シートン俗物記

非才無能の俗物オッサンが適当なことを書きます

駒形商店街

駒形商店街は、七間町通りに繋がる古くからの商店街だ。未だに賑わいを残している数少ない商店街の一つでもある。
静岡市でも自動車交通の伸長と大型店舗の展開に伴って、古くからの商店街はどこも苦戦している。特に駅南側の商店街はほぼ壊滅状態だ。こうなることは予想できたことだが、10年ほどの変化がこれほどハッキリ出ると無力感に捕らわれる。「規制緩和論」の象徴として取り上げられる事の多かった静岡市の「大店補規制」だが、こと商店街の問題に関して云えば大店舗規制は有効だった事は確実である。呉服町通りや七間町通り、駒形商店街などが賑わいを残しているのは、地方においては本当に例外的な事である事を静岡人はよく承知していた方が良い。


まあ、堅苦しい話はべつにしても、駒形商店街には個性溢れる楽しい店が多い。七間町側から進んでいくと、四つ角に面したところに、グルメ番組などにも何度も取り上げられた手作りパン屋さんの「メルヘン」がある。手作りパンに、おでん、やきそば、氷と、何が主力なの?と尋ねたくなるくらいサービス旺盛。もちろん、どれも店で食べていけます。


ちょっと進んで右手には、韓国料理屋「韓家」さん。こぢんまりしているけど韓国料理、特にチゲ類がオススメだ。


さらに進んでいくと左手にはロシア料理の「カーチャ」。え、こんなところにロシア料理が、と思うほど周囲に溶け込んだ店の造り。落ち着いた雰囲気の店ではランチ(1200円)もあったりして、気軽にロシア料理が楽しめる。


食事が済んだらお風呂などどうだろう。桜湯さんは静岡市内に残った数少ない銭湯の一つ。サウナもついているし、フルーツ牛乳も健在だ。ゆっくり汗と疲れを流して欲しい。


風呂の後は一杯いかが。居酒屋「ひのき」さんは店の表はちいさいのに、奥行きは深い昔の町家造り。天井も古民家のつくりが見れるし、長居したくなるようなお店だ。もちろん、料理やお酒も美味しい。


最後のオススメは餃子の「餃宝」さん。お店は店主の王さんが一人で切り盛りしている。お持ち帰りが主力だが、店内で食べることも出来る。焼きたての餃子や蒸したての中華まんは絶品だ。オススメなのが餃子三種(500円)とザーサイ入り肉まん。どちらも肉汁たっぷりで皮も身も美味しい。買って帰るのもよいけど、気軽に店で食べてみるのもいいよ。


まだまだ、自分の気づかない名店はあるかもしれない。ぜひ、駒形商店街の奥深い魅力を楽しんで欲しい。


追記:なんて気楽に書いていた文章、アップしていなかったうちに、「餃宝」さんが店じまいしてしまった。残念。美味しい肉まんが食べられなくなってしまった。
もし、万が一王さんがどうされたのか知っている方がおられたら、御連絡を。


追記2:写真は餃宝さん。在りし日の店構え、写真上が切れてます、へたくそ。