛知、11万人が訴え 殺害容疑者「死刑を」
愛知県で男ら三人が帰宅途中の女性を拉致殺害した事件で、容疑者らの死刑を求める賛同者による大会が△日、○○市の××で開かれた。参加者は主催者発表で11万人(関係者によると4万人)。某弁護士により扇動された弁護士懲戒請求数を大きく上回る規模の集会となった。参加者は控訴審棄却と即時死刑を求める決議を採択した。
(略)
法相も記者団に「(裁判に)政治的介入があってはいけない。しかし、国民の皆様の気持ちを考えると、両方ともものすごく重い。そのなかで何ができるか考えたい」と述べた。
どうです?
意見を表明する事はいい。それが、多数の賛同者を集められれば、それは素晴らしい事だ。
だが、それは一足跳びに手続きを無視するものであってはいけない。「適切な手続き」を求める事、これに留める必要があると、自分は考える。