シートン俗物記

非才無能の俗物オッサンが適当なことを書きます

デッドリー・HALTAN

さて、相変わらずのはるタン。
わざわざ、速攻で「追記」を頂いたから、また突っ込んじゃうYO!


自然エネルギー補助金(税金の無駄遣い)エネルギー
http://d.hatena.ne.jp/HALTAN/20081024/p1

それともう一つ、この記事の付随記事として出ているんだけれど、カリフォルニアではこの 2 年で太陽電池の値段が 50% 上がったそうな。生産が増えないのに、変な免税措置で需要が急騰したんだからあたりまえだ。そうやって価格をゆがめるのがいいことかどうか。途上国の地方電化は太陽光に頼ることが多いんだけれど、これでそれが遅れないといいなあ。カリフォルニア人がグリーンなポーズをするために電化が遅れるアフリカの村が出るなんてのは、あまりいい構図じゃないし。
http://cruel.org/economist/economistnewenergy.html

先進国では余り意味のない太陽光発電も、「化石燃料原子力発電所の数が少なく、国土に送電設備も張り巡らされていない」「国土に少数の人口が散在し、送電設備を整備するよりは各地に太陽電池を設置して使い換えて行った方が安い」「供給が不安定でも取り合えず電気を引かなくてはならない」途上国の地方電化には有意義ということなんでしょうかね? 本来はあくまで補完的な急場凌ぎの技術というのが本質なんでしょうか。

いや、もともとの山形氏の文も酷いな。
途上国でよく使われている電源って、「ガソリンエンジン式発電機」と「ディーゼル発電機」なんだが。
途上国での一番の電力需要といったら、照明、情報機器(テレビ、ラジオ、携帯電話)、冷蔵庫になるのだが、そのどれも夜使えないと話にならない。だから、太陽光発電ユニット利用には「蓄電システム」が付随している。そちらの維持管理は結構手間が掛かるから、よほどガソリンなりを手に入れたりするのが面倒でない限り、もしくは先進国のNGOなりが協力しない限りは、内燃機関式の発電機が一般的だ。
だから、このところの原油高騰は彼らの電気事情にも悪影響で、だいぶ苦労していたと聞く。長期的に見れば、中国とインドの需要は増え続けるだろうから、燃料は段々に手に入れにくくなるだろう。


それに対して、現在の太陽電池バブル(と呼んで良い状況だと思う)は、一応は太陽電池生産量を押し上げ、低コスト化を進めるのに威力があった。一時的には、太陽電池システムを手に入れるのは苦労するだろうが、長期的に見れば手に入れやすくなるのだ。付随する蓄電システムも最近は高性能なものが登場してきている。

ただ自然エネルギーというより多く効率が悪い電源をなぜ「弱者・労働者の味方」の皆さまが薦めるのかはやっぱりよく分かりません。少なくとも電気料金は今よりも上がると思いますが。

効率と能率の区別ぐらいは付けた方がいいが、それは置いておいて、自然エネルギー利用が優れている点とは、それが「分散型」である事。電力会社の独占形態に風穴を開けるという点が期待されているわけだ。それは、例えば柏崎原子力発電所の停止、というような状況に対しても、リスクヘッジ出来る、という事でもある。

仮にその箇所が正しいにせよ、太陽光発電の本質的な問題、

欠点・課題

■電気的・機械的部品の寿命と総発電量を用いて計算した場合、発電電力量当たりのコストが他の発電方法に比べて2〜3倍と割高。

■発電電力が天候に左右される(曇天・雨天時、パネルに積雪した場合は発電量が低下する)。

■夜間は発電できず、蓄電性もない。

■太陽光利用のため、設置面積当たりの発電電力量が既存の発電方式に比べて低い。

wikipedia:太陽光発電

は何も解消されていないのではないでしょうか?

wikipediaから引用しながら、wikipediaに掲載されている太陽光発電の説明をほとんどネグるとは、良い根性しているじゃないか。

先進国におけるコスト

一般に、送電網の整った国に於いて他電源と比較した際には、下記のように特徴的なコスト上のメリットが生じる。このような付加的なメリットは大きく、単純な発電量あたりでみたコストが従来型電源の数倍であっても、なお電力網全体のコスト低減に寄与し得る([22]P.192など)。

* GEG排出量の削減効果
* 昼夜の電力需要の変化への追従効果(昼間の需要ピークのカット、夜間余剰電力の削減など)
* 他の電源からの送電損失の削減(太陽光発電の発電量がその分増えたのと同じ効果を持つ)
* 他電源の燃料調達リスクの緩和(燃料価格変動の不規則性、資源確保に関する不安が無い)
* 災害など有事におけるセキュリティの向上(影響範囲や期間が限定的)

欧米における太陽光発電のコストの相場は、2007年5月の時点の平均で設備容量1Wあたり5ドル弱、発電量1kWh当たり21セント程度である[1]。安価な製品では設備容量1W当たり4.5ドルを切る。発電電力量あたりで見るとまだ比較的高いが、普及に伴い、さらに低減が見込まれている。2012年頃には4ドルを切り、世界の6割以上の地域で補助金なしで発電事業として経済的に成立するようになると予測されている(PV News Vol.26, No.5, May 2007)。

平成17年度における設備容量1kWあたりの平均価格(税抜68.4万円/kW:参考データ参照)を用いて、償却年数20年で計算した場合、利子や保守費用まで含めた発電量あたりのコストは47〜63円/kWh程度と算出される[26]。 これは現在の一般家庭向けの電気料金(15〜35円/kWh程度)の倍程度であり、まだ割高である。

このためコスト低減の技術開発が進められており、NEDOのロードマップでは将来的にピークロード電源だけでなく、ベースロード電源としても競争力を持つ水準の目標が設定されている[27]。最大手企業のシャープも、2010年にはコストが現在の半分程度(23円/kWh)には圧縮可能との見通しを示している[28]。また同年2010年稼働予定の堺工場で太陽電池の大量生産を始めるため、さらなる発電コストの低下が期待されている[29]。

量産効果と技術の進歩により、コストが急速に下がってきている事をなぜ無視するのやら。
ついでにいっておけば、原子力のコスト計算は設備の耐用年数を長く見積もり、かつ、稼働率も高めに設定、廃棄物処理や使用済み燃料棒保存などは計算に入れていない。また、濃縮ウランが冷戦終結後に価格が大幅に下がったのを計算に織り込んでいる。一方で送電網がわざわざ原子力のために長く取り回されている事などは無視している*1
簡単に云うと、なんとか原子力のコストが安い、と見せかけようとしている、ということ。
というのも、温暖化問題が持ち上がるまで、原子力は「安い」ぐらいしかアピール出来なかったからだ。

他の事業についてはよく知らないけど、自然エネルギーの場合は海外で散々、補助金漬けで(しかも高値で電力を買い取ってまで)納税者・消費者の負担でわざわざ実用実験をしてくれているし、おまけに日本のメーカーもそこに参入している。日本の政府・電力会社としては、海外の政府・企業のカネで実験だけさせてもらって、本当にリーズナブルなものになってからノウハウだけ頂けばいいじゃん。その方が税金(補助金)も節約できる。それに日本のメーカーも参入しているんだから、「国産」の技術もある。

原子力後ろ弾後ろ弾


えー、「先行者利益」とか「デファクトスタンダード」とか、「知的財産権」とか説明しないとダメ?その筋なら、金融商品でも半導体でも自動車でも何でもそれでいい、って事になってしまうけど、大概の技術分野では先陣争いするものだよね?
ま、ドイツでも自然エネルギーへの投資というものははるタンのように批判があったりする。それこそCDUなどは「ドイツ産業界の競争力を削ぐ」といって反対している。だが、「緑の党」主導により進められた政策のため、環境産業は基幹産業に育ちつつある。


自然エネルギーサミット」と日本の課題
http://www.isep.or.jp/kiji/kako/seikyousinbun040517.html


誰かがやらなければ進まないものなら自分たちがやる、それが研究者や技術者の誇りであり、「技術立国」とやらの方針であるべきじゃないの?

ここでもエコブサヨが頼みもしないのに「自然エネルギーなら自給も出来てタダ」とか大嘘を宣伝してくれるわけで、資本家(爆)としては大助かりだw

自然エネルギーによる自給、はともかく、誰が「タダ」って主張しているの?もちろん、根拠の無いウソで他人を貶めたりはしないよね?長期的に見れば、自然エネルギーは「エネルギー源」はタダだし、廃棄費用も原子力などに比べて少なくて済むから、エネルギーコストがタダみたいなものになる可能性はある。
さて、自分としては「資本家」を敵視するつもりなどなく(ついでにいえば革命を起こすつもりもない)、協調してやっていけるならそれでいいのだ。メシのタネでもあるし。ただ、連中が人を喰い物にしようとするなら抗議するが、闇雲な敵視などする気はない。
むしろ、はるタンこそ随分「敵・味方」の二分法に囚われているような気がするけどな。

狭い日本の平野部にそんな巨大風車を安心して設置できる場所があればいいですねw 

ドイツでもそれこそオランダ、デンマークでも似たような議論はあった。だが、これらの国は風力発電大国に成り仰せている。日本でも適地は海岸沿いを中心に少なくない。洋上型でさえ可能だ。


洋上風力発電
http://www.kajima.co.jp/news/digest/jan_2002/echo/echo.htm

設置してもまだまだ元が取れるかどうか分からない商品はそれだけで「問題」じゃねーの? そんなに採算に合うなら民間の事業所が放っておかんと思うが、相手にされないから個人宅を狙うんじゃねーの? まあ訪問販売自体が規制強化やインターホン・オートロックの普及で消滅の危機だから(新聞の拡張も将来的にはなくなると思う)、あの会社も今後は・・・。

あのな、はるタン。太陽光発電太陽熱温水器をごっちゃにするな、と説明したろ?
朝日ソーラーが扱っているのは、太陽熱温水器(ソーラーコレクタ)。ソーラーコレクタは太陽光エネルギーのほぼ100%を熱として利用出来る。一般家庭の消費エネルギーのおよそ60%が給湯と暖房に用いられる事を考えれば、ソーラーコレクタは極めて効果的な技術であることが判るだろう。


資源エネルギー庁 エネルギー白書2007年度版 民生部門のエネルギー消費の動向
http://www.enecho.meti.go.jp/topics/hakusho/2007energyhtml/html/2-1-2-2.html


ソーラーコレクタのEPTは太陽電池より遙かに短く、価格的にも短期間で元が取れる代物だ。
環境技術に注目するものなら、基本中の基本だよ。太陽電池に疑問を投げかける室田先生達も、ソーラーコレクタは積極的に導入すべきだと主張している。
一般事業所などではお湯を大量に必要とする場面自体あまり存在しないから普及しないが、街の銭湯などで利用しているところを見たことはある。
自分は冷暖房共にソーラーコレクタ利用は適しているんじゃないか、と考えているので、技術開発に加わってみようか、と考えているほどだ。


第2章 本論
http://www.nedo.go.jp/kankobutsu/pamphlets/dounyuu/shinenegaido2008/5.pdf


資料編
http://www.nedo.go.jp/kankobutsu/pamphlets/hokkaido/kitanodaichi/siryou.pdf


それからな、

・・・ぶっちゃけ、朝○ソーラーのチョーチン記事を貼りつけてくる時点でアレな人だと思うんだけど、どうもそうは思わない方も多いのかなあ? 自然エネルギー人気ってそんなに根強いのかねえ・・・。

一部を隠しつつ実名が判るように中傷を行うのは卑劣とは思わんの?
自分が載せたのは、“提灯記事”に賛同するからじゃない。朝日ソーラーが現在でも営業を続けており、ソーラーコレクターが製品として通用していることを示すためだ。
太陽熱温水器に関しては、調べれば多くのメーカーがあるのが判る*2ググレカス


経済論に関しては、オレは興味がないから幾らでも勝手にやってくれ。似たような話は青葉おでん横丁で飲んでいれば幾らでも聞けるから相手にするつもりもない。ただ、環境関係でデマを飛ばすようなら突っ込む。


静岡県観光情報/静岡おでん横丁
http://hellonavi.jp/shizuoka/shizuoka_cv/inshoku/E002_odenyokotyou.html

*1:諸電力会社の火力発電所の場所と原子力発電所の位置を確認してみると良い

*2:最近は、中国企業の進出が増えたのを知った。原理が簡単だから日本でも席巻するかも知れない。