シートン俗物記

非才無能の俗物オッサンが適当なことを書きます

これが奇跡のトルマリンパワーだ!

ま、アオリタイトルから始めます。

柿田川 思い出のトルマリン・ハンカチ
清水町を流れる清流・柿田川を訪れる観光客に思い出を持ち帰って貰おうと、地元の自然保護団体柿田川みどりのトラスト(××会長*1)などが新たな土産物として「トルマリンタオルハンカチ」を作った。
トルマリンはブラジルやロシア、タンザニアなどで算出する宝石。別名「電気石」とも呼ばれ岩盤浴などに使われ、遠赤外線などの効果が期待できるという。これを繊維に混ぜ込んだ。柿田川の透明な水をイメージした薄い水色で、川に生息する鳥の代表格・カワセミの刺繍をあしらった。
また、富士山の伏流水がわき出て川になっていることから、富士山の世界文化遺産登録を目指す活動を後押しする文言をパッケージの表紙に入れた。
1枚千円で、当面は柿田川公園の売店で販売。
(後略)
(2007.11.7 朝日新聞朝刊 地方面より)


その昔のことだが、トルマリンの研究をしようとしていた事がある。別にマイナスイオンとか遠赤外線の研究ではないよ。トルマリンは「永久極性体」と呼ばれる特徴を持つ鉱物で、その独特の結晶構造ゆえに(磁石に対する)「電石」と呼べる構造を持っている。成分によって「鉄電気石」「リチア電気石」など特色があるため、単結晶合成や成分置換、などで面白い性質が出てこないかな、と考えていたのだ。
ところが、調べ始めるとそのうちに、「マイナスイオンを発生」とか「遠赤外線を出す」とかアヤシイ状況になってしまった。現在、「トルマリンの研究」などと言えばどう誤解されるか判らない。結局、研究は止めてしまった。


wikipediaには擬似科学についての説明はない。他国にはない日本独特の現象らしい。
http://en.wikipedia.org/wiki/Tourmaline


柿田川みどりのトラストにも悪気など無いんだろう。一般の人、朝日新聞静岡支局でさえ問題視していないわけで、この間の「サラサラ血ブレスレット」騒ぎも役には立っていないようだ。
何度も繰り返しているけど環境系と擬似科学は相性が良い。責任を痛感する。
かといって、この程度で糾弾しちゃうと環境活動はやってはいけないんだよなぁ。他にも幾らでもあるもの。結局、実害が無いレベルであればやり過ごすしかないわけです。

*1:匿名とさせて頂きます。シートン