シートン俗物記

非才無能の俗物オッサンが適当なことを書きます

国母の件では、断然やくみつるを支持するね

こんばんは。ブリティッシュコロンビア州の州都は、バンクーバーではなくビクトリア。バンクーバー島バンクーバーは無い。マメ知識大好きシートンです。
このところ、国母選手の「服装」をめぐって騒ぎになってますね。でも、私は断然やくみつるを支持します。


【国母服装問題】やくみつるさん「本国に召還すべきだ」
http://sankei.jp.msn.com/vancouver2010/news/100213/oaf1002130954003-n1.htm

漫画家やくみつるさんの話「本来、制服を着崩すことがよくないのに、学校では恒常化しており先生がとがめることもない。この風潮に待ったを掛けるためにも、国母選手は本国に召還すべきだ。競技に出場させるのは温情を多分に感じる。注意された時点で素直に謝っていればいいのに、舌打ちをし『反省してまーす』と発言するなどの対応がまずい。体育はよくても、知育徳育が甚だしく達していない。幼少からプロライセンスを取り、調子こいた人生を送ってきたのだろう。突出した才能を開花させるには、周りが言い含めないといけない」


そうです。本国に召還するべきです。オリンピックに出場なんてとんでもない。オリンピックに相応しくないですから。


え、じゃあ、どういうのがオリンピックに相応しいのか、ですって?そんなの、オリンピック一色に塗りつぶされた報道を見ていれば判るじゃないですか。島国根性ですよ。
だいたい、今日のスピードスケート男子500メートルの報道を見たって判ります。大きく紙面を割いて取り上げるのは「日本人選手銀、銅」ですよ。パッと見ただけじゃ誰が金を取ったのかだってわかりゃしない。報道も、見る側もスポーツ競技に興味があるわけじゃないのです。「(日本が活躍する)競技」に興味があるのです。
そもそも冬季オリンピックといったら、元々花形種目は「アルペン三種目」、滑降・回転・大回転。でも、日本じゃほとんど事前に取り上げたりしてないですよね?ま、回転は“愛子夫”皆川君が出場するから若干取り上げて貰えそうですけど。
オリンピックになると、(日本における)マイナー競技に興味のある私は、各競技のトップアスリートの様を見るのでさえ苦労するため、日本人活躍(予想)競技に偏るどころか一色の報道にウンザリしているのです。
トップアスリートの戦う様は、どれを取ったって素晴らしいものです。日本人選手が活躍すればうれしいのは判ります。しかしね、程度ってものがあるでしょう?いい加減、日本人、に関わりなくスポーツの素晴らしさにもう少し目をやったっていいでしょうが。


今回のオリンピックで一番ウンザリしたのは実は国母君の件ではありません。
フィギュアスケートペアの一件です。


五輪フィギュア:川口・スミルノフ組、SP3位
http://mainichi.jp/enta/sports/10olympic/news/20100215k0000e050056000c.html

バンクーバー飯山太郎】バンクーバー冬季五輪第3日の14日、フィギュアスケートはペアのショートプログラム(SP)を行い、ロシア代表の川口悠子アレクサンドル・スミルノフ組は74.16点で、首位に2.5点差の3位につけた。1位は2大会連続銅メダルの申雪、趙宏博組(中国)で76.66点、2位は75.96点だった世界選手権2連覇中のアリョーナ・サブチェンコ、ロビン・ゾルコビー組(ドイツ)。
 ◇ほぼノーミス演技

 国籍を変えてまでつかんだ夢の舞台は、素晴らしいスタートとなった。ロシア人のスミルノフと組む川口がSPで好演技をし、表彰台に大きく近付いた。

 サンサーンス作曲「白鳥」の曲に乗り、演技を一つずつ確実にこなしていく。スロー3回転ループの着氷はやや前のめりだったものの、ほぼノーミスの演技。先月の欧州選手権での自己ベスト得点(73.92点)を上回る74.16点を挙げた。

 今季前半のGPシリーズではSP、フリーとも精彩を欠く演技が続いた。旧ソ連時代から五輪12連覇中のペア大国ロシア。川口にとり五輪に向けたプレッシャーが、それだけ大きかった。「ロシア代表にこだわってしまうと、今の私だと自分を支えきれない。『スケートを好き』という気持ちを忘れてしまう」と心がけ、徐々に調子を上げてきた。

 もともとシングル選手だった川口は、98年長野五輪で見たロシア人ペアの滑りの美しさに感激し、彼らを教えていたタマラ・モスクビナ・コーチに「あなたの元でスケートを学びたい」と英文ファクスを送って弟子入り。06年にスミルノフと組んでから急成長し、昨季世界選手権で3位に入り、先月の欧州選手権で初優勝。同コーチは川口について「ペアを始めたころは男性と手も握れない感じだった」と懐かしみつつ、「身体能力にすぐれ、教えたことを忘れない」と評する。

 昨年1月にロシア国籍を取得した川口は「パスポートをつけて滑るわけではない。一人のスケーターとして見てほしい」と強調する。演技後、観客は国籍に関係なく大歓声で2人をたたえた。願いはかなった。


川口さんは、自分の夢を叶えるためにロシアに渡ったわけです。「競技のためには国など関係が無い」。そういうスタンスで続けてきた(記事にある彼女の言葉にもありますよね)人を、相変わらず「日本出身者」として扱う醜悪さ。


日本におけるオリンピックとは、スポーツ競技の素晴らしさを味わうイベントではなく、自分が仮託する「日本(人)」が「活躍」するのを喜ぶ場なんですね。
だから、“オリンピック”は、生クリームで綺麗にデコレートされた馬糞みたいなもの。国母君はその生クリームに指を突っ込んで掻き混ぜてしまった。そりゃ、皆怒りますよ。で、やくみつるは「てめェ、指を引き抜いて戻ってきやがれ!」と叫んだ。
いいじゃないですか。やくみつるや、その他の人々が国母君を責めれば責めるほど、彼らの守りたい「正しきオリンピック」とは、どでかい馬糞でしかない、と知らしめてくれるわけです。
当然、私はやくみつるを支持しますよ。「正しきオリンピック」など興味はありませんから。どんどん、“オリンピック”のくだらなさをあからさまにすればいいんです。
え、書きすぎだって?チッ、うっせーよ。反省してまーす。

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2/23 追記
id:y_arimの御指摘に従い、一部修正しました。

修正前:どんどん、オリンピックのくだらなさを
修正後:どんどん、“オリンピック”のくだらなさを

有村君、サンクス。