シートン俗物記

非才無能の俗物オッサンが適当なことを書きます

痴漢被害に対する想像力

盛り上がってますね。この話題。女性ならかなりの人がイヤな思いをした事があるでしょうし、男性も同じでしょう。しかしです、

id:Prodigal_Sonさんが、

痴漢冤罪と痴漢被害者とどっちがより悲惨かなんてことを語ることに何の意味があるのか正直わからない。

と仰るのは当然の事なんですけど、女性がほぼ全て痴漢被害者の立場にあり、男性がほぼ全て痴漢加害者もしくは冤罪被害者の立場である、事を考えれば、男性vs女性という(不毛な)「対立構図」に持ち込む意見が出てくるのはある意味当然なんですよね。
その、想像力の限界を感じるのが
「お前の恋人、家族(姉妹、娘、etc)が被害を受けたらどう思うんだ」という、自分の身に引き受けない言葉だったりします。


ですがね、男性だって痴漢被害に遭う場合があるんですよ。ぶっちゃけ、自分は数回あった事があるんです。
一度は映画館です。ガラガラの場内で横に座るオッサンがいたんですが、気にしていなかったらいきなり手を握られたのですよ。
二度目は深夜のサウナです。休憩室の座椅子に腰掛けていたら、横のオッサンに太ももを撫でられました。
どちらもですね、驚きと嫌悪で声も出ませんわ。いいですか?喧嘩上等、格闘技好きでスポーツ大好き。毎週のように自転車とサッカーに明け暮れる健康優良不良中年の私、その若い頃でも、恐怖に身の毛もよだって声も出なければ、払いのける事も咄嗟に出来ないんです。金縛り状態が溶けた瞬間に脱兎のごとく逃げ出すのが関の山です。
これが電車内で見知らぬオッサンに体を触られたら、女性がなにかしら行動を起こせないとしてもまったく不思議ではありません。それに対して、「冤罪を防ぐために我慢しろ」的な意見が出るのはまったく許し難いです。


これはね、自分にホモフォビアが無いとは言いません。
しかし、やはり“見知らぬ人間に不躾に体を触られる”事は根本的におぞましい、という事に尽きると思います。ですから、触る人間がオッサンでなくても、オバサンでも美女でも同じ事です。


許可したわけでも同意したわけでもない相手に体を触られる恐怖、それに対する感情移入が出来ない限り、不毛な対立構造は続くと思いますね。男性諸氏、あなた方は自分の身に引き受けて考えた方が良いですよ。