シートン俗物記

非才無能の俗物オッサンが適当なことを書きます

中国の非道、アメリカの罪

一国の首相たる者がこういう発言するんじゃね。このゲスが。


温首相「五輪狙ったもの」 チベット騒乱 対話「うそ」

中国の温家宝(ウェン・チアパオ)首相は18日、全国人民代表大会全人代、国会に相当)閉幕後の記者会見で、チベット自治区などで発生しているチベット人と治安当局との衝突について、「ダライ(・ラマ14世)一派が組織的かつ念入りに企てた策動だ」と強い口調で批判した。そのうえで、ダライ・ラマ14世らが「独立は求めない。平和的な対話を」との立場を表明していることに対して、「うそだ」と断じて、対話に応じない姿勢を示した。

http://www.asahi.com/international/update/0318/TKY200803180094.html


こういう態度はどんどん世界中の不信を募らせるばかりなのに。強硬な態度に出る背景は判らないでもない。中国は少数民族を多数抱える国でもある。うかつな妥協を行えば他の少数民族も付け上がる、というのが彼らの主張だろう。旧ユーゴ問題における中国の態度を見りゃ判らんでもない。
だが、どう見ても逆効果だ。逆に華僑の進出著しい国で、彼らに対する異端視が強まるばかりだろう。マイノリティの権利保護には難しいところがある。だが、デモも認めず交渉さえ拒否するようじゃ、かえって反発は強まるばかりだ。

騒乱について温首相は「北京五輪破壊をねらったものだ」と断言。暴動を受けて北京五輪に反対する声が国際社会から上がっていることに対して「五輪を政治問題化してはならない」と牽制(けんせい)した。「少数の暴徒が罪のない市民に危害を加えて人民の財産と生命に大きな損害をもたらしたきわめて残酷な事件」とした上で、地元当局が「迅速に鎮めた」と述べて、すでに制圧したことを明らかにした。

もともと北京五輪自体が、“政治的意図”の産物でもあろうに。こんな時ばかりスポーツの独立を訴えてもね。もっとも自分もボイコットには反対。中国政府に対する交渉の手掛かりを失う可能性が高い。彼らの面子を潰せば、連中は弾圧にまったく躊躇しなくなるだろう。


中国政府、米ユーチューブを遮断 欧米メディア報じる

複数の欧米メディアによると、中国政府は17日までに、米動画投稿サイト「ユーチューブ」を中国内で利用できないよう、インターネット経由での接続を遮断する措置を講じた。チベット暴動の映像が投稿、閲覧されるのを防ぐ情報統制の狙いがあるようだ。

http://www.asahi.com/international/update/0318/JJT200803180005.html


一見、かけ離れているようだが、アメリカの罪も重い。


イラク開戦5年で反戦デモ=平和団体連携、世界約90都市で

【ロンドン15日時事】イラク開戦から丸5年を迎える20日を前に15日、ロンドンをはじめ世界各地で反戦デモが行われ、参加者らはイラクおよびアフガニスタンの駐留軍撤退を呼び掛けるとともに、対イラン軍事攻撃の実施反対を訴えた。

http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20080315-00000133-jij-int


“テロ戦争”と称して、“テロリスト”をマイ定義し、敵認定して身勝手な“戦争”を仕掛けた事から、同じ手段をロシアや中国もとれるようになった。チェチェンでもウイグルでも、“テロリスト”と決めてしまえば問答無用だ。アメリカ、というかブッシュ政権は、マイノリティ弾圧の言い訳をくれてやったようなものである。
アフガニスタンソ連と闘わせるためにゲリラ育成したことから、アルカイダが誕生した。
同様に、イラク戦争を始める口実を造り上げたことから、ロシアや中国の無法を呼び込んだ。
未だにグアンタナモで拷問を行っているアメリカが、チベット人ウイグル人を迫害する中国を批判しても、それは鏡に向かってするようなものだ。アメリカは狡猾に振る舞ったつもりで大義を失ったのである。


第80回アカデミー賞 長編ドキュメンタリー賞受賞作品テレビ版「米国“闇”へ」

民主主義は本当に人類共通の価値観となり得るのか、世界33か国の共同制作の米国編。民主主義の旗印の下、テロと闘う米国が容疑者を「拷問」した矛盾。アメリカ人のギブニー監督は、アフガニスタンで無実のタクシー運転手が拷問の末に死亡した事件を軸に、被害者、米軍の調査官、政策立案者へのインタビューを重ね、米国が抱え込んだジレンマを描いた。「民主主義の内部で、民主主義が脅かされる危険性」という疑問を提示する。

http://cgi4.nhk.or.jp/hensei/program/p.cgi?area=200&date=2008-03-03&ch=21&eid=21398


一見インモラル、イリーガルな手段は効果的に見えるものだ。だが、結局のところ損失の方が大きい。


もう一つ。

チベット暴動、中国ブログにあふれるナショナリズム

3月15日には、怒りのブログ投稿が相次いだ。中国がチベットの首都ラサで死者が出たことを認め、米国の俳優リチャード・ギアが、中国当局がこの件への対処を誤ったら北京五輪をボイコットしようと呼び掛けたのを受けてのことだ。

 「西洋人は中国のことを何でも知っていると思っていて、あれは悪い、これは悪いと指図してくる」とあるブロガーは記し、チベットを中国の一部とするのは正当だとする歴史上の理由を上げ連ねた。

 「この件に関しては、ほとんどの外国人は以前から洗脳されている」と別のブロガーも同様の意見を述べている。

 敵意に満ちたナショナリズムを表しているブログはほかにもある。

 「行儀良くしていれば、文化と恩恵を守ってやるのに」とあるブロガーはチベットについて記している。

 「お行儀が悪くても、それでも文化は面倒を見てやる。博物館に収めてね。漢民族は正しいと信じている!

 多くのブロガーは、亡命中の宗教的リーダーで、ノーベル平和賞受賞者のダライ・ラマが暴動を扇動していると非難している。

 「単純な僧侶たち。単純なチベット人独立運動を陰で動かしているものを知っているんだろうか?」とあるブログには書かれている。

 あと6カ月足らずでオリンピックが開かれる北京の住民も、同様の意見を示している。

 「中国政府はこのガンを切り取らなければならないと思う。まずはダライ・ラマから。たとえわれわれがダライ・ラマと関係なくても、この暴動の背後にいる連中を逮捕すべきだ」とSongと名乗る男性は述べている。
(強調は引用者)

http://www.itmedia.co.jp/news/articles/0803/17/news025.html


こういう物言いはどっかで見たことがあると思わないか?