シートン俗物記

非才無能の俗物オッサンが適当なことを書きます

ガザ大虐殺とワルシャワ蜂起

イスラエル軍、ガザの国連学校3カ所を砲撃 45人死亡
http://www.asahi.com/international/update/0107/TKY200901060342.html

エルサレム=古谷祐伸】パレスチナ自治区ガザに侵攻したイスラエル軍は6日、国連が運営する学校3カ所を砲撃し、少なくとも45人が死亡した。学校には、連日の戦闘をおそれて数百人の住民が避難していた。空爆が始まって以来、これほど多くの民間人の死亡が一度に確認されたのは異例。戦車が学校の近くで砲撃したとの目撃証言もあり、イスラエル批判の国際世論が高まるのは必至だ。

年末にガザ地区を巡る事態に対して少し触れていたのだが、酷い状況が続いている。かなり多くの方がエントリーを挙げられているので、事態に関してはそちらを読んで頂くとして、自分が今回の事態で想像したのがワルシャワ蜂起である。
ワルシャワ蜂起として有名なのは、「戦場のピアノスト」で活写された大戦末期のワルシャワ市民による大規模なレジスタンス活動だが、ここで紹介するのはワルシャワ・ゲットー蜂起の方*1

ワルシャワ・ゲットー蜂起 (Warsaw Ghetto Uprising) は、第二次世界大戦中のポーランドワルシャワワルシャワ・ゲットーにおいて、1943年4月19日から5月16日の間、続いた武装蜂起である。この反乱は、強制収容所に送られることが死を意味することに気がついたユダヤ人が命をかけてドイツ軍に対して起こしたものである。

この反乱の前兆として、1943年1月18日にドイツ人とユダヤ人の内通者に対する粛清から始まった。戦闘は5月16日まで続き、反乱勢力は貧弱な武装と劣悪な補給の元、粘り強く戦ったが、最終的にユルゲン・シュトロープ親衛隊少将により完全に粉砕された。
Wikipedia より引用)

ナチスドイツによる東欧侵攻と各国の降伏・追従にともない、東欧のユダヤ人は選別され各都市のゲットーへ追放、押し込められる事になる。その後に「最終的解決」として強制収容所への移送・「処理」が行われたのは昨年もエントリーとして挙げた。
さて、各地のゲットーは市街の狭い領域に多人数を押し込めたため人口密度が高く、生活環境は劣悪であったようだ。それでもその“狭く”“出入り口を制限された”“自治区域”でユダヤ人はなんとか生活を営んでいた。しかし、収容所への移送により処理される運命にある、と認識してから抵抗が起きる。しかし、彼らに対してドイツ側は圧倒的な兵力と火力を有し、ゲットーを包囲して抵抗勢力に仮借無き攻撃を行う。

ゲットーでの反乱に対しドイツ軍は、部隊を投入し鎮圧を試みた。そのため、次の3か月間、ゲットーの全ての住民は可能な限りの準備を行い、最後の戦いに臨んだ。そのために、何百もの隠蔽された避難所である「壕」が家の下に掘られた(防空壕とあわせて618個あった)。
(同上)

(強調はシートン


結局、ささやかな抵抗は完全に粉砕された。

最後の戦闘は4月19日の過越祭の夕方に始まった。ドイツ軍は大挙してゲットーに突入した。ユダヤ反乱軍は、裏通り、下水道、家の窓、燃えている建物からでさえ射撃を行い、ナチスの部隊に火炎瓶と手榴弾を投げつけた。フランス製装甲車は、Z.OB の火炎瓶により炎上し、ドイツ軍の最初の攻撃は撃退された。ユダヤ反乱軍は、フェルディナンド・フォン・サメルン・フランケネック(Ferdinand von Sammern-Frankenegg) 指揮下のドイツ軍に対して大きな成功を収めた。彼は、SSと警察のワルシャワ地区の指揮官を罷免され、ユルゲン・シュトロープがその地位に就いた。

攻撃がやんだ後、ナチスは、ブロックごと建物を焼きつくし、地下や下水道を吹き飛ばし、捕らえたユダヤ人を検挙もしくは殺害していった。
(同上)

今、ガザで起きている事、それはまさにかつてユダヤ人の身に降り掛かった惨劇そのものだ。いや、それより酷い。かつてのゲットーではポーランドレジスタンスによる援助があった。現在、世界中がその状況を知りながら、知らないふりをしている。


ハマスがロケット弾を打ち込むからだ」とイスラエルは自己の攻撃を正当化する。であれば、かつてのワルシャワ・ゲットー蜂起も「ユダヤ人が反乱を起こしたからだ」とナチスは正当化を図れるだろう。何より劣悪な環境に押し込め、自由な往来も、電力・エネルギー供給も止め、嫌がらせを続ける、事自体が問題なのだ。何度も言うが、イスラエルパレスチナの「紛争」はどっちもどっち、などというものではない。
それは、ナチスドイツとレジスタンス活動による「紛争」がどっちもどっち、と呼ぶようなものだ。
非はイスラエルにある。日本政府はイスラエルに対し、それこそ北朝鮮に対するのと同じくらいに経済制裁でも国交断交でもいい、真摯に働きかけるべきだ。それはたぶんイスラエルのためでもある。


さて、


アル・ガド
http://d.hatena.ne.jp/al-ghad/


に、今後の抗議活動のスケジュールが載ってます。可能な人は参加してみてください。
自分は10、11日とも用事があり参加出来ず残念。日和ってるみたいで申し訳ない。

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*1:こちらも「戦場のピアニスト」で紹介されている