シートン俗物記

非才無能の俗物オッサンが適当なことを書きます

そんなこと云っちゃっていいの?

菅義偉官房長官「韓国側に国際法違反状態の解決を強く求める」https://news.livedoor.com/article/detail/16994802/

菅義偉官房長官が28日、韓国が強制徴用被害者問題を解決することを促した。
官房長官はこの日の定例記者会見で、韓国をホワイト国から除外した措置について「安全保障上の観点から、わが国の輸出管理制度を適切に実施する上で必要な運用の見直し」と述べた。
続いて「現下の日韓関係における最大の問題は、旧朝鮮半島出身労働者(元徴用工)問題」とし「これを含めて韓国側から否定的で非合理的な動きが相次ぎ、非常に厳しい状況が続いている」と主張した。
官房長官は「日本政府としては、さまざまな問題についてのわが国の一貫した立場から、韓国側に賢明な対応を強く求めていく考え」とし「韓国側に対して一連の大法院判決により、韓国側によってつくり出された国際法違反の状態を解決することを求めていきたい」と述べた。


河野太郎さーん!!何かいってやってください。
 

河野外相「歴史は書き換えられない」と主張
https://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20190828-00034211-hankyoreh-kr
 

以前にも書きましたが、個人の請求権は放棄されていません。
 

第10号 昭和40年11月5日 衆議院会議録情報
http://kokkai.ndl.go.jp/SENTAKU/syugiin/050/0401/05011050401010a.html

(略)○石橋委員 私は、長くなりますから、いままで政府が国会を通じて国民に説明しておりましたものを一々ここにあげません。簡単にお尋ねしますから、簡単に答えていただきたいのです。
 この平和条約第四条の(b)項においてわれわれは――われわれはというのは日本の政府はです。――国民の財産権の所属変更、移転まで承認したのではない、外交保護権を放棄した、それだけだ、こういう解釈をとってきた。これは間違いないでしょう。間違いないとすれば、いま、その外交保護権は放棄したという従来の説をそのまま維持しておられるのか、それとも変更して、外交保護権まで放棄したというふうに変わったのか、これは外務大臣、責任を持ってお答え願いたいと思います。
○椎名国務大臣 外交保護権の放棄であります。
○石橋委員 これはもうたいへんなことですね。従来の解釈、従来の政府の国民に対する説明というものを百八十度変えております。そんなことが一体許されますか。
○椎名国務大臣 変えておりません。
○石橋委員 外交保護権を放棄したものではないということをいままで言ったことはないというのですか。
○椎名国務大臣 外交保護権の放棄である。
○石橋委員 ちょっと待ってください。聞き方が間違えました。
 外交保護権を放棄しただけであって、個人の請求権を放棄したのではないという解釈をとっておられたわけです。――もう一度お尋ねします。国の財産権のみならず、個人の財産権の所属変更、移転まで承認したというのであるならば、外交保護権のみならず、個人のそれぞれ持っているところの国際法上の請求権すら、個人の承諾なしに、不当にも国が放棄したことになるのではないか、こういう意味です。正確を期して私もお聞きします。
○椎名国務大臣 外交保護権だけを放棄したのであります。
○石橋委員 そうしますと、各個人は韓国に対して請求権を持っておる、このように考えられるわけですか。
○椎名国務大臣 条約局長から答えます。
○藤崎政府委員 韓国で、昔だったら米軍、いまだったら韓国政府当局が、それぞれの法令によってとった措置の効力を承認したわけでございます。したがいまして、当該の日本人が自己の権利を向こうへ主張しようとしても、これは向こうの国内法上の権利であるわけでございますが、それは実際問題としては取り上げられないだろうということになるわけでございます。
○石橋委員 そうしますと外交保護権も放棄した。日本国民の個人のいわゆる所有権というものも、これも全部、その当人の承諾なしに、日本政府がかってに放棄した、こういうふうに認めていいですか。
○藤崎政府委員 前段におっしゃった外交保護権のことはそのとおりでございます。個人の請求権というものは向こうさんが認めないであろうということを申しているわけでございまして、この条約、協定で、そういうものを日本政府が放棄したということじゃないわけでございます。(略)

(via:http://www.twitlonger.com/show/n_1sqn6v7
 
 
これが何を指しているのか判らない(もしくは判らないふりをしているのか)人もいると思いますから、書いておきますが、かつて日本政府は”韓日基本条約とこの条約の付属協定である請求権協定”において、(かつて朝鮮半島に在住していた日本人の)財産が(実質的に)失われたか、と問われたのを、個人的請求権は持っている、と述べた、という話です。
条約というのは片務的ではありえませんから、日本人の韓国における財産の請求権が失われていない、というのなら、韓国人の日本における財産の請求権も失われていない、ということなのです。
韓国政府が(代わりに)補償すればいいのだ、という意見を書いてくる連中もいますが、日本政府自体がそうした主張を否定しているのです。

○石橋委員 外務大臣は明確に言っているわけです。外交保護権は放棄した、個人の請求権も実質的に放棄した、こう認めておられるのですよ。だから、あなたに聞いているのではないのです。もう法律解釈はわかっておる。だから内閣、政府の責任を私は追及しているんです。法律的なことを聞いているんじゃない。とにかく所有権者の、請求権者の承認も何もなく、かってに政府が放棄するというような行為が許されるか。実質的に救済の道はないのです。回復しようとしてもその道はふさがれておるという説明までなされておるのです。
  〔委員長退席、長谷川(四)委員長代理着席〕
そうしますと、これは当然国家の利益のために国民の財産が充当されたという、こういう解釈をとらざるを得ません。賠償か賠償でないかということは争いのあるところでございましょうけれども、とにかくその中に在韓財産、日本国民の財産というものが加味されておるということは、これはもう否定できないと思う、何と言おうとも。国の利益のために個人の財産が犠牲になっているのです。当然これは補償の問題が出てくると思います。いかがですか、外務大臣。総理大臣がおいでなら総理大臣に聞きたいのですけれども。
○椎名国務大臣 個人の請求権を放棄したという表現は私は適切でないと思います。南辻法制局長官が言ったように、政府がこれを一たん握って、そしてそれを放棄した、こういうのではないのでありまして、あくまで政府が在韓請求権というものに対して外交保護権を放棄した、その結果、個人の請求権というものを主張しても向こうが取り上げない、その取り上げないという状態をいかんともできない、結論において救済することができない、こういうことになるのでありまして、私がもしそれを放棄したというような表現を使ったならば、この際訂正をいたします。
 それで、これに対する何か補償権というのが一体どうなるかということにつきましては、私は法制局長官の解釈に従いたいと思う。
○石橋委員 これは総理にお伺いしたいところなんです。あなたは先ほど、実質的に放棄したと言っていいのかと言ったら、そういうことになるとはっきりおっしゃいました。それはもう正直な答弁ですよ。外交保護権は放棄したけれども、個人の請求権は残っておると言ってみたところで、それでは韓国に対して訴訟を起こして回復しよう、その道は閉ざされている。実質的に放棄したことになる。間違いないじゃありませんか。それなのに補償の義務はないという、そういう議論は成り立たないと思います。これは総理が来てから私それでは確認をすることにいたしまして、関連の申し入れがありますから譲ります

 

ちなみに、この時の首相は佐藤榮作、安倍首相の大叔父にあたります。いくらなんでも個人的請求権が失われていない、ということくらい知らないとは思えませんけどね。
知っているなら、嘘をついている、ということです。
 

これは記者会見の記者達も同じであって、そのくらい突っ込めないからダメなんだよ。というところでしょうか。
まあ、こんな忖度は海外では通じませんから、この点で日本の味方になるようなところはありません。国際法上の解釈でも、です。
では。