シートン俗物記

非才無能の俗物オッサンが適当なことを書きます

原子力ゾンビ(死霊)の盆踊り

暑い日が続きますね。外と内との温度差が激しくて、すでに夏バテ状態です。
さて、頭が煮えてしまったのか、どうしょうもない記事が出ました。


ドイツの再エネ推進、担当大臣がまさかの「敗北宣言」
http://gendai.ismedia.jp/articles/-/56733


「また、マーンか。」物件でしか無いのですが、相変わらず、再エネが世界的に拡大し、企業もSDGsを気にして再エネ導入に踏み切ってきている、原子力は青息吐息、というような記事には(故意にか)目を向けないが、「再エネの不都合な真実!」みたいな与太記事には飛びつく原子力ゾンビの皆さまが蠢いております。


参考 拙エントリー:原子力ゾンビ国家ニッポン
http://d.hatena.ne.jp/Dr-Seton/20171227/1514380845


まあ、すでにumwerlin氏らが指摘されているので、その辺はどうでもいいのですが、

ここまで来ると呆れてものも言えない。怒りを通り越して感心すら覚える。本当に原典にあたって事実を確認する気が全然ないんだなぁと。
https://twitter.com/umwerlin/status/1023573904072343552


自称、科学的で、冷静で、客観的な判断が出来る方々(つまり原子力ゾンビ)が、以下の部分をどう考えているのか興味が湧きました。

4月27日付のこの欄で、ドイツで今年2月の末、時計が一斉に遅れた話を書いた。テレビや電子レンジなどに付いているデジタル時計だ。
http://gendai.ismedia.jp/articles/-/55478
それまで知らなかったのだが、電気器具に内蔵されている時計は、電気の周波数を利用して時を刻んでいるという。ところが、正確であるはずの周波数が落ちたため、これらの時計が軒並み、数日で6分も遅れた。それもヨーロッパ大陸のほぼ全域で。


デジタル機器の内部時計は水晶発振器を使っていますから、送電の周波数による影響は受けません。デジタル機器に付いている水晶振動器は内部電源(つまり電池=直流電源)だけで動かし続けなければなりませんから。


「水晶発振器」活用の手引き(1):
水晶振動子と発振回路の基本 (1/3)
http://ednjapan.com/edn/articles/1103/01/news118.html


昔は東日本(50Hz)と西日本(60Hz)で家電製品の動きに違いが出る、ということがありましたが*1、現在はそんな話は聞きません。大概、直流化するかインバータを利用するので、多少の周波ずれでは影響を受けないのです。
古い家電類や電気時計!なら影響を受けますが、“テレビや電子レンジなどについているデジタル時計”に関してはありません。
ブックマークを見ると、やはり突っ込んでいる方々も見受けられますが、普段、科学的で、冷静で、客観的な判断が出来ることを自負している原子力ゾンビは、こんな与太な記事にも救いを求めているようです。
マーンなど取り上げても意味が無いので、いい加減、裸踊りは止めてはいかがでしょうか。
では。

死霊の盆踊り デラックス版 [DVD]

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*1:富士川の東西で違うため、静岡県では東部と中西部でも家電に注意する必要があった。もちろん、現在はまったく関係がない

本当にあったもう少しコワい話

先週、仕事の愚痴を書いたら、エライ反響があったので驚いております。
少し、付け加える必要がありそうなので、新たにエントリーを立てました。


本当にあったコワい話
http://d.hatena.ne.jp/Dr-Seton/20180720/1532093202

研究開発に関するスタンスは人による

先日取り上げたエピソードですが、その企業とは以前にも仕事を一緒にしております。その際は、企業側数人、そして潤沢な資金は無かったものの、設備の利用を融通してくれましたし、実験と検証作業でも共同で行うことが出来ました。ですので、ニッチな業界ではありましたが、業界最強の技術と評価を受けることが出来たわけです。
現在、その企業は当時より売り上げも利益も大幅に増えているはずですが、研究開発に対するスタンスは書いた通りです。実は、担当者が替わったのです。前任者は、共同研究の必要性とビジョンを持っておりましたから、経営陣に掛けあって、予算と設備の使用、開発人員の確保に努めてくれました。それが、社にとって必要だ、と認識していたからです。
その方が退社されて、後任に替わってから、ちょっと縁遠くなっていたのですが、しばらくぶりに出た話がアレ、だったわけです。つまり、人次第なのですね。
ちなみに、前任者の方は退職後、自分で事業を立ち上げ、私と一緒に仕事をしております。

トヨタの話

コメントを見て誤解されている方が多かったのですが、トヨタ本体は研究開発に多額の投資を行なっております。ただ、彼らには問題点が多々あります。仕事の愚痴だったので、思いっきり省きましたが、誤解を解くため、ちょっと説明いたします。

トヨタは研究開発に多額の投資をしていますが、彼らはその成果の導入に対して極めて慎重です。「石橋を叩いて渡らない」というか、「石橋をゾウを渡らせてから渡る」という感じです。トヨタに対して自社技術をアピールしたい企業は、かなり厳しい品質保証を突き付けられます。それら全部下請持ちなのです。
昨今でも、トヨタは下請けに対して価格引き下げを要求しています。人手不足による賃上げ、円安による原材料価格高騰があっても値下げを要求される。結果、トヨタ方式の「カイゼン」は下請企業の余力を奪います。研究開発に人を割けませんし、充てる予算も無い、設備も空かない、という状況はこうして生まれます。
もちろん、アイシンやデンソー豊田織機といったメガサプライヤはトヨタに対しても価格交渉力があります。値下げ要求を呑まなくても、容易に他に乗り換えることは出来ないからです。こうした企業は高い技術力を持つ事が出来ます。
ですが、「値下げを呑まなければ、他に発注先を変更するよ」と恫喝される中小企業には、こうした高い技術を生む余力が無いのです。
日本メーカーの技術は決して低くはありません。日本メーカー製部品が多く利用されているアップルのiPhoneが価格で勝負していないことから判ります。問題は適正な価格で売ることが出来ないこと、つまり付加価値を生む戦略が無い事です。

イニシャルコストとランニングコストについて

イニシャルコストとランニングコストの関係については、実は「品質管理」が大きく関わっています。品質管理の話に関しては、そのうちにエントリーを立てようと思いますが(仮題「“匠の技”が日本の産業を潰す」)、日本企業の品質管理が大きな問題なのです。これは、現在の品質偽装の問題とも関係します。
掻い摘んで説明すると、品質管理は、製造工程の工程全体において戦略的に管理すべきものであり、特に川上側での対応が重要なのですが、日本のメーカーでは、川下側にそのツケを負わすことが多い。このため、ある一定の品質基準を越えると、品質管理に莫大な手間が掛かり、それがランニングコストを膨れ上がらせるのです。
キチンと、こうした製造工程を組んで最適化を図ろう、というビジョンが無い。このため、いくらイニシャルコストを掛ければ、これだけランニングコストを削減できて、品質も維持出来る、というような計算が出来ないのです。せいぜい、それぞれの工程で部分的最適化を図り、ここでは幾ら浮いた、あちらではいくら浮くはず、という「カイゼン」になってしまうのです*1
これが、新しいもの、新しい技術が生み出された場合、それを上手く活かすことが出来ない状況を生んでいます。


企業に大量の内部留保があり、金融緩和で大量の資金が金融機関に溢れ、人手不足で生産性向上がまったなし、なら、イニシャルコストを充分に掛けて、生産性が高い設備・工程を導入していくべきだと思うのですけどね。
まあ、海外への工場移転を目論んでいる企業にとって、国内工場への投資はムダなんでしょうね。
では。

*1:トヨタ式の「カイゼン」を取り上げていますが、実際にはトヨタでも工程全体の最適化、というのがカイゼンのキモです。ですが、中小企業は余力が無いため、工程全体を組み直したり見直すのは難しく、部分的にみみっちい「カイゼン」になっています

本当にあったコワい話

旧知の企業から研究開発に関する相談がありました。


「お久しぶり、シートンさん」
「どうも、ご無沙汰しております。今日はどうしたんですか?」
「いや、ちょっと相談があって」
「へー、どういった御用です?」
「前に、シートンさん達に開発してもらった技術があるじゃない。」
「はいはい。その後、あれはどうなりました?」
「おかげさんで、業界トップの性能って評価してもらって売ってたんだよね」
「あ、それはどうも。ありがとうございます」
「…だったんだけど…」
「だけど?」
「他社が新製品を出してきて、それがウチのシェアを喰い始めているんだよね」
「ありゃ、それはどこです?」
「EB社さん」
「…そりゃ、業界最大手じゃないですか」
「そう。で、シートンさんに新技術を開発して貰えれば、と思って」
「あー、なるほど。ちょっと考えている技術があるんで、太刀打ち行くかは判らないですが、実用化出来るよう開発してみます?」
「じゃあ、お願いします」
「で、予算はどれくらい出せますか?」
「予算?」
「ええ、共同研究となればそちらにも相応に出してもらわなくてはならないですから。まあ、なるべく負担が小さくなるようにしますよ」
「予算は…、ありません」
「は?」
「予算は無いんです。当社の今季の予算計画に入っていないんで」
「えー、じゃあ、来年度に盛り込んで貰うなら、当初はこちらで予備実験を進めましょうか?」
「あー、それは良いですね。是非、進めて貰えば助かります」
「じゃあ、来年度、共同研究を行なうことでいいですか?」
「でも、来年度も予算は無いですけど」
「えっ!それじゃあ困りますよ。本チャンに当てるお金が無いんじゃ、こちらも計画立てられないですし。来年度の研究開発予算ちゃんと付けてくださいよ」
シートンさんだけで何とかなりませんか?」
「ならないですよ。それじゃあ、こちらでの予備実験も出来ませんよ」
「そこを何とか」
「じゃあ、本業では無いですから、アイディアはあげますよ。そちらの設備で実証出来れば、使って構わないですよ」
「設備は、、、無い」
「無いって、今使っているヤツは?」
「設備フル稼働状態なんで、空きが無いんです」
「それは、好景気そうでイイですね」
「おかげさんで」
「いや、皮肉なんです。せめて土日くらい空きませんか?」
「え、シートンさん、土日に出てきて実験してくれるんですか?」
「タダ働きで、土日にそちらに伺うなんてイヤですよ。でも、条件振りが必要なら協力しますが」
「無理です。人がいないので」
「まあ、土日に出てくるのは厳しいですよね」
「土日も出勤してますが、そうではなく、研究開発に振れる人がいないんです」
「すいません。もう、何言ってるかわかんないです。カネなし、ヒトなし、設備なし?これで、業界最大手の技術に勝てっていうんですか?」
「何とかなりません?」
「なりません!!」
「安く、設備の変更もいらず、性能の優れた技術、出てきませんかね?」
「そんな虫のいい話があったら、私が欲しいわ!」


少し縮めたものの、話の内容はほぼこの通り。本当に、こういう話が出てきたんだよ!
一応は大企業なんだけどね。


企業との共同研究で思い知ったことなんだが、とにかく安く値切りたがるし、導入もイニシャルコストもケチるのに、ランニングコストは無頓着。長期的に見て得だ、とか、この技術を導入して高付加価値を付ける、とかいう話が通じにくい。


大企業でもこれなので、中小企業となると、新規開発に当てられる人材・金・設備はほぼ無い。親会社の要求をこなすのでいっぱいいっぱい。これで、イノベーションだ、新規産業だ、といっても対応出来るだけの余裕が失われている。
トヨタ方式の「乾いたゾウキンを絞る」効率化は、上位の企業にとっては都合が良いが、下請関連企業の力を損なっているとしか言いようがない。
こうして考えると、日本の技術は優れている・スゴイ!的なのは勘違いで、日本の技術は(その中身の割には)安い、のだ。だから、薄利多売を目指すし、(その技術による)製造コストを転嫁出来ない分、社員の給与も上げられず、残業頼みになってるんだろうな、と思う。

WiLLおじさんと呑んだくれ

先日、駅のホームで近くにいたオッサンが膨らんだカバンの中をガサガサと引っ掻き廻し始めた。ふと見ると、大量のお菓子が入っている。それも、田舎のばーちゃんとこで、お盆や年末年始に菓子盆に入れられているようなヤツ。思わず見ていると、そのかさばるお菓子の中から一冊の見覚えある装丁の雑誌を取りだした。
何と、WiLLじゃないの。
オッサン、おもむろに手にしたWiLLを読み始める。列車が来て乗り込んでも立った状態でも読み続けている。なるほど、噂に聞いた中高年の極右化、というヤツか。まあ、元々素地はあったのだろうと思う。昨今の環境により“発芽”したのだろう、と慨嘆する。
それにしても、WiLLを衆人環視の中で読む、なんて真似が出来るのは、すでにああしたものが社会に受け入れられているからなのだろう。オレにとっては、極右本を読む、なんてのはエロ雑誌を手にするより恥ずかしいことだが。どういう羞恥プレーなのだ。

同じ日の夜、某大学教員や某研究所の方々と呑んだのだが、話題となったのが、奨学金と外国人留学生の扱いだった。皆の意見はほぼ一致しており、つまり、現在の奨学金奨学金では無く、学生ローンに他ならず、学生が気の毒だ、というもの。
自分も、奨学金を得て、ついでに授業料免除も受けていたから、随分と社会に借りがある。職業が職業だから奨学金は返済免除された。だから、せめて奨学金と授業料分くらいは、育ててくれた社会に恩返ししたい、と考えている。一応、金額でいえば、返せたのではないか、と思ってはいるが。
そして、是非、奨学金は返済不要とすべきだよな、とも思う。それが、若い人を育てる源泉ではないか、と。
さらに、外国人留学生(技能実習生も含む)の扱いも酷いのではないだろうか。せっかく日本で学ぼう、と考えた人々を惨く扱えば、その体験は本国に伝わる。むしろ、日本で学んだ体験が素晴らしいものであれば、つまらない「クールジャパン」のような宣伝をしなくても、日本の評判を上げてくれるだろうに。そして、日本企業が当該国に進出する際の貴重な戦力となってくれるのに。
現在のやり方では、人件費削減のために、日本の就学環境の悪さと、外国人に対する差別的取り扱いを諸外国に大声で触れまわるようなものだ、と。
このような話に皆共感していた。そして、ふとWiLLおっさんを思い出し、すでに日本は分断されているのだ、と実感した。お代りのビールは苦かった。


信者を集めて年収1千万? カルト化するネトウヨ商売の闇
http://bunshun.jp/articles/-/8115

7/15 コメントを下さった hiro.y さんの御指摘によりリンクした記事のURLを修正しました。
hiro.yさん。御指摘感謝いたします。

拝啓 村上春樹様

米大使館移転抗議デモ、パレスチナの流血と悲しみ

【5月15日 AFP】パレスチナ自治区ガザ地区(Gaza Strip)にあるシファ病院(Shifa Hospital)では14日、家族や友人らを必死に捜す人々の姿があった。中には、その対象が遺体となって運ばれてきたことを知りながら確認作業を進める人や、安否に関する情報がなく、病室を見て回った後に遺体安置所へと向かう人々の姿もあった。
 病院では、ストレッチャーに横たわるきょうだいの遺体を前にして、「なぜ私を残して逝ってしまったんだ」と若い男性が叫んでいた。彼の悲痛な叫びは、遺体を移動するよう命令する職員の声でかき消された。「彼を早く冷蔵室に入れろ。次が到着している」

http://www.afpbb.com/articles/-/3174683


今こそ“卵”の側に立つ時です。今、立たないなら、それは“壁”の側に立つことを意味します。


私は、イスラエルの殺戮に断固抗議いたします。


駐日イスラエル大使館
http://embassies.gov.il/tokyo



過去エントリー


村上春樹氏に謝罪、そして不安
http://d.hatena.ne.jp/Dr-Seton/20090217/1234873084


賞の名誉は?
http://d.hatena.ne.jp/Dr-Seton/20090129/1233239344

原子力の本質

この期に及んでも原子力損切りしない安倍政権ですが、まあ、出鱈目をごり押しして、すっこみが付かなくなるのが恒例ですから、そんなもんなのでしょう。


原発20〜22%を明記 「取り組み強化」 エネ計画改定案
https://www.asahi.com/articles/DA3S13491491.html


さて、取り上げるのは、こんな状況でどうコメントするのかな?と興味を持って覗いてみた日本原子力産業協会のツイッターアカウントです。


日本原子力産業協会
https://twitter.com/jaif_tokyo


こんなアホな内容のツイートをリツイートしてました。

もへもへ@gerogeroR 5月11日 その他
蓮舫氏「安倍内閣はセクハラに耐えろと言っている」 http://a.msn.com/01/ja-jp/AAx5RrE?ocid=st

二度と少子化対策とかいうなよ。
子宝に恵まれますようにとかすらいえなくなるな。

そもそも結婚式の場でいったんであって「結婚できない人もいるとか子供できない人もいる」とかその夫婦とは関係ないやろ。

https://twitter.com/gerogeroR/status/994833757516558336

どうやら、日本原子力産業協会の中の人はこういうツイートに同調する、ということのようです(上記ツイートの何がおかしいか判らないようなら、セクハラについて真面目に学んだ方が良いと思います)。
で、思い出したのが、その昔、震災直後にあったツイートです。

ソーラーなんて女子供のエネルギー。男は黙って原子力
4:04 - 2011年3月25日

https://twitter.com/kazu_fujisawa/status/51237901870182400

ソーラー、というか再生可能エネルギーが世界的に拡大し、投資も爆発的に拡大している現在、


世界の新設発電、3分の2は再エネ IEA、世界の再エネ見通し発表

国際エネルギー機関(IEA)は4日、世界の再生可能エネルギーの見通しを発表した。2016年に世界で増えた発電量の3分の2を、太陽光発電や風力などの再生可能エネルギーが占めた。中国や米国、インドを中心に今後5年間で再エネ発電能力は43%増えるとみられる。世界の関連メーカーが増産などの対応を急ぐなか、日本企業の存在感は薄れている。
 報告書「Renewables2017」を発表した。16年の再エネの新設量は1億6500万キロワット。けん引役は太陽光発電の7400万キロワットで15年比50%増だった。電源別の新設量で、太陽光は石炭火力などを上回り初めて首位となった。
 再生エネは今後も成長する。22年までの増加量は10億キロワット。これは「現在の世界の石炭火力発電の能力の半分に相当する量」(IEAのファティ・ビロル事務局長)。
 背景には、中国やインド、米国における新設量の拡大と、再エネの発電コスト低下がある。
 新設した太陽光発電の半分を中国が占めた。環境対策として政府主導で進めるなど、「再生エネで疑いなく世界を主導している」(IEA)。

https://www.nikkei.com/article/DGXMZO21867490U7A001C1X93000/


苦笑するほかない。これほど先の明らかだった優良投資の予測を外す、というマヌケな金融屋(こんなんで本当に金融屋が務まるのか?)のツイートですが、彼の人が性犯罪を唆すような本を出したのは記憶に新しいところです。


大学生を性暴力に走らせ得る「恋愛工学」に危機感を持つべきだ
https://www.excite.co.jp/News/smadan/E1482310187071/


原子力というものに肩入れする人のメンタリティというのは、“女子供”を侮るようなものかもしれません。
安倍政権、というか、自民党原子力に執着するのも納得です。
では。

セクハラ福田の話は周回遅れ

こんばんは。福田”手しばっていい?*1”元財務省事務次官テレビ朝日記者に対するセクハラ事件ですが、相変わらずエクストリーム政権擁護の方々が凄すぎでドン引きです。
ソ連中によると、告発した記者はハニトラ*2なうえに、セクハラを受けていたのになぜ記者は役を降りなかったのかと指弾され、テレ朝は部下のセクハラをもみ消そうとしたクソ、だそうです。それぞれが、「ヤカンの穴」*3のように矛盾する話ですが、とにかく政権擁護が出来ればいいので、こういう話が普通にできるのでしょう。“普通の日本人”スゲー。
そのアクロバットな言葉の中からは、なぜか福田氏の責任を問うものは薄れていきます。
しかし、このアクロバティックな政権擁護の言葉が、むしろテレ朝上層部の最低の言い訳「個人の特定や二次被害の懸念を理由に「難しい」」にある程度の説得力を持たせているのが皮肉です。


もともと、「#MeToo」の運動は、ハリウッドの大物プロデューサー、ハーヴェイ・ワインスタインのセクハラ告発を受けて、大勢の被害者が二次被害を恐れて口を噤まざるを得なかったのを、“MeToo”私も(被害者)と声を上げることで告発者の行動を支持しよう、というものです。相談を受けたテレ朝が為すべきは、告発した女性記者を隠すことではなく、その勇気ある行動をサポートすることでした。隠そうとしたテレ朝は非難されて当然ですが、もともとの元凶は言うまでもありませんが、福田氏です。
ですから、彼の人の批判無しにテレ朝を非難することはできないはずです。遅まきながらもテレ朝は告発者を支える姿勢を示しました。一方、福田氏は未だに愚にもつかぬ言い訳を行い*4、麻生氏はそれを問題視しないばかりか、被害者軽視発言を行う始末。
「#MeToo」運動が全世界に拡がる中*5財務省財務省官僚元トップの態度がどう取られるか考えないのでしょうか?


さて、告発者をハニトラ扱いするエクストリーム政権擁護の方々ですが、それほどセクハラが嫌なら担当を降りなかったのか、という意見が散見されます。
もう、これは論外ですよね。なぜ、セクハラによって被害を受ける側が辞めなくてはならないのか。これは、女性は夜道を歩くな、の話と同じなのです。8年も前の話にすら追い付いていないのです。


男は夜道で刺されても当然
http://d.hatena.ne.jp/Dr-Seton/20091202/1259763746


男は性犯罪を防ぐために外出制限されて当然
http://d.hatena.ne.jp/Dr-Seton/20091203/1259844768


男をルドヴィコ療法に掛けるのは当然
http://d.hatena.ne.jp/Dr-Seton/20091205/1260004523


「男はケモノ」が「女性の自衛」と結びついていること自体が差別
http://d.hatena.ne.jp/hokusyu/20091203/p1


女性記者を取材に付けたらセクハラを受けるのであれば、女性を記者から外すのではなく、セクハラを行う者を除くこと。それが原則ですよね。女性記者が来たら取材を受けなくなる?そんなクソはそもそも役職に就けるべきではありません。
難しいことではありませんよ。単に、相手に敬意を払え、対等の人として見ろ、職務に忠実にあたれ、というだけのことです。


個人的には、おそらく福田氏の被害者はあちこちにいると思いますので*6、その方々が告発者を孤立させないように「MeToo」と応えてくれることを願います。そして、我々がその方々を支援しましょう。
では。

追記:しかし、この一連の動きを見ますと、日本が慰安婦問題を直視出来ない理由が判りますね。女性に対する人権侵害というものに鈍感すぎるのです。慰安婦問題はMe Too 運動の先駆けとも云えるものなのですけどね。

Black Box

Black Box

*1:財務省トップ」福田淳一事務次官のセクハラ音源公開!(デイリー新潮)より https://www.dailyshincho.jp/article/2018/04131400/?all=1&page=2

*2:ニートラップの略

*3:貸したヤカンに穴が開いて返ってきた、と指摘すると、「ヤカンを借りていない」「最初からヤカンに穴が開いていた」「ヤカンは無傷で返した」と相互に矛盾する言い訳をする小咄 cf:http://toled.hatenablog.com/entry/20070726/1185459828

*4:すでに録音が自分の声であることは認めていますが、全体でみればセクハラに当たらない、と言い訳しています。もちろん、一部だろうと全体だろうとセクハラに該当します。もしかしたら、セクハラではなく性犯罪という自白なのかもしれませんが

*5:Me_Too_Movement については https://en.wikipedia.org/wiki/Me_Too_movement

*6:セクハラ醜聞が暴いた「不健全な取材」の実態 https://toyokeizai.net/articles/-/217460